平成13年4月の日記
(4月28日スタート)

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平成13年4月28日(土)漫画喫茶で自慰をする

今日は休日のはずだが、仕事を片づけるため朝10時過ぎに出勤。様々な紆余曲折の後なぜか午後8時まで仕事をする羽目に。9才年上の同僚にバカにされたため、気分がイヤな感じに高揚している。

しょうがない。最近の私の口癖、心づもりというやつだ。悲しいが、しょうがない。私は彼より無能ではないが、彼の価値観からは私は無能者だ。彼は営業に職質が特化しているが、私は営業と事務仕事をある程度どちらもこなせる。彼は事務の価値を端から認めない、というか、それを認めることは自分の存在を否定するので決して認めようとしないのだ。

彼は私をバカにすることで、一人っ子のわがままな精神のバランスを取っているのだろう。そう考えると、哀れである。人生の先輩にとりあえず花を持たせてやろうと私は常に一歩身を引いている。

それでも腹がたつのは事実。仕事の鬱憤を家庭に持ち込まない。私の最低限の良識である。したがって気分を納めるため、漫画喫茶に。

漫画喫茶でマッサージ機に座って漫画を読む。ことのほか気持ち良いので、ついウトウトしながら読み耽る。

『グラップラー刃牙』全巻読了。これは収穫。今までアクの強そうな絵に敬遠していたのが間違いであったことを知る。実に面白い。男としてこれは一度は見ておくべきだと思うほどだ。無意味に強くなった気分に浸る。

懐かしの『いけない!ルナ先生』全5巻読了。中学高校時代と同様の興奮を覚える。変な趣向があると常々自覚のしている――無論、表には出さないようにしている――私は、なんの抵抗もなくトイレの大側で自慰。途中、数人の小利用があったが、気配を立ってやり過ごす。この胸の鼓動が堪らない。漫画の内容以上に興奮する。細君とのセックスなんぞ、この手のスリルは味わえない。まあ、もっとも、細君とのセックスでスリルがあっても困るが。

トイレからでて周りを見渡し、(私はこの中で最も気が狂っている)と精神の病んだ優越感を感じる。

『聖☆高校生』1〜3以下続刊、読了。これも収穫。今日は実にあたりの多い日だ。4コマ漫画だがいわゆるストーリー漫画として分類してもかまわないであろう。一人の男が人生を転落しているのか経験を積んでいるのか良く分からないが、コミカルとシリアスのバランスがとてもよい。

気が付いたら、すでに朝の四時。家庭に仕事の鬱憤を持ち込まないとしても、朝四時に帰る亭主は亭主失格である。しまったと思いながらも帰宅。細君は当然のようにテレビをつけながらこたつで寝て待っている。

「すまん」と一言謝る。「いいのよ」と細君が言葉とは裏腹な目つきで私を睨む。

早く子供を作らなきゃならん。と、思った。2年経って新婚同様では少々辛い。

平成13年4月29日 ポートの先で顔を見合わせて笑う

今日は休日、いや、真っ当な人間ならゴールデンウィークと喜びをかみしめる日であるはずだ。

だが、起きたのは昨日の不摂生も祟って夫婦揃って11時過ぎ。朝、とは言わないが、昼に起きてバカ夫婦たる私たちはとりあえず、する。苦笑とともにする。主に私の望みである。

楽しい。純粋に楽しい。

私は自慰が好きだ。人目をはばかりながらも辺り構わずするのが、また楽しい。それ以上に細君と黙々と知り尽くした関係を再確認するのはなお楽しい。

ゴールデンウィークの旅行の予定はなし。細君の実家と私の実家は私たちの家からほぼ等距離にあり、片道15分の場所にある。そんなわけで実家に変えるという選択しも無し。どちらに行っても孫を見たがる親はうるさいものだ。

気楽な二人のため、じゃあ、ちょっと出かけようか、ということになって近くの喫茶店に。夫婦揃って漫画好きな我々は、とりあえず喫茶店といったら漫画喫茶である。軽く昼御飯をとりながら、細君に『聖☆高校生』を薦める

しかしながら細君はすでに既読済みで、逆におなじく小池田マヤの『すぎなレボリューション』4巻以下続刊を薦められる。しまった。不覚にも面白い。ああ、小池田マヤワールドに首っ丈。

同様に『ときめきまっくん』『スーパータムタム』など小池田マヤ作品を堆く積まれ、勝ち誇った顔で私に薦めてくる。漫画好きの特性として、自分の好きな漫画を薦めたくてしょうがないらしい。

口惜しいので、細君の好みにマッチしているであろう田中芳樹原作の『銀河英雄伝説』11巻以下続刊を薦める。私は小説から入った部類だが、細君にとっては少女漫画タッチの漫画から触れさせるのが得策だ。案の定、目を輝かせて読んでいる。

という、私も小池田ワールドにはまりまくっている。

一通り読み終わった後、気分を変えて沖さおり『マイナス』全五巻読了。気分が重くなる。

『月光の囁き』喜国 雅彦全7巻読了。そうか、これは少し楽しい。自分の性癖を肯定された気分。細君も苦笑しながら同時読了。しかしながら私は他人に細君を寝取られたりしたら、気が狂う。主人公とは異常性欲者として共感するが、性癖には共感しない。

4時過ぎに店を後にする。

ちょっとしたデートをかねて、近くのポートへ。

先ほどの漫画の余韻が二人を包んでいる。顔を見合わせて苦笑する。「たまにはこんな午後もいいねぇ」と。

平成13年4月30日 我先にと喜ぶ顔を見る

ゴールデンウィークの平和な日常を看過する我が細君は、旅行よりも個人の思考を尊ぶこととしているようだ。私と似ている。だから二人は生きていられるなどという昔の唄を思い出す。

と、いうよりも細君はひたすら小説を綴っている。無論発表の予定など無く、彼女の思考の集大成をとりあえずまとめたい衝動に駆られているという。

これが恐ろしくつまらないのだ。いや、まあ、いいのだけれど。平易な分に抑揚のない話。とりとめ無き話題。オチもない。

じつは私、あの漫画喫茶での自慰行為が忘れられないでいる。独特の緊張感の中での放出は、まるで高校時代の初体験に似ている、と書くと甘酸っぱく聞こえるが、初体験の相手が細君であるという一点において、その甘酸っぱさはつまらない男の烙印をもって報われるのだ。

で、どうしてもあの感覚が忘れられないので、細君に隠れて自慰をしてみる。我が細君は私が自慰行為に耽るのを他聞に漏れずあまり好ましく思わない。この見つからないようにと言う緊張感が興奮を呼ぶかと思ったが、さにあらず。普通の自慰と変わらないのだ。

考えてみれば、細君に隠れて自慰行為に耽るのは私の得意技だ。何せ私は自慰好きなのだ。普通の行為は嫌いではない。むしろ好きであるのだが、たまには変わったシチュエーションが欲しくなる。それが自慰なのだ。

言い換えれば、弱気な男の夢の果たし方が自慰である、とでもいうべきか。

まあ、あまり興奮しないので執筆に疲れた細君の肩をもみながら、胸をもむ。ほんの少しでいいのだ。このほんの少しのシチュエーションが興奮する。

何事もやり過ぎてはいけない。過ぎたるは及ばざるがごとし、である。


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