紹介、『さらば、公立大学法人 横浜市立大学――「改革」という名の大学破壊――』 吉岡直人著 下田出版 2009年3月発行 「意見広告の会」ニュース470より(2009.3.15)

 

 

紹介、『さらば、公立大学法人 横浜市立大学――「改革」という名の大学破壊――』 吉岡直人著 下田出版 2009年3月発行 「意見広告の会」ニュース470より(2009.3.15)

 

 

5−1 紹介 『さらば、公立大学法人 横浜市立大学――「改革」という名の大学破壊――』 吉岡直人著  下田出版 2009年3月発行 定価2100円 ISBN978-4-902811-82-7(2009.2.28)

 

国立大学は04年に独立行政法人化し、国立大学法人となった。公立大学も地方独立行政

法人法で規定された公立大学法人へと移行した。横浜市立大学も05年に法人化された。

だが、横浜市立大学に起こった変化は単にそれに留まらなかったのである。東京都立大

学とともに、行政権力のあからさまな介入によって、大学内の民主主義は完膚無きまで

に破壊し尽くされたのである。大学の自治などというものは全く考慮されることがなか

っただけでなく、徹底的に蹂躙された。もちろん大学内部に、これに手を貸し、権力に

阿る人間がいたことがこれを可能とせしめたのである。本書はそのことへの告発の書で

ある。

(「まえがき」より抜粋)

 

 

5−2 永岑 三千輝氏 「大学問題日誌」より

eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/Nisshi.htm

 

3月6日 吉岡先生のご本(下田出版株式会社)を入手した。2001年ころからのことが

、次々に思い出される迫力ある内容となっている。

 

「改革」で大ナタを振るった人物の「この野郎」発言をはじめ、この本で初めて知った

ことも多い。忘れていたことも多い。

 

「廃校」の脅かし、「赤字」と「累積債務」の意図的誤用など、「改革」を強行的に進

めようとする品性を欠く(不適切な)文言が横行したことも、本書を通読していると、

改めて鮮明に思い返される。

 

財政危機を大義名分にいかにひどい言辞・ロジックが横行したことか。新自由主義の荒

波が大学には既に7−8年前に押し寄せ、この間はそれとの苦闘で過ぎさった。

 

冷戦体制崩壊後の新自由主義の跋扈とその問題性が今や世界的な大恐慌となって露呈し

ているとき、本学の「改革」を主導した新自由主義の嵐とそれによる破壊についても、

本書によって再考・熟慮の貴重な機会が与えられた。

(以下略)