平成16年3月15日 NO.63

妊娠中の食事について(T)
妊娠中の食事については、お腹の中の赤ちゃんの栄養のこともあり、心配されている方も多いかと思います。今回から、数回のシリーズでいくつかのポイントをあげてみます。
まず、妊娠中の食事の基本は、自分に必要なエネルギー所要量を守って、栄養バランスのよい食事をとることです。言い換えれば、むやみにたくさん食べたり、特定の食品にかたよっていてはいけないということです。
では、妊娠中は非妊時に比べ どれだけ多く摂取すればよいかということですが、エネルギー量にして 1日:プラス350kcalの1900kcal程度が適当です。これは、ご飯にして軽く2杯分増やす程度です。
そして、全妊娠期間を通じて、どれくらいの体重増加を目安とすればよいかということですが、普通の人で プラス10s、やせ型の人では プラス12〜13s、太り気味の人では プラス5s以内が目安となります。なかなかきびしいですね。
もともと肥満気味だったり、妊娠中に太りすぎると、妊娠中毒症や妊娠糖尿病になりやすくなります。そして、何といっても、お産の時に 難産になる事が多くなります。また、帝王切開になったとしても、術後の血栓塞栓症などの合併症の危険性が高まります。
とにかく、よい事は何もないので、しっかりと自己管理をしましょう。