平成20年 3月 10日  NO.166

妊婦への予防接種
インフルエンザや麻疹の流行に伴って、予防接種の重要性が指摘されていますが、妊婦に対する予防接種は、以下の事が原則となります。
弱毒生ワクチン: 接種された病原体が、胎児に感染する可能性を有するので、妊婦への接種は禁忌です。これには、風疹、麻疹、ポリオ、水痘、ムンプス、BCGなどが入ります。
不活化ワクチン、死菌、トキソイド: 胎児へは感染しないので、妊婦へも使用可能ですが、胎児に対する安全性は未確認な面もあるので、必要な場合のみに限った方がよいでしょう。これには、インフルエンザ、B型肝炎、破傷風、コレラ、日本脳炎、ジフテリアなどが入ります。医療従事者でB型肝炎患者の針刺し事故を起こした場合、海外の感染症流行地への渡航、同居家族が感染症にかかった場合などは、予防接種を受けた方がよいでしょう。インフルエンザについては、最近は、妊婦でもむしろ積極的に行うようになっています。
また、妊娠していることがわからないうちに、予防接種を受けた場合については、それが弱毒生ワクチンであっても、必ずしも妊娠を中断する必要がないこともあるので、産婦人科医にご相談ください。