平成20年 11月 17日  NO.184

新生児聴覚スクリーニング

当院では、平成146月より新生児聴覚スクリーニングを実施しています。その意義については外来でもお話ししていますが、聴覚障害は、早期発見が難しく、ことばの遅れにより2歳をすぎてから発見されることが多々あります。すると、療育の開始も遅れ、言語発達や情緒、社会性の発達にも影響が生じます。しかし、聴覚障害が早期に発見され、早期に適切な支援が開始されれば、言語力が健聴児と変わらないレベルに達することも可能で、聴覚障害による影響が最小限に抑えられます。
当院ではこれまでに、約2500名の新生児に聴覚スクリーニング検査をおこなっていますが、2名の難聴児が発見され、2名が難聴疑いにて精密検査継続中です。2名の難聴児は、1歳前後からすでに療育が開始されており、スクリーニング検査を受けていなければ、早期発見できず、いまだに療育をうけていない可能性大です。
同じように、出生直後に受けるスクリーニング検査に先天性代謝異常の検査があり、こちらは、全員の方が受けていますが、先天性聴覚障害の頻度は1000人に12人で、先天性代謝異常よりもずっと頻度が高い疾患なので、ぜひ、検査を受けてください。