平成15年9月15日  NO.50

帝王切開について(U)
前回に引き続き、帝王切開についてのお話しをします。
帝王切開には緊急帝王切開と予定帝王切開があります。普通のお産(経膣分娩)をめざしていて陣痛が始まったけれども お産が途中で進まなくなったり、または 分娩進行中に胎児心拍数が低下して 胎児に強いストレスがかかっている事が予想される場合などは、その時点で急きょ 帝王切開に切り換えます。これが緊急帝王切開です。これに対し、骨盤位や 前回のお産が帝王切開だったりして、今回のお産はあらかじめ帝王切開の方針として日時を決めて行うのを、予定帝王切開といいます。骨盤位や前回帝王切開を予定帝王切開にするかどうかは、一概には決められません。帝王切開の方が 赤ちゃんはより安全ですが、手術による母体への侵襲があり、妊婦さん自身や家族 そして医師がこの点をどう考えるか、施設の違い(個人医院と総合病院、スタッフの数など)、また 骨盤位の場合は 初産か経産か、先進部がおしり(殿位)か足(足位)か、赤ちゃんの推定体重はどのくらいか、そして 前回帝王切開の場合は 前回どんな理由で帝王切開になったのか(手術適応)等により、一人一人方針が違ってきます。
当院の場合ではどうしているかというと、骨盤位の方の場合は 妊娠36週になった時点で、前回帝王切開の方の場合は 予定日を決め妊娠届を出す妊娠10週前後の時点で、話し合って方針を決めていますが、基本的には 骨盤位も前回帝王切開も予定帝王切開の方針としています。
   (次回も引き続き、帝王切開シリーズです。)