平成20年 2月 11日  NO.164

妊娠中のインフルエンザ

今年もまた、例年の如く、インフルエンザが流行しています。
当院にかかっている妊婦さんの中にも、インフルエンザにかかって受診する方が、ここのところ連日みられます。そのほとんどは、お子さんなど、家族からの感染のようです。インフルエンザは、まず予防が一番大事ですから、あたりまえのことですが、うがい、手洗い、体調管理をきちんとして下さい。そして、妊婦さん本人だけでなく、家族全員の方にも協力してもらって下さい。
もしインフルエンザにかかった場合、妊婦さんへの影響としては、普通の人より、症状が重くなったり、肺炎などの合併症にかかりやすくなるといわれています。また、胎児への影響としては、普通よりも、流産、死産、先天異常の頻度が少し高くなるようですが、推計学的に有意ではないとされています。とにかく、かかったら、自宅安静と十分な水分補給が基本となります。
また、抗ウイルス薬のタミフルの使用についてですが、これはまだ、妊婦に対しての安全性が確立されていないため、有益性投与(どうしても必要な場合だけ投与)となっています。最近は、若年者へのタミフルの投与と異常行動との関連の問題や、タミフルの効かない(タミフル耐性の)インフルエンザの出現などもあって、タミフルは、重症な場合に限ってのみ使用する傾向にあります。また、タミフルを内服した場合は、内服しない場合にくらべ、発熱期間が短くなりますが、それによる胎児への影響はかわりがないとされています。

とにかく、かからないように心がけて下さい。