| 少年の心 |
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| 小説的 これから夜が始まろうというそんな時間に私は車を走らせている。 この時間にしては珍しく、車の往来は少ない。 車内に流れる軽快な音楽とは裏腹に私の心は何故だかわからないが沈んでいた。 網膜に流れ込んでくる風景はただそれだけのものであり 私の心はどこか別のところにあった。 その時、道路の中央に人影が立っているのが見えた。 横断するでもなく、ただ立ち尽くしていた。 車の速度を充分に落としつつその人影を通り抜けようとした時に 立ち尽くす人影の足元に、何かが「ある」のが見えた。 直感的に「猫」だ、猫が轢かれたのだと思った。 その後の行動は、いつもの自分では到底ありえない行動であった。 10m程行った所で車を止め、その人影に近づいた。 見ると明らかに子供だと思わせる顔立ちの少年だった。 「君が飼っていた猫なの?」 ありきたりな、しかし最も納得のいく結果を期待した上ででた言葉であったが 「いえ、違います」 少年から返ってきた答えは意外なものであった。 「じゃあどうして?」 「目の前で轢かれたんです。もう死んじゃっているけどココだとまた轢かれちゃうでしょ? だけど、どうしたらいいかわからなくて・・・」 何故だかとてもやるせない気持ちになった。 どこにぶつけていいかわからない憤りと共にこの少年の優しさに応えてあげたいと思った。 「ここに居ては、君も危ないからとりあえず道路の端に移動させよう」 大した外傷も無く、未だ温もりのある猫を私は躊躇いもせずに持ち上げ道路の端に横たえた。 「どうしようか?」 「・・・」 少年は考えているようであった。 充分過ぎるほどにこの状況に感化されてしまっていた私は 近くの海岸に埋めてあげてはどうかと提案しようとしたその時に 少年は静かに口を開いた。 「燃えるゴミ・・・ですかね?」 「・・・」 私は言葉が見つからずに無言のままその場所を後にした。 さっきよりも、もっとやるせない気持ちでその場所を後にした。 ノンフィクション:フィクション=4:1 |