平成18年 2月27日  NO.114

トリノ五輪 男子回転大健闘
トリノ五輪が閉幕し、大苦戦の日本選手の中で、唯一フィギュアスケートの荒川静香選手の金メダルが輝きを放ちました。しかし、私個人としては、男子回転の活躍に触れないわけにはいきません。
アルペンスキーは、ウィンタースポーツの中でも最もメジャーで、日本においても競技人口が一番多い種目です。しかし日本人選手は、体格、体力の違い、練習環境(バーンの広さや雪質など)から、オリンピックでの金メダルはおろか、ワールドカップでの優勝もありません。特に大回転や滑降といったスピード系の種目になればなるほど、世界のトップとの差は歴然としています。それでも回転は、これまで世界のトップ10に入る選手はいましたが、同時期に複数の選手が第一シードにいることはなく、1人の選手に期待がかかり、実力が発揮できず、ここ50年オリンピックでは入賞すらできませんでした。
しかし今回は、第一シードレベルの選手が複数そろい、チームとして戦える体制になりました。そして結果は、実力的にはトップの佐々木選手は、2本目途中棄権に終わりましたが、皆川選手が4位、湯浅選手が7位と二人の入賞をはたしました。1人の選手のみに期待がかかると、失敗をおそれるあまりおさえたおとなしい滑りになっていまうのですが、今回は、全員が技術的にも世界トップレベルの実力をつけ、さらに本番でも一人一人が果敢に攻めるレースができて、メダルをとってもおかしくない滑りをしていました。もはやワールドカップで優勝するのは時間の問題で、次回のバンクーバー五輪ではきっとメダルを取ってくれるものと確信しています。今から楽しみです。