平成15年9月29日  NO.51

帝王切開について(V)
帝王切開シリーズも3回目。今回は手術が実際にどのように行われるのか お話ししたいと思います。
麻酔は腰椎麻酔(下半身麻酔)か全身麻酔かに分けられますが、児への影響、麻酔の合併症、簡便さ等の理由から、当院では 腰椎麻酔で行っています。当然、手術中意識はあるので、赤ちゃんの声はしっかり聞こえます。
皮膚切開は、原則的に下腹部横切開で行います。ただ、前回手術の切開が縦切開であったり、または緊急手術で一刻も早く赤ちゃんを娩出させなければならない場合は、下腹部縦切開で行います。手術時間は40分前後です。
執刀は、院長が行いますが、予定手術、緊急手術、いずれの場合でも、近隣の産婦人科の先生に来ていただいて助手として手伝ってもらっています。
最近、手術の合併症として、下肢の静脈血栓症とそれに起因した肺塞栓症の問題がクローズアップされています。当院でも、その予防として、術中より下肢にフットポンプを装着し、血栓形成の防止につとめています。
術後は、手術翌日より 食事を開始し、術後2日目より 歩行を開始します。そして、経過が良好ならば、術後8日目に退院となりますが、ほぼ全員の方が 術後8日目に元気に退院されています。