「調査」


「この場所でほんとにあってんのか?」
「そろそろ時間になるし。
 もうちょい待ってりゃ来るっしょ」
ブツブツとぼやくノルザをインフェがドードーと治める。
私は大きめの石に腰を下ろしてある人を待っていた。
森でのいっけんからミュは総督に呼び出される事が多くなり
私とノルザとインフェの3人だけの時、この洞窟の調査をするのは限界があるっと
総督府にクレームを出したところ総督府専属の有能なハンターズを貸し出してくれるという
話になったの。
それでいまその有能なハンターズを待っているんだけど
暇だからって20分前から待ちだしたのが問題だったのか
ノルザはぼやき出して
私も待ちきれなくなってきちゃった・・・。
「とりあえず3人だけで調査初めて後から合流するってのはどう?」
「だな。」
私とノルザが肩を並べてスタスタと歩き出す。
「待てってもう少しで時間なんだし、
 もし時間が過ぎてもこなかったら調査始めるってんでもいいだろ?」
「むぅ・・・」
「お嬢もノーサもわがまま言わないで座ってなさい」
ペタっと背をあわせて座り込むが暇だと感じたら余計に時間が経つのが遅く思える・・・。
「退屈だからインフェ一発芸とかやってよ?」
「またヤな振りしおって・・・。
しゃーない。ミュのモノマネしてやろう」
「おー」っとペチペチまるで冷やかしのように手を叩く。
「みんないっくよーんラバーター」
インフェはそういいフリーズトラップを炸裂させた。
「微妙」
「うむ、微妙だな」
「だぁあああああ、俺は突っ込み専門なんだよ!
ならお嬢かノーサーも一発芸やってみろ!」
インフェがオーバーなアクションで私達を指さそうと右腕を引いた時
肘がぶつかって「ゴンッ」っと硬い何かが倒された。
「え?」
「ぬ?」
「む?」
みんなが視線を集めた先には氷付けになったハニュエールの女の子
目を見開いて笑顔のまま氷の置物と化していた。
「もしかして、、、いまのフリーズトラップで・・・?」
「いつかやると思ってたがついにやっちまったな・・・
 これでインフェも殺人犯って事だ」
「ええええええ、俺のせいなのか!?」
「インフェのせいなのは間違いない!
 でもまぁ・・・どうする?これ?」
みんなの視線が氷の置物?に集中する。
「この子って総督府から寄こされたハンターズよね?」
「だと思うがな」
「ここって・・・溶岩いっぱい流れてるわよね・・・」
「だな。」
私とノルザは顔をあわせて暗黙の確認をする。
「ここなら証拠隠滅可能よね・・・」
「うむ・・・」
「お、おい。何の話だ・・・?」
分かってるんでしょ。貴方の為よ。
そんな悲しい顔で覗き込むとインフェは。
「俺がやる・・・」
っと名乗りでてくれた。
インフェは氷の置物?を壊さないように丁寧に持ち上げ。
「南無阿見陀仏南無阿見陀仏・・・」
っとブツブツとお経を唱えながら溶岩に投げ入れようとしたが、その時。
「あの・・・なにしようとしてるんですが?」
っと氷の置物?が喋った。
「うぉおおおおおお、何でもない何でもないぞ!!
 っというか体は平気かね」
彼女は体の間接をコキコキと鳴らす。
「はい、何とか平気そうです」
っほ。っと私達(特にインフェ)は一息つく。
「みんな心配してたのよ。無事でよかったわね」
「うむ、もう死んじまったかと思ったぞ」
「いや〜なにはともあれ、安心安心」
ハッハッハっと笑いながらすべての出来事を流そうとしたが。
「全部聞こえてましたよ?」
っと言われた私達はお互い目を反らし。
全員で深い土下座をするのであった・・・。


あれから1時間ほど経っただろうか?
私達の間に会話は一切無く
重たい空気が流れていた。
運がいいのか悪いのかこんな時に限ってエネミーに出会いもしない。
もしエネミーが出てきたら話せる流れにもっていけるのに・・・。
そもそも調査するのに人員が足りないって言う意味は
ミュを返せって意味で言ったのに
なんでこんな風になっちゃったんだろ。
ピコンっと小さな音を立て腕につけている通信機にメールが受信される。
内容は
『この空気もう耐えられん。お嬢どうしよか?』
インフェからのメールだった。
私もこの空気はもう耐えれないけど。
彼女にとっては成り行きとはいえ自分を殺そうとした3人組みだろうし
なにを話せって言うのよ・・・。
「あの〜?」
先導をきっていた彼女が私達の方に振り返る。
「な、なに!?」
殺そうとしたのをネタに私達を揺さぶって
メセタや身包みを剥ぐ気か!!
やはり、ここで殺すしか。。。
そう考えると自然とアギトに手が伸びる。
「皆さん今さっきの事は忘れてください。
 もし私が皆さんの立場でも同じ事をしてたと思いますし、
 そんな事より自己紹介まだでしたよね?
 私は総督府専属のハンター、キアムです」
すべて忘れてくださいって
自分が殺されかけたのにそんな事よりって・・・
こ、この子・・・
いい子か天然だ!!
「私はセリカ=ロウズ。まだハンターズになってから日は浅いけどよろしくね」
こうなったらここぞとばかりに恩を売って
いや、そんな生易しいものじゃダメ!
何か起こった時ように逆に脅迫ネタをつかんで揺さぶり返してやる!
そんな私の考えも知らずにキアムは「よろしくです」っと氷の彫刻になっていた時と同じ顔で微笑んだ。
この子・・・ほんとにいい子なのでは?
インフェは未だに自分の過ちを後悔しているのかうつむいて落ち込んでいる。
「その、ホントにわるかったのぉ・・・」
「全然気にしないでくださいよ!今は同じパーティーなんですから楽しくいきましょう!
 それよりお名前伺ってもよろしいですか?」
「わしゃ、インフェルノだ。ほれノーサーも自己紹介」
「ぬ。ノーサーだ。よろしく」
男二人組みはペコっと頭を下げた。
「げひょ?インフェルノさんとノーサーさんって
 むかしバトルトーナメントのタッグで優勝した事ありませんか!?
 チーム名は確か『ラグオルのナイスガイ’s』ですよね!!」
二人は照れ隠しに鼻をかいたり、筋肉を膨張させたりしてるけど
二人にそんな過去があったなんて知らなかったよ・・・。
ラグオルのナイスガイ’sか・・・
入るパーティー間違えたかな・・・。
「あの伝説の御2人に殺されかけるなんて私もレア者ですね。アハハハハ」
「そうかもね☆ふふふっ」
って笑えねぇ〜〜〜〜〜
「キアムはレア者だな」
「おう、それもとびっきりのな」
インフェはともかくさすがにノルザもひきつりながら笑ってるよ・・・。
バサバサバサ
鳥が空に飛び立つ音よりも大きくて巨大な影が私達の頭上を通過する。
「なにあれ?」
空中で停止した森で出会ったドラゴンのような風貌のエネミーが私達を見下ろしていた。
「あれはナノノドラゴですね」
「え?ナノノドラゴン?」
「いいえ、ナノノドラゴです」
「ぬ?」
首を傾げたノルザに向かってナノノドラゴがレーザーを放出する。
偶然にもレーザーはノルザの顔の真横を通過して首を傾げたおかげで顔面への直撃を免れた。
「す、すごいです!ナノノドラゴのレーザーは回避するのは至難の業だとラボからの報告もあるくらいなんですよ!
 さすがです!」
「・・・余裕よ?」
強がってるけど冷や汗かいてますが・・・。
「でも、ここは私に任せてください」
そう言いキアムは自分の体よりも長い大剣を取り出した。
フロウウェンの大剣
見るものを魅了するほどの美しいフォトンの刃が特徴で
見た目よりも軽く扱いやすいと絶賛され軍にさえ支給されている。
総督府専属のハンターであるキアムは軍人扱いのようなものだし
持っててもおかしくない装備かな。
キアムはザッとナノノドラゴの前に立ち左手に炎をともらせる。
「ラフォイエ!」
地面に放たれた爆風で砂煙が舞い。私、ノルザの視界が奪われてしまうが
インフェは赤外線にカメラを切り替えキアムの動きを目で追った。
その時キアムはラフォイエによる爆風に乗りナノノドラゴのさらに上まで飛び
そのまま降下する形でフロウウェンの大剣をナノノドラゴに突き刺して
幾度のギゾンデは降下中に打ち込んだ。
地面に着地した時にはナノノドラゴは黒い塊へとその姿を変貌させていた。らしい(後によるインフェ談)
砂煙が収まり黒い塊から大剣を引き抜くキアムの姿が視界に入る。
「どうなったの?」
「さぁ〜?」
私とノルザが目を合わせるとインフェが
「後で話してやるわい。今言えるのはキアムが強いっつー事くらいやな」
「皆さん見ててくれました〜?」
「いや、砂煙で見えないって・・・」
「ありゃ」
「あの黒い塊はナノノドラゴでしょ?
 あの短時間ですごいね」
「そうストレートに言われると照れちゃいますよ!」
顔を真っ赤にしてモジモジするキアム
それを異様な眼差しでインフェが見つめているのに私は気がついた。
「インフェ萌え萌えですか?」
「うむ・・・そうなのだが、萌えてはいけないと本能がいっている気がするんだ」
どういう事だ?
「む、あそこか」
ノルザの目の先、私達もそこに目向ける。
5メートルほどの高さの位置にけっこう大きめな空洞。
あそこからナノノドラゴは現れたっぽい。
空洞の下には溶岩が流れていてあそこから中に進むのは無理そうね。
「なんとかあの先を調査したいものですね」
「しかしどうする、あの高さと下の溶岩。
 普通にはいけんぞ」
「ん〜」個々に考えるポーズをとり数秒の時間がたってインフェがポンっと手を叩いた。
「お嬢の脚力ならいけんじゃね?」
「え?
 無理無理。絶対無理だって」
インフェのかなり無理のある提案になぜかノルザとキアムは
「やってみりゃ?」
「ものは試しですし!」
っと賛同した。
人の気もしらないで・・・。
流れ的にやらなければならない雰囲気にされ、しょうがなく私は助走の距離を取った。
「お嬢がんばれよ〜」などと提案者の声援にたいして手を振り応じるが内心・・・
頑張りたくない・・・
走り出し溶岩寸前で高く飛び上がる。
壁を蹴りポン、ポンっと上に上っていく。
落ちたら死ぬ、落ちたら死ぬ、落ちたら死ぬ!
あと1メートル!
「無・理♪」
鞘から抜いたアギトを壁に突き刺しブラ〜ンっとぶら下がる。
さて・・・これからどうするか・・・。
こっから飛び降りたら骨折れるかもしれないし、
ミュがやってたのを真似してラフォイエで衝撃を弱めてもいいけどあれけっこう痛かったなぁ・・・
ん〜
インフェたちの顔はこの位置からじゃ見えないけど、
どんな顔して見てるんだろ。
そんなことどうでもいっか・・・
とりあえずこの状況を打破しないと!
左手だけでアギトを掴み、右手に意識を集中させる。
出力間違えたら溶岩にドボンだから気をつけないと・・・
「ラフォイエ」
私と壁の間で小さな爆発が起きる。
熱量はほとんどなくただ小さな爆風が私を押し上げ、アギトに捕まった体が円を書くように回転し
そのまま空洞に私の体は押し込まれた。
「あっぶなかったぁ〜しかもちょっと火傷したし」
自分の無事を伝えようと空洞から顔を出し下にいる3人に手をふると
「セリカさん大丈夫ですか〜?」
キアムだけが心配してくれている。
「なんとか生きてるよー
 で、この後どうするの〜?」
「・・・・?」
誰も無言のまま
ノルザはタバコを吸いだしてるし、インフェやキアムなんて目もあわせてくれない。
まさか・・・
「何も考えずに衝動だけで提案しやがったわねー」
「お嬢すま〜ん」
「インフェルノさんをせめないであげてくださーい」
インフェをせめるというか・・・
「連帯責任ぢゃーーーー」
「ぬ。俺も悪いのか?」
「そこで一服してる時点で悪い!
 なんとかして全員ここまであがってらっしゃーい」
それから下で話し合いが始まった。
もちろん距離があるから私に聞こえるはずないけど。
最初からそうしてほしかったな・・・。
なにか案が出たのかインフェが前に立ち後ろにキアムとノルザ。
上から見ると三角形に陣形を取り
「ラフォイエ!!」
ノルザとキアムの声が重なる。
インフェの下で爆発が起こりまるでロケットのようにインフェは空洞まで飛んできた。
って「えぇえええええええ」
ギャシャァーーーーーーンっとすごい勢いで空洞に入ってきたインフェは見事に私にボディーアタックを決めた。
「おぉ、お嬢大丈夫か!」
「死ぬ・・・」
慌てて懐からトリメイトを取り出したインフェが無理やり私の口の中に押し入れる。
「とりあえず、飲め!そうすれば助かる!」
もうろうとする意識の中チューチューと口の中に液体が流れ込み。
私は意識を失った・・・。
ピュゥゥゥ〜。ッドス!
「グェ・・・」
続いて爆風に乗りノルザが
そしてキアムまでも
ピュゥゥゥ〜。ッドス!
私の上に倒れこむ。
「意・・・識くらい・・・失わせろ・・・・・」
「セリカ大丈夫か?」
「ダメ・・・絶対ダメ・・・」
「セリカ死んじゃダメだー」
いつの間にかキアム私の事を呼び捨てになったのね・・・
いや、そんなことよりもそう思うならノルザもキアムもどいてくれ・・・
「ほら、お二人さんお嬢にレスタかけてやんなよ」
インフェよく言った・・・そもそもの原因は貴方だけど・・・。
ササっと私の上からどいたノルザとキアムが私の体に触れ
「レスタ」
そう唱えると私の体は白く発光し痛みが引いていく。
「だいぶ楽になってきたわ・・・」
「ならもう大丈夫だな」
ノルザはレスタを中断して空洞の先に目をやった。
「思ったよりも広いな。ちょっくら先に進んでみっか?」
「ナノノドラゴの棲み処になってるかも知れませんし先に進みましょうか」
「うむ、そろそろ夕飯時の時間になっちまうし、パパっと調査してメシでも食いにいこうや」
「あの、みなさん?」
私は楽になったとは言ったけど、だいぶなのよ?まだ完治じゃないのよ?
「む。どうした?」
「いや、なんでもない・・・」

ここにいたら殺されるかも・・・
ミュ早く帰ってきて〜(涙)
そんな心情を知ってか知らぬか「セリカ、がんばろ」
なんてキアムに言われちゃったものだからがんばるしかないけど・・・。
ノルザのようにサバサバしたフォースもチームには必要だろうけど
ミュのように心配性のフォースも絶対必要よね・・・。
空洞は思ったよりも広く、
っと言っても2〜3分歩いた程度で広く開いた空間にたどり着く。
周りを見渡すとボコボコ小さな穴は開いているものの
通れないほどの大きさで私達ではこれ以上進む事はできなそうだった。
「つまらん、何もないのか」
ノルザがボヤく、私も何かあるんだと思ってたからちょっと残念。
「とりあえず、調査だけして帰りましょうか?」
「そうだな」
キアムの提案通りに私達は別々に部屋中の調査を始めた。
1メートルくらいの段差が階段のように重なっていてポンポンっと上っていく。
見たことのない植物を引っこ抜いたり
見たことのない昆虫やコケをフォトンのケージの中に詰めていく。
採取しながら上にあがっていくと
白骨化したエネミーを発見した。
それも採取していると
「おーい、ここにエネミーの骨が散乱してっぞー」
「ここにもありまーす」
「ここもけっこう散乱してんな」
もっと上にあがり見渡すとそこら中にエネミーの白骨が散乱していて
中にはまだ新しく血が付着しているものすらある。
「上から見るとそこら中に散乱してるね」
部屋中に聞こえるように大声でみんなに部屋の状況を説明する。
骨の数は30〜40体のエネミー分はあるんじゃないだろうか。
さすがこれだけの骨を目の前にすると背筋にゾクっと寒気を感じ
ここに長いはしない方がいいと勘が告げる。
みんなもそう感じたのか。
「そろそろ調査をやめてパイオニア2に帰らんか?」
インフェの案に反対する者はいなかった。
一度部屋の中心で合流し
私達は元来た道を帰ろうと歩き出したとき
『それ』は現れた。
私達の入ってきた入り口から飛来したモノ。
ナノノドラゴ。
先ほどキアムが倒したモノよりも体長も体高も3倍以上大きく
生け捕りにしたのか大きなツメで血だらけのエビルシャークをぶらさげている。
棲み処への侵入者に気を立てているのかおぞましい形相で私達を睨みつけていた。
「デケぇ・・・」
思わずインフェの口から言葉が漏れる。
「おい、キアム。ナノノドラゴってあんなデカいやついんのか?」
「そんな話は聞いたことないです。
 ラボの報告でも私達がいまさっき遭遇したサイズのナノノドラゴが成体サイズだと言っていますし・・・」
ナノノドラゴは私達に注意を置きながら地面に降り
生け捕りにしていたエビルシャークを頭から飲み込んだ。
「ギェエエエエ」奇声と共にハネを広げたナノノドラゴの体はボンっと膨らみさらに巨大化する。
「食べて、巨大化した!?」
「すごい。
 食したエネミーを取り込み進化する生物なんて今まで発見されていませんよ」
あまりの出来事に呆然とする私とキアムの肩をノルザ、インフェが叩き。
「くるぞ」っと呟いた。
ノルザの声と同時にナノノドラゴから無数のレーザーが放たれる。
誰かに照準を絞ってるわけではなく
文字通りの乱れ撃ち。
キアムが慌てて
「ノンタン!」
ノルザが反応して私達の前に魔方陣のバリアをはる。
「くっ・・・変なあだ名つけんじゃねぇえええぞぉおおお」
叫び声と同時にバリアはより広範囲に広がりレーザーを受け止めた。
レーザーの放出が終えると同時に私とインフェが走り出す。
すこし送れてキアムも走り出した。
私が抜刀しアギトを振るうがすれすれでナノノドラゴは飛び立ち刃は空を切る。
頭上高く飛び立とうとしたナノノドラゴのツメをインフェが掴み地面に叩きつけ
キアムのフロウウェンの大剣が襲いかかった。
ブンッ
フォトンの刃が目標を切り裂き血が宙を舞う
が、「浅い!」私の声と共にキアムに向けナノノドラゴはレーザーを放出する。
取り出したフロウウェンの盾からフォトンのシールドが張られキアムの正面を覆った。
レーザーを受け止めた衝撃でキアムは吹き飛ばされ地面に叩きつけられる直前
地に手をつけ「ギバータ!」
地面から生えた氷の刃がナノノドラゴの体を貫いた。
動きを止めたナノノドラゴに対してアギトで氷の刃ごと斬り
続いてインフェがデモリションコメットで空中にたたき上げる。
「ハァアアア
 ギフォイエ!」
ノルザがギフォイエと同時にソウルイーターを投げると
蛇のようにうねる炎はソウルイーターを包み込み炎の円となってナノノドラゴを真っ二つに切り裂いた。
ブーメランのように輪を描いてノルザの手元に戻ったソウルイーターを一振りすると炎は消え元の姿へ。
インフェが燃え落ちたナノノドラゴの死亡を確認し
「倒したようだな」
そう聞いた私達の肩はホッと軽くなった。
「スミになっちゃいましたけど
 一応持ち帰りますね」
キアムが見る影もなくなったナノノドラゴを収集しケージに詰め始める。
「こんなエネミーがいるなんて驚きだね〜」
「ほんとですね。
 これは貴重なデーターになりそうですよ」
「そういう報告は後回しにしてとりあえずメシでも食いにいかね〜か?」
「んだな。時間も時間だし撤収しようや」
収集を終えたキアムが立ち上がり「そうですね」と微笑む。
「もちろん、インフェとノルザのおごりよね?」
まんべんの笑みで2人を見と目をあわすと
「なんでやねん・・・」
「自分の分は自分で払いやがれ!」
「そんな事言わないでノンタンおごってー」
キアムもまんべんの笑みでノルザと目をあわす。
「ぬ。その呼び方やめろ」
「なんで?可愛いじゃないですか?」
「やめてくれ・・・」
こうして私達はパイオニア2に帰っていった。
夕飯はもちろん男2人組みのおごり
私とキアムは殺されかけたんだから当たり前よねぇぃ♪