平成16年2月16日 NO.61

CTについて
先日の新聞記事で、日本では診断のための放射線被爆に原因する癌の発症率が、諸外国に比べ 高いこと、その原因として、日本でのCT(コンピューター断層撮影)の使用頻度が高いという研究報告が出ていました。
当院にはCTの設備はありませんが、ふだんの外来診療で 婦人科疾患の診断のため、CT診断が必要な場合がでてきます。
婦人科疾患の中でも、特に、卵巣腫瘍の診断には、CT検査が極めて有用です。卵巣は、お腹の中にある(腹腔内)臓器で、子宮癌検診のように細胞や組織の一部をとって癌検診をすることはできません。そこで、内診やエコーで卵巣腫瘍が見つかった場合に、CTやMRI、あるいは血液検査(腫瘍マーカー検査)などにより、癌の可能性はあるのか、手術をした方がよいのか、といった事を判断しなければなりません。とりわけCTはある種の卵巣腫瘍では、その組織の種類まで見当をつけることができます。ですから、CT検査を受けた方がよいといわれた場合は、その検査が診断、そして今後の治療のためにどれくらい必要なのかをよく納得された上で受けて下さい。そして、疑問があれば、遠慮なくご質問下さい。
なお、当院では、CT検査が必要な場合は、おもに近くのニュータウンクリニック塚田医院にお願いしています。また、卵巣腫瘍等で手術を前提に考えた方がよい場合は、CTを含めその後の治療を、県立中央病院や上越総合病院に紹介し、お願いしています。