コールマン山絵日記

 ゴールデンウィークの前半を利用して、白馬乗鞍岳に山スキーに出かけました。



4月28日  −まずは足慣らしー
 早朝に自宅(大阪)を出て新幹線乗り継いで、松本についたのが10時前。そして松本10時07分の「あずさ」で、東京より乗車してきた
岳氏と合流。「おー ワシ仕事で昨夜徹夜や。めっちゃ眠い」と岳氏、いつものパンチあるギャグもなく、大糸線内では睡眠不足を穴埋め
していた。11時26分白馬に到着し、そこからタクシーを使って、白馬の定宿の「農文協栂池センター」へと向かった。
 到着して事前に宅急便で送っておいたスキー板と靴、着替えを確認。この日は足慣らしということで、栂の森の上の成城小屋までの
行動であった。15:20分栂の森からシール登高を開始して、成城小屋には15:50着。まずまずの足慣らし。私は徹夜空けとは思えぬ、
登りを見せた岳氏を後ろからちょっと付いていくのに精一杯であった。
 センターに戻って夕食の後、岳氏持参の莫山先生の焼酎で改めて再開を祝し、深夜まで飲んでいた。
 



4月29日 −白馬乗鞍へ−
 この日の朝はちょっと二日酔い気味。この日はセンターで再会した旧知のIさんと3人で山へと向かった。昨日同様にゴンドラで栂の森
まで行き、そこからシール登高を開始した。I氏はテレマーク準備も早く先に軽快に登って行った。我々は少し遅れ、10:00に歩き始めた。
この日の天気は薄曇りで、予報では午後から崩れるとのことであった、早めに上へと思うのだが、なかなか体がついて行かないものである。
10:35に成城小屋に到着。I氏はすでに到着、しかもかなり前に到着していた雰囲気。ここからI氏に先導してもらい、天狗に向けてシール
登高を開始、I氏曰く比較的坂の緩やかな向かって右側の斜面を登っていったが、それでも途中の坂はきつかった。11:55天狗に到着。
乗鞍の斜面には登っている人間が蟻の行列のように列をなしていた。「もうひと頑張りして頂上でメシにしましょう!」と、休憩もそこそこに
我々3人もあの蟻の行列に加わった。ここからは斜面が急なので板を担ぎツボ足での登り。しかし、人が多い割にいいステップが無いし、
後ろから登ってくるボーダーにドンドン抜かされるわで、いつになく苦しい登りであった。12:50到着したときはすでに岳氏とI氏は寛ぎ
モードで談笑していた。センターでの弁当(うなぎ蒲焼)を食べつつ、「いいステップが無いのはヘリで天狗まで上がったボーダーが、
ステップ壊しながら登るからです。」I氏。それにしてもここ数年ボーダーの増加はゲレンデに留まらず、山にまで来たか。といった感じ。
 食事を終えていよいよ14:00滑降開始。天狗方向には滑らず、直接栂池自然園方面への滑降。そこそこの斜面であったが、雪質は
非常に滑り良い。I氏のテレマークターンと岳氏のパラレルターンの後ろに付いてのダウンヒル、あっというまに斜面を駆け抜けた。
自然園に降りて振り返ると今しがた滑ってきた斜面が壁のようにそそり立っていた。乗鞍山頂は遥か上。
 ここから、栂の森への林間コースを通らず、林間コースの谷間から直接はんの木ゲレンデ方面へと雪崩の後のコースを辿っていった。
多少のアップダウンを通りはんの木ゲレンデに無事到着。休業中のリフト降り場に腰を下ろし、コーヒーとレモンで寛いだ。話題は我々の
関心事のテレマークへ、「テレマークはアルペンと根本的に違いますよ。慣れるのに3年はかかりました。大荷物だと踏ん張り効かない
から大変ですよ。」とI氏の話に、「ぜったい来年八ヶ岳のテレマーク講習うけよう!」岳氏と大きくうなずいた。



4月30日  −静寂の天狗−
 朝起きると外は雨。今日は「沈」かな?と思い、朝食の後の二度寝。気持ちよく、うつらうつらして昼前に目をさますと。
雨がやんでいて、ちょっと空が明るい。「行けるとこまで行こう」と出発。この日はヘリも飛んでなく、登っていく登山者も無い。
静かな山に戻っていた。成城小屋まで来たときはすでに天気は回復。そのまま天狗目指してシール登高を繰り返した。
天狗び到着すると、我々とボーダー2組のみ昨夜とうって変わって静寂の天狗であった。そんな静寂の中、「カーカー」と都会で
聞きなれた鳥の声、そうカラス。その姿を見て愕然!ヘリを使って安易に山のルールを知らないスキーヤー(ボーダー)を
山に入れたため、彼らの残したゴミをあさってきたのであろう。
 この日は天狗でシールを外し日が傾きかけた天狗の斜面を滑走して帰った。
 夜のとばりが降りたころ、センターの喫茶室で岳氏とグラス傾け、次の山行の話へ、 ほの暗い光に包まれ、琥珀色の
液体はグラスに廻り、いつのまにか睡魔に陥っていった。


 翌、5月1日帰路に着きGWの山スキーも無事に終えた。帰りの車窓から、白馬岳の「代掻き馬」と五竜岳の「御紋」が
はっきりと見え、次回以降の後立山への登山意欲を掻き立てるに十分であった。


シール装着準備の岳工作氏
山男の語らい@乗鞍山頂  (左 I氏   右 岳工作)
しっかりした足取りのシール登高  成城小屋の上にて 滑り降りた乗鞍を望む