蒼い記憶

蒼い記憶




作者からのお願い

 これからこの小説を読もうとしているみなさんにお願いがあります。
 この小説を書いているのは二〇〇二年です。だから、小説の舞台設定も二〇〇二年前後を想定しています。ところで、第四章には阪神淡路大震災の記述があります。ご存じのようにあの大震災が起きたのは一九九五年のことでした。ですから、大震災に関連したエピソードを書くと、小説で想定している舞台設定とは七年ほどずれてしまいます。そこで、阪神淡路大震災の後に別の大地震が起きたことにして、その架空の地震のエピソードを書こうかとも考えました。けれど、あの震災を経験してしまった身としては、どうしてもあの震災のことを書かなければいけないんだという脅迫観念にも近い思いを抱いてもいました。だから、架空の地震ではなく、実際にあった震災のことを書くことにしました。
女王様と御呼び
そのせいで時間的なずれが生じていまうことも覚悟の上で。
 そこで、みなさんにお願いします。
 第四章を読む時には、みなさんの頭の中で適当に年代を読み換えていただけないでしょうか。地震が二〇〇二年に起きたというふうに読み換えていただいても結構ですし、小説の年代設定を地震の年に合わせていただいても結構です。いずれにしても、無理を承知の上で、その一点をお願いしたいと思います。
 私の我儘だということはわかっているのですが、これだけは譲れないという私の思いも察していただければ幸いです。



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