丸竹フライロッドを作るための道具箱

ありあわせの道具を工夫しながら製作することも楽しいのですが、プロが使う道具に触れることも結構刺激を受けます。
丸竹ロッドを作ることで、それまで自分の人生にまったく無縁だった「漆」にであったり。こうなると、単純に「もの作り」から、背景にある歴史まで踏み込まざるをえません。
そこには先人達が工夫に工夫を重ねた結晶として「完成された道具達」が存在します。
太めの竹の内部をさらう「袋きり」というものがあります。これを作る鍛冶屋さんも、まだ健在でいらっしゃいますが、高齢のため入手困難といわれています。竹用のやすりなども製作者がどんどん減少していきます。数十万円の工具を購入しないといいものができないと言っているわけではありません。竿は作り手の作品または製品ですが、これを支えてきた数々の職人の手による、決して「作品」として表にでない工具や道具をみるとき、そこに「もの作り」の本質がかいま見れるような気がします。

まあ、ここでは堅苦しいことはおいといて、竿つくりに必要な道具や工具を紹介します。また、自作可能なものは「道具の作り方」を順次アップしていく予定です。らいじんも道具作りの初心者です。みなさんのお知恵をお待ちしています。
道具は、それを使う人が自分にあった形状に改良を加えることで完成するものだと思います。優れた職人さんが自身の道具を大切にするのは、それが唯一無二の道具になっているからなのでしょう。

自作道具のページ
矯め木の作り方(女竹用) キリの作り方(剣先きり) きめ木の作り方 ???


1.一般的な工具と材料

ノギス 竹の内径や直径を計測。0.1mmまでの精度で充分です。
巻尺、物差 cm表示とインチ表示があると便利。
切り出しナイフ 芽の処理やハカマの処理。よく切れるものを用意。
のみ類 矢竹の目を整形したり。大小と丸のみ、平のみなど
サンドペーパー #40〜1200まで。漆研ぎには耐水ペーパーを。粘着剤付き240番も良く使用。
接着剤 木工ボンド、エポキシ系、瞬間接着剤など。
マスキングテープ 糸巻きの際、糸止めなどに。あとはちょっとした仮止めに
絹ミシン糸 矯めなど、高温にさらされるのでガイドや挿げ込みの糸巻きは熱に強い絹糸を使います。100番で白、赤を用意。
たこ糸 竹内部を切削する場合、かならずぐるぐる巻いておきます。巻かないと竹が裂けることに・・
グラインダー 刃物を研いだり、好みの形状に加工したり。刃物を扱う上では欠かせません小型で充分。
作業台 ヤスリ掛けや切断作業の台として。らいじんはガーデニング用の枕木を代用してます。
ドリルまたは旋盤 キリで竹の内径加工。旋盤はリールシートフィラーやCap&Ringまで作れます。
ドリルの場合は両手が自由になるよう、固定台を用意すると良いでしょう。
ダイヤモンドやすり、オイルストーン、砥石など 刃物はとにかく「研ぐ」。ものつくりの基本。

2.竿作り専用道具

きしゃぎ刀 主として布袋竹の挿げ込み部分の表皮を剥ぎ取るのに使います。
自作できます。フライロッドの製作ではあまり使いませんが・・・

竹用平ヤスリ 竹専用のヤスリです。大・中・少をそろえると便利。
切削こ使う工具は、たがいに触れ合わないように右写真のようなケースに入れましょう。らいじんのケースは画材屋さんで売っている絵筆のケースです。
竹用丸ヤスリ これも竹専用。継ぎ部分の擦りあわせに。2〜10mmの数種類が必要。
胴付きノコ
金のこ
竹専用ノコです。ささくれ難いのこぎりです。
金のこは補強芯用のソリッドカーボンを切るのに使います。
ぼろぼろサンドペーパー 1番目の写真右下にあるぼろヤスリです。胴漆を塗る前に、このぼろサンドペーパで何度もこすることできれいな地肌にします。新品ペーパーでは絶対にしない事!自作します
剣先きり 竹の内径を削る専用キリです。自作しましょう。2-3mmは0.1mmきざみで、それ以上の太さは0.2mmきざみで用意すると作業が楽です。
ピアノ線やSK鋼で作れます
矯め木 竿作りの基本、まっすぐに矯めるための道具です。女竹用と男竹用では形状が異なります。自作します。
写真右の上段が布袋竹など男竹用。下段が矢竹などの女竹用
火入れ釜(コンロ) 専用のコンロが市販されています。高価なのでカセットコンロで代用も可能です。温度ムラを軽減する為に金網やパンチングメタルを用意すると良いでしょう。
カッセトコンロはオーバーヒートによるガスボンベ爆発に注意。
毛引き 糸巻き部分をきしゃぐ前に切り込みを入れる道具です。フライロッドでは次部分のテーパーの都合で肉厚が少ないため、キシャぐことが少ない為あまりしようしません。自作します。
糸より取り 糸巻きの際、糸によりがつくのを軽減します。自作します
金属丸棒 ヤスリを貼りつけ、内径を修正します。1mm〜5mm位を数種類。


3.漆塗り関連の道具類

瀬〆漆(生漆)、生正味漆 は拭き塗りに。
呂色漆、塗り立て漆 は黒色。呂入りはややつや消し。塗りたては艶あり。

梨地漆、木地呂漆は 刷け塗り。茶系です。その他朱色など様々な漆があります。チューブ入りが便利。
漆刷毛 3分、五分、1寸を用意。安物で充分です。
絵筆(幅4〜7mmの平筆)ガイド糸を塗るときに使います。
常盤 漆を混ぜたり、刷毛を洗ったりのパレットですね。
写真飾り用の額で代用できます。六つ切りサイズが良い。
片脳油 刷毛を洗ったり、漆を希釈する場合に使います。
植物油 刷毛洗いに使います。サラダ油で可。
メリンス布 拭き塗りに使います。
ゴム手袋 実験用の使い捨て手袋。漆かぶれの人には必須です。小さ目のサイズがフィットして破れにくい。
との粉 漆の研ぎに使用します。この他耐水ペーパー#400~1200が必要です。
にかわ ガイドの漆塗り前の処理に。使用しなくてもかまいません。
漆室(漆風呂) 漆の乾固には温度20度以上、湿度60〜70%ぐらいの環境が必要です。台風通過時の環境はスバラシイ!!
自作します。