平成15年9月1日  NO.49

帝王切開について(T)
分娩がなかなか進まない、あるいは分娩中に胎児の具合が悪くなって 早くお腹から出してあげなければいけない、等の理由で帝王切開が行われることがあります。今回から数回に渡って、帝王切開についてのお話しをしたいと思います。
現在、日本では お産をする人の何人に1人が帝王切開になるのでしょうか…。全国統計での帝王切開率は1999年の時点では 14.7%で、ここ15年でほぼ2倍になっています。そして病院と個人医院に分けてみると、やはり 合併症などリスクのある人が大きな病院でお産することが多い、ということもあって、病院での帝王切開率は17.3%、個人医院では11.4%です。
当院では、開院以来579人の方がお産され、そのうち65名が帝王切開分娩で、帝王切開率は11.2%と ほぼ全国の個人医院の平均と同じレベルです。
したがって 全国的にみて、お産をする人の7人に1人、当院においては10人に1人が帝王切開分娩するという事になります。
アメリカでは、15年前に帝王切開率が25%にまで上昇し、国をあげて これを減少させる努力がなされていますが、未だに20%以下にはなっていません。
最近の少子化傾向の中、児の安全を考え、早めに帝王切開を選択する事が多くなっており、今後も帝王切開率は 同じかやや増加していくのではないかと思われます。