『TEAM89ウルトラマラソン応援プロジェクト』
ぼんやりとしている間に年が明けて、気がつけばもう1月も後半に差し掛かってしまっているではありませんか。と、とりあえず2月になっていなくてよかったと思うことにしよう。
遅ればせながら、みなさま、本年もよろしくお願い申し上げます。
みなさんはどんなお正月を過ごされたのでしょうか。
ぼくは毎年のことなのだけれども、元旦から3日まではテレビにかじりついて駅伝観戦をしました。元旦の『実業団駅伝』は以前『JR東日本チーム』を取材させてもらった関係で、グリーンのユニホームが映ると応援にも熱が入りますね。
2日、3日は『箱根駅伝』、駅伝はチーム力だというけれども、東洋大の柏原選手の独り舞台のような印象がありましたね。
個人的には城西大の山下りにエントリーされていた三田翔平選手が当日になってメンバー変更されてしまったのが残念でした。こんなふうに書くと、三田選手と親しい関係のように思われそうですが、そんなことはありません。3年前の予選会を見に行ったときに、三田選手は予選会にも出場していない1年生で、チームの弁当運びをしていたのですね。
そんな彼に「来年は選手で出られるといいね」と、声をかけたところ、
「はい、来年は箱根の本戦にでます」
三田クンはキッパリと言い切ったのでした。予選会にも出ていないのに、堂々たる本戦出場宣言でした。そのもの言いには不遜さも驕りもなくなんだかとてもさわやかな印象があって記憶に残ったのでした。そして、宣言通り09年には6区の山下りに三田選手の快走する姿がありました。今年は故障していたのでしょうか、それとも何か別の理由があったのでしょうか。
なんにしても箱根を走る選手の陰にはその何倍もの出られない選手がいて、それぞれにドラマがあるのだろうなと思えました。
さて、表題の『TEAM89ウルトラマラソン応援プロジェクト』は昨年から案を練っていたものです。
発端はウルトラ仲間のTさんと飲んでいたときのことです。
「夜久さんのファンって全国にいるよね」
と、Tさん。
「ええ、もうそれは、ありがたいことに全国津々浦々にファンが満ち溢れています」
あっ、これはぼくが言ったのではありません。ぼくが飲んだアルコールが思考回路に異変をもたらし、大言壮語を吐かせたのです。犯人はアルコールですぅ。
「それでね、夜久さんの本の読者、HPに書き込みをしている人たちは全国にいてもお互いに顔も名前も知らないよね。ファン同士なのに出会っても気づかないってことね」
「それはそうです。筋肉マンのオデコに『肉』と書かれているみたいに、ぼくのファンのオデコに『夜』とか『89』とでも書いてあれば別ですけど」
「そこですよ。『ヤクさんTシャツ』を作りませんか。どこかの地方の大会に出かけたときに、同じ『ヤクさんTシャツ』を着た人がいたら、それだけで親近感が湧きます。たった一人の遠征でも、現地で仲間に会えたら心強いじゃないですか」
Tさんの心地よい熱弁がぼくのアルコールの酔いをどんどん加速させる。
「作ります、Tシャツ作りますよォ」
「ぜひお願いしますよ。1000枚、2000枚ぐらいすぐに捌けちゃいますよ」
Tさんの明晰な頭脳もアルコールが悪戯しているようだ。
ましてや明晰ではないぼくの頭脳は思考力などゼロに近い。妄想だけがふくらみ続ける。『ヤクTシャツ』をめぐって争奪戦が展開している場面まで浮かんでしまった。
「なんだよォ、引っ張るなよ、これはオレが先に手にしたものじゃないか」
「そんなこと言ったってこれが最後の1枚だろ。どうしても欲しいんだよ」
「オレだって同じだよ。せっかく手にした『ヤクTシャツ』譲るわけにはいかないよ」
「あっ、あそこに2枚買っているやつがいるぞ。
お〜い、キミ、頼むからその1枚譲ってくれないか」
「いやだよ、1枚はランニング仲間へのプレゼントだよ」
「そりゃあ、『ヤクTシャツ』がプレゼントに最適なのは分かるけどさ……」
「ホントだね、10枚くらい買って女の子にプレゼントしたらモテモテだよな」
トントンと肩を叩かれた。
「夜久さん、居眠りしながら何をニヤニヤしているんですか。そろそろ帰りましょうか」
Tさんに促されて居酒屋を出た。千鳥足で家路に着きながら、
「Tシャツはストック在庫もふくめて製作枚数は3000枚ってとこかな……」とつぶやいていた。
翌日、事務所に出て『ヤクTシャツ』の話を秘書にした。
「Tシャツ? いいじゃないですか。それで何枚くらい作りますか」
この種の話に対して秘書はきわめて事務的だ。ぼくのほうに顔を向けず、眼球だけを動かして視線を投げかける。
「ええと、さ、さ…」
「300枚は多いのと違います」
ピシャリと言われてしまった。アルコールが抜けて、デーライトのもとで考えると、確かにそんな気がした。
結局、『ヤクTシャツ』の製作枚数は減ったというよりも現実的なものに落ち着いた。
そして、これはランステの企画と連動させることになった。
すなわち、ランステでは今年第25回開催の記念大会となる『サロマ湖100kmウルトラマラソン』に向けて参加をもくろむランナーのみなさんへの『応援プロジェクト』を発足させることになったのだ。
具体的にはウルトラマラソンセミナーの開催。月1回の練習会とレース1ヵ月前の7時間走開催。そして、それに併せて『ヤクTシャツ」を作製し希望者に販売することとなった。
早速、Tシャツのデザインの創案に取り掛かった。コンセプトは『元気を発信するTシャツ』だ。ふつうはTシャツを作るうえで最重要視するのはデザインである。美しい、カッコいい、洗練されている、目立つ、といったところだろう。しかし、ぼくはあまりデザインにはこだわらないことにした。デザインの優れたTシャツであればスポーツショップに行けば、いくらでもあるからだ。それよりも、もの書き(表現者)ならではのオリジナル性を出したかった。
そこで、考えたのが、ぼくがこれまでに書いた言葉、発言してきた言葉を散りばめることだった。早い話が『ヤク語録Tシャツ』ということになる。
そうして出来たのが写真のTシャツだ。
写真ではやや読みにくいと思われるので、散りばめた『ヤク語録』は以下の通りだ。
(*走思走愛 *レースは努力の晴れ舞台 *走れる身体にありがとう *ウルトラの前半は臆病に、後半は大胆に *闘志は内に、優しさは表に *だれかを励ませば自分も元気になれる *苦しいけれど苦しさと闘っている自分が誇らしい *苦しいのはゴールが近づいた証拠 *今日のレースが10年後も記憶の中で輝いていますように *完全燃走)
このTシャツを着た人がメッセージを自分の中でエネルギーにしてくれたなら嬉しい。また、レース中にこのTシャツを見た人がそのメッセージを受け取って元気になってくれたらそれも本望だ。
デザインにはこだわらないと言ったが、ランステ麹町店のスタッフであるデザイナーの名取クンに依頼したところ、ぼくの意を汲んでなかなかの手腕を発揮してくれた。
*『Team89ウルトラマラソン』Tシャツはランステ http://www.runsta.jp/
神保町店(03-3264−0089) 麹町店(03−5275−0089)にて展示販売しております。
*サイズはユニセックスでSS、S、M、L、価格は2000円、地方発送の場合は1枚300円、2枚以上は500円がかかります。
お問い合わせ、ご注文は上記ランステにお願いします。
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