コールマン山絵日記


9月19日  ―バンガローでの宴会―
  シルバーウィークと称された連休初日の昼下がり、新宿駅の日光方面行のホームで岳氏と天城山以来の再会。今回は日光白根山、女峰山の2座をそれぞれ日帰りで、登る計画である。夕刻東武日光駅に着き、やや遅れて小原庄助氏も別の電車で到着。いつものメンバーが揃ったところで、駅前でレンタカーを借りて日光白根山の麓の菅沼キャンプ地へと車を走らせた。夕刻、菅沼キャンプ地に到着。キャンプ地といってもテントではなく、バンガローである。車から降ろしたザックなどの荷物の運搬はリヤカーである。「そういえば、リヤカーで世界一周した冒険家いましたね。」と話を向けると。「お!次はあんた、リヤカー登山という新しい試み挑戦しろや!まずは、ワシ乗っけて白根山登ってや!」と岳氏の切り返し。リヤカー乗せろ!無理や!などの応酬しつつ、夕刻が迫るバンガローで、食事&飲み会の準備を進めていった。ランプの明かりが明々となる頃、宴会モードとなり、いつも間にか、3日間でと想定していた酒類の大半は、3人の談笑の糧と消えていったのであった。

9月20日  ―日光白根山より富士山―
  前夜そんなんでやっぱり起床は想定より2時間遅い7時であった。朝食のにんにく、餅入りラーメンを食し、昼食のレトルトパックの赤飯をあらかじめボイルし準備した。830菅沼登山口より登山開始。天候は雲ひとつない絶好の天気であった。弥陀ヶ池までは林の中の辛い上り、後から来る登山者に道を譲りつつ、苦しい上り。1025弥陀ヶ池到着。池を隔てて白根山が聳える美しい景色。いくつかの木々もすでに色づき秋の気配が濃厚であった。ここから山頂まではこれまでとは打って変わって、岩場やガレ場。多くの登山者が斜面に取り付いており、落石に気を使いながら慎重に登っていく。1210山頂着。景色は360度大パノラマ。近くは男体山と中禅寺湖、遠くには富士山、燧ケ岳は残念ながら頭を雲が覆っていた。山頂で1時間半ほど寛ぎ五色沼方面へと下っていった。しばらくは急な下りが続き、避難小屋付近でようやく平坦な場所に、すると野生の鹿が我々の前を駆け抜けて行く。五色沼ではさらに、藪から首だけ出してこちらを伺う数匹の鹿が居ると思えば、我々にお構いなしに悠然としているのも居た。我々もここで一本して、チョコレート食べつつ、「鹿ってチョコ食うんかな?」「奈良ではチョコボールようけ落ちてるのに、あいつら見向きもしてへんで」庄助氏への岳氏の回答は、奈良公園知ってるだけに大いに笑わせてくれた。その後弥陀ヶ池に再び戻り、往路と同じルートで菅沼登山口に1745到着した。この日はさすがに疲れたのか?夕食後の宴会も2130と早く?切り上げ、明日の女峰山に備えたのであった。

9月21日  ―美しい山容の女峰山―
  この日も想定より2時間遅い600起床。朝食のレトルトおかゆを食し、昼飯用のパック五目飯をあらかじめボイルして準備。志津の登山口まで車を走らせるべく車に、放射冷却の影響か?車のフロントガラスが凍りついていた。志津登山口からはひどいダート道、路肩という路肩は登山者の車が、「そろそろこの辺で停めましょうか?」「もっと行けるとこまで行こうや!」と岳氏。おかげでゲート近くまで進め、約20分の時間節約となった。820登山開始、すでに日は昇り切り気温もかなり上昇していた。しばらくは林道を進み、馬立で水のない沢を越えてから本格的な登山道。さすがにこの急登は3人黙々と歩を進める。そろそろ1本したいな〜。という思いを先頭を歩く岳氏に裏切られつつ、ようやく1020唐沢小屋下の水場で休憩。唐沢小屋から頂上までは急な岩場が続いた。そんな場所にも関わらず先を行く女性パーティはしゃべりながらも、すいすい登り、対象的に我々は喘ぎつつもなんとか1145山頂に到着。苦しんだ甲斐あって眺望は360°遮るものはなく、近くには昨日上った白根山が険しく聳え、そこからやや視点を右に向けると燧ケ岳が全容を見せていた。「あれは飯豊違うかな?」岳氏の視線の先には、遠くに巨大な山塊が横たわり、いずれは!という積年の思いが首をもたげてきた。さて昼食は、「えらいパサパサの飯や!」朝に用意したレトルト飯、時間とともに水分が抜けてしまったようである。同じレトルトでも、プラスチックの皿のついた形状の物は、ボイル後すぐ食べるべし。1245帝釈山方面へと出発。帝釈山から見る女峰山は、北岳を彷彿とさせる鋭角的な美しい山容を見せていた。帝釈山から富士見峠まで一気に標高差400メートルの下り、岳氏の駆け抜けるような(本人曰く 重力に従って落ちてるだけや!)足運びに庄助氏、私は足をもつれさせつつ富士見峠へとたどり着いた。ここからは比較的緩やな林道を通り、1700車に到着。途中戦場ヶ原の店で食事をし、酒を買い、すでに日がどっぷり暮れたバンガローに戻り宴会。今回の新発見!オイルサーディンを食べた後、オイルの残った缶ににんにくを入れて、そのまま揚げれば絶品。新メニューで酒が進んだせいか?はたまた明日は山に登らなくて良い安ど感からか?日付が変わるころまで続いていった。

9月22日  ―東照宮観光―
  800起床。曇っているせいか昨日に比べ暖かな朝であった。バンガロー内の片づけ、掃除、パッキングを終え。まずは山の汗と垢を落とすべく湯元温泉に入り、日光東照宮へ向かった。さすがに連休時期東照宮付近のどの駐車場も満車。あきらめて一旦駅前でレンタカーを返し、徒歩で東照宮へと向かった。出身が地元の庄助氏の案内の元、観光客がごったがえす参道を進んで行った。「わし!家康きらいやねん。江戸時代に日本が世界に取り残されたんやで」岳氏の歴史観にうなづきつつも、陽明門に代表される絢爛豪華な建造物や厳かな家康廟を拝観するにつれて、素直に家康個人の偉業に対する畏怖の念を禁じ得なかった。夕刻せまる東照宮から急ぎ駅に向かい、駅前の蕎麦屋で電車の時間が迫る中、ミニ反省会のビールを傾けていたのであった。


 

バンガローでの宴会

帝釈山方面からの女峰山
弥陀ヶ池からの日光白根山
バンガローでの宴会

帝釈山方面からの女峰山

弥陀ヶ池からの日光白根山