平成15年5月26日  NO.42

カタカナ語(1)
最近、「ユビキタス」「コンテンツ」といった新しいカタカナ語が多くなり、その中には意味もよくわからないまま使われている語も多くあります。これらに適切な日本語訳をつけ 理解の統一をはかろうとする動きがあり、先日 新聞で紹介されていました。
これらとは若干意味が異なりますが、我々 医療関係者がふだんなにげなく使っている言葉で 一種の業界用語のようなカタカナ語があり、皆さんの理解を妨げている場合があるかもしれません。そこで 今回と次回は、そのいくつかを挙げてみることにしました。

医療用語は元来 ドイツ語が中心だったため、ドイツ語 あるいはそれに由来したカタカナ語が数多くあります。カルテ、クランケなどはその代表例で、これらは訳語の必要もないかと思います。

外来でよく使う言葉では、アナムネ(アナムネ−ゼ)〔Anamnese〕:病歴 / アネミー〔Anamie〕:貧血 / チアノーゼ〔Zyanose〕:低酸素状態で皮膚色が悪くなること / プルス〔Puls〕:脈拍 / ハルン〔Harn〕:尿 / カルチ(カルチノーマ)〔Carcinoma〕:癌 / ワイセ〔Weise〕:白い→白血球 、

産婦人科領域として、ゲブルト〔Geburt〕:分娩 / ベッケン〔Becken―――〕:骨盤位/ クベース〔Couveuse〕:保育器 / ミオーマ〔Myoma〕:子宮筋腫 / エクトピー〔Ektopische―――〕:子宮外妊娠 、

手術として、カイザー〔Kaiserschnitt〕:帝王切開 / アウス〔Auskratzung〕:流産手術 、

などがあります。

次回も引き続き紹介させていただきます。

(ドイツ語のウムラートが正しく表現されていません。ご了承ください。)