この記録は平成九年から平成十一年の間のものを月別にまとめました。
平成十一年の夏が終わる頃の大増水は河川敷の植物を押し流し大きな石がごろごろする河原に変えました。
オオタカが好んで止まっていた大木も、小鳥が雛を育んだ木も、カワセミの指定席も全てが濁流にのまれました。
たくさんの小さな生命のより所となっていたオギはすべて倒れ。、あの素晴らしかった光景は甦る事はありません。
それ以来カシラダカの姿は見られなくなり、ヒバリ、オオヨシキリ、も巣を作る場所を失ってめっきりその数が減
りました。魚も産卵場所が無くなったのか以前の様にたくさんの魚影を見ることはなくなり、終日、釣り糸を垂れ
る釣り人の姿もあまり見られなくなりました。小鳥達が少なくなると同時にオオタカも来なくなりました。
チョウゲンボウだけはドバトを餌にして居るのか、時々見かけます。
そして更に増水以来、毎年延々と続く護岸工事が追い討ちをかけて、水鳥すら来なくなりました。自然界の連鎖を
断ち切られると言うことは生き物達にとって大きな痛手である事を痛切に感じました。
上流から流され来た大木の無残な姿や、緑の草原から一転して石だらけになった河川敷を見た時は言葉もありませ
んでした。マーラーが交響曲第三番にこめた「自然は良い状態ばかりでなく、恐ろしいもの不安なものであり、そ
して非常に壮大なもの、 楽しいことも、悲しいこともある、自然は明るく楽しいだけではない」と言う言葉を改
めて考えました。