京 都 ま に あ
 検証:真如堂でみる五山送り火


別の項目で書いたが、某ガイドブックでの真如堂紹介に「五山送り火のすべてを、法要の声を聞きながら静かに見られる場所」というのがあった。
自分でも引用しながら、実は少し疑問を抱いていた。吉田山との位置関係を考えると、全部は無理ではないのか? 他のサイトでも、近所の酒屋で聞いたら全部は見えないと言われた、という記述も。
これはいつか検証しなくては、と思っていたら、割に早くその機会が訪れた。

午後7時30分頃境内に入ると、すでに本堂からは法要の声が聞こえていて、 暗い参道をたどりながら、期待と不安はいやがうえにも高まる。
しかし、人は少ない。しかも上ってきた道をふり返ると、やはり吉田山が大きく視界を遮っている。
本当に全て、いや、多くの送り火が見えるのだろうか?疑問は膨らむ。

大文字山に向かって準備中の地元アマチュアカメラマンらしき人に尋ねてみると、いや見えません、とつれない返事が返ってくる。妙法は?ちょっとだけ。左大文字は?だめです。
むむ、すると地形からして舟形は絶望だし、鳥居も遠くて無理だろうから、ちゃんと見えるのは正面の大文字(右)だけか?ではあのガイドブックの記述はなんだったのか?
それでも私は、火のないところに煙は立たぬという言葉の方を信じ、カメラマン氏を信じないことにして、暗い境内の探索を続けた。


夜の真如堂参道




本堂では法要が営まれる


すると、もうすぐ大文字(右)に点火(8時)という時間になって、南の墓地方面に向かう人々がいるではないか。これはきっと、何かあるぞ、と追ってみると、あった!
東の大文字山に、大型懐中電灯が点いたり消えたりしているのと同じように、西の方にも山の中腹に点滅する光の動きがかすかに見える。あれは左大文字の方角ではないか!?

で、結論を急ぐと、境内あちこちで得られた収穫はかくの通り。



左から順に、
・煙への照り返しで火の固まりに見える「大文字」 境内あちこちから見える。
・妙と法で1セットの「妙法」のうち法の字。境内の北側にある小さなお堂の脇から見える。
・南の墓地から見える「左大文字」 お墓の下に眠る方々、お騒がせしました。
・鐘楼の脇から見える「鳥居形」 遠くてこれがズームの限界。

ということは、某ガイドブックも地元カメラマン氏も間違えていたわけで、
四山(正確には3つ半)の送り火を確認した私は、秘かな自己満足を味わったのである。


このように8月16日の真如堂では、本堂での夜の法要に加え、 境内の池に灯明も浮かべられて、独特の雰囲気の中、四山の送り火を眺めることができる。
ご近所の人々以外集まる人も少ないようで、本当に静かに送り火を眺められるので、
機会があれば、ぜひ訪れることをおすすめしたい。



【おまけの追記:近くで見る鳥居形】

別の年に、広沢池から鳥居形を見た。
この日は近くの遍照寺が燈籠を池に流し、幻想的な光景が夜を彩る。
私も亡くなった女房の名を書いて、一燈流してもらった。
この画像の中に、その一燈が写っているといいのだけれど。





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