| 幸せのカタチ |
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| サラリーマン「田中」(仮名)45歳。 彼の勤める会社は不景気の煽りをモロに受け、その経営は傾きかけていた。 決して有能ではないが人一倍真面目で会社の為に心血を注いできた彼にも 「リストラ」の波は何時押し寄せるかはわからなかった。 そんな不安を抱え家路に着く彼の足取りは軽いものではなかった。 彼の家庭はごく普通の一般家庭である。 妻は家計を少しでも助ける為にパートに出ている。 そして子供は今年高校受験をむかえる息子と高校2年の娘がいる。 しかし、コレといったコミュニケーションは久しく無く たまに一緒に食べる夕飯もTVから流れるバラエティ番組の音が虚しく響くだけであった。 そんな彼の唯一の楽しみは「パチスロ」である。 昨今のサブ基盤の隆盛を横目に彼が向かうシマは決まっていた。 「ハナビ」である。 彼は別に目押しができるわけではない。 しようとも思っていない。 コインを投入してレバーを叩く、ボタンを押す。 その行為そのものが彼を日常の世界から解放してくれるのである。 派手なフラッシュが彼の心を高揚させ 「た〜まや〜」ランプを毎ゲーム期待を込めて見つめる。 「た〜まや〜」ランプが点灯すると嬉々として一心不乱にボーナス絵柄を狙う。 決して店員を呼んだりはしない。 自分の、己の手で揃えるのである。 そこには他人には推し量ることなどできない充足感があるのだろう。 ビッグ中もリプレイはずしなどはしない。 しようとも思っていない。 そんな事などしなくても下皿に溜まっていくコインだけで充分なのだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そんな妄想を膨らませれば 隣りで全開フリーのオヤジが2箱積んでいても気にならない今日この頃。 |