平成16年5月24日 NO.68

新生児黄疸について
入院中の赤ちゃんは ほとんどが皮膚や眼球結膜に黄染がみられます。これは、血液中のビリルビンの上昇によっておきる現象で 黄疸とよばれ、生まれてから自分でビリルビンを処理するよう適応していく過程で生ずる一過性の現象です。
ふつう、生後2〜3日目から黄疸が出はじめ、生後4〜5日目でピークに達し、生後1週間をすぎると自然に消退していきます。しかし、時には、血液型不適合などによって引き起こされる強度の黄疸もあり、適切な時期に適切な治療を行わないと、核黄疸とよばれる脳障害をきたすことがあります。特に、生後早期に出てくる黄疸や、急に進行していく黄疸は注意が必要です。
当院では、生後3日目より、あるいはそれ以前でも 肉眼的に黄疸が出はじめたら、連日ビリルビン値を測定し、基準値を越えた場合には光線療法を行います。当院ではおおよそ10〜15%の赤ちゃんが光線療法を受けていますので、光線療法になったからといって あまり心配なさらないでください。ただ、光線療法を行っても ビリルビン値が下がらなかったり、全身状態がよくない場合は、小児科に転院して 治療を受けていただくこともあります。
また、母乳栄養の場合は、黄疸が遷延し、1ヶ月健診の頃にも黄疸が残っていることがありますが、ビリルビン値が基準値以下であれば、心配はいりません。