平成19年 3月 12日  NO.140

妊娠前の体重評価
妊娠中の栄養の管理と体重のコントロールは大変重要です。しかし、妊娠がわかった時点で、太りすぎていたり、やせすぎていたりしている場合、これを妊娠中に標準体重に戻していくことは困難ですし、急激な体重の変動は、母児にとってもよくありません。
一般に、太りすぎの妊婦さんでは、妊娠中毒症や妊娠糖尿病になりやすく、また胎児が大きくなりすぎたりし、分娩も帝王切開になる率が高くなります。さらに、分娩時の血栓症といった、命にかかわる危険も出てきます。一方、極端にやせている妊婦さんでは、子宮内での胎児の発育が不良となることが多くなりますし、また、最近の研究では、生まれた子が将来、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病になりやすくなることがわかってきました。
ですから、妊娠してからあわてるのではなくて、妊娠する前になるべく標準体重にして妊娠するようにしましょう。標準体重の指標となるのはBMI(body mass index)で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出されます。例えば、身長150cm、体重50kgの人では、50÷1.5÷1.5=22.2となります。そして、日本産婦人科学会の基準では、BMI:24以上が肥満、18以下がやせ、その間が標準となります。