『新団体で国民運動』 中田・横浜市長 衆院選出馬は否定 東京新聞(2009.7.29)

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009072902000112.html 

 

 

『新団体で国民運動』 中田・横浜市長 衆院選出馬は否定

2009年7月29日 朝刊

 横浜市の中田宏市長(44)=二期目=が二十八日、任期途中で辞職することを正式に表明した。理由について、「以前から、二期八年を区切りと考えていた。就任した七年前に危機的だった財政は、健全化の軌道に乗った」と話し、今秋に設立する政治団体の活動に力を注ぐとした。中田市長の退任日は、八月十七日付。辞職に伴う市長選は、衆院選と同じ八月三十日投開票の日程で行われる見通し。 

 中田市長は市議会の川口正寿議長に辞職願を提出後、午後一時半から市役所で記者会見。来年四月までの任期を半年以上残して辞職するタイミングについて、「九月から新市長が任期をスタートすれば、新年度予算を本格予算で編成できる。八月の衆院選に投開票日を合わせることで、約十億円の経費削減ができる」などとした。

 今回の衆院選への出馬については否定。「莫大(ばくだい)な借金を背負った国が滅びたら、地方や個人はない」と述べ、今後は、秋に立ち上げる政治団体「『よい国つくろう!』日本国民会議」で、国の危機的な状況を改善するため、国民運動を展開したいという。

 市長選の日程を決める選挙管理委員会は二十九日に開催するが、八月三十日投開票が有力。その日程では、告示日まで一カ月を切ることになるが、「後任について私が注文を付けることはない。市政に意欲がある人が手を挙げると思う」と述べた。後継には複数の市幹部や女性の元幹部が浮上している。

 二〇〇六年の前回市長選では、市議会の自民、民主、公明の与党三会派が結束して中田市長を支援。今後の市長選について、自民党内では「統一候補でもいいのではないか」との見方もある。

 しかし、民主党県連幹部は「衆院選挙で自公とは対立しており、独自候補擁立を視野に入れて検討する」と話した。

 

(写真説明) 記者会見で辞職を表明する横浜市の中田宏市長=28日、同市役所で(河口貞史撮影)