「クラウドって何色だろう?」
ある日ある時唐突に、彼女はそんな事を訊いてきた


  + Coloful color +


「・・・・・。何の話だ・・・?」
う〜、と言いながら悩むエアリスに疑問を投げかける
「その人を現す色の事」
相も変わらず、どうでもよい話題を引っ張り出す物だ、
と、密かに俺は嘆息する
「だってね、例えばバレットは激しく燃えるような赤
 ティファは暖かい橙色って感じで・・・
 レッドは銀かな?純粋な、月の色」
仲間たちの名を上げながら、彼女はまるで唄うように説明する
確かに、エアリスの言った"色"は的を付いた表現で
顔には出さないものの、思わず納得してしまう
「って、そうじゃないのよ
 クラウドの色が分からないのっ」
「別に。何色でも良いじゃないか。俺は気にならない」
「えぇ〜っ?自分がどんな色か、興味無い?」
「・・・興味無いね」
「むぅっ。クラウドがそーでも私は興味があるのっ!!」
俺のいつもの口癖をさらりと流し、膨れっ面をして見せる
こうなったら恐らく、納得するまで止まらないだろう・・・
やれやれ、と軽く肩を竦めてみせると、エアリスは再び考え込んだ
「う〜ん・・・クラウドの色〜・・・・・
 緑・・・違う。青・・・違う。黒、も何か違う・・・」
他にも様々な色をあげては「違う」と首を振る
「黄色、は髪の色だし・・・」
うろうろとしていたエアリスだが、
やがてフッと俺の前まで来ると顔を覗き込み、言った
「・・・桃色?」
「何処からそんな考えが出てくるんだ・・・!?」
「だって、女装・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「冗談だってばv」
いや、眼が僅かに本気だった
苦々しい過去の出来事を思い出し、無意識に眉間に皺が寄るのを感じた
「あ、灰色」
ふと、何かに思い当たった様にエアリスが呟いた
「灰色?どうして俺が灰色だと」
彼女なりの理由があるのだろう
「興味が無い」とは言ったが、言われるとそれで気になる物だ
するとエアリスは少々困ったように言った
「曇り空だな、って思ったの・・・」
「・・・。」
灰色の、曇り空か・・・・・
「確かに」
「・・・・・怒った・・・?」
自分でも余りよくない表現だと思ったのだろう
その表情が哀しげにこちらを伺った
「・・・いや、言う通りだと思う・・・
 いつも、曇った空みたく不安の陰が残ってる・・・」
うまくは言えない
でも俺はいつだって、心の何処かに何かを隠してる
太陽を隠す、灰色の雲の如く
「でもね、クラウド。曇り空はそれだけじゃないんだよ」
伏兵。そう言わんばかりにエアリスが俺を見上げた
「曇り空は準備期間。いつだって雲が晴れるのを待ってるの
 雲と雲の間から太陽が顔を出すのを、ずっと。・・・だから」
そこまで言うと、彼女は笑った
「いつかきっと、クラウドの雲も晴れるよ♪」
その笑顔には
エアリスの優しさが詰まっていた
「・・・、でもっ、雨が降るかもしれないだろう、曇り空は」
照れ隠し
そんな言葉を黙殺しながら、つい皮肉が出てしまう
「うぅん、大丈夫」
彼女が首を横に振る
「そしたら、私が傘を差してあげるもの」
「・・・・・っ」
素の優しさは何処か気恥ずかしいものがあり、
「・・・・・勝手にしろ」
思わず、顔を背けてしまう
「・・・・・照れてる?」
「照れてないっ」
間髪入れずに答えた事を後悔し、俺は更に背を向けた
「相変わらず素直じゃ無いんだから〜」
くすくすと笑いを零すエアリスを背に
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺はしばらく、何を言われても黙り込む事を誓った

俺が灰色の曇り空なら、
エアリスはきっと、どんな色も変えてしまう"虹"・・・
そんな事を考えて、俺は思わず微笑した

 Fin.


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4000Hit記念。侑也さんへ「クラウドな小説」です。
いや、待て待て、お前何か勘違いしてないか?
おもいっきし「クラエアな小説」じゃ無いかっ!!!(滝汗)
侑也さん、こんな私でごめんなさい。これからもよ(殴)
テーマは「ほんわかリズミカル」!!!(意味不明)
クラウド=曇り。何て安易なネタなんだ。
性格が違うのは霜庵がFF7未プレイだからです。(やれよ)
でも全部見たことはあるので記憶力叩き起こしフル稼動・・・!!
別の意味で究極への挑戦です。
こんな駄文ですが侑也さんへ愛を込めて贈らせて頂きます。