6R-HH2, 4R-HH2差動ラインプリアンプ
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ぺるけ氏のページにある差動ライン・プリ・アンプをつくったというページです。久しぶりのページ更新なので、どうやってftpをしたらいいかとか、しっかり忘れました。Emacs+tramp+dired, html-helper-modeで更新しています。
トラブルをきっかけに、6.3V球を節約する目的で4.2V対応としました。4R-HH2なら、クラシックコンポーネンツの100円コーナーにもおいてありましたし、オークションでも捨て値です。
Yahoo! auctionという、酔っぱらっているときははなはだ危険なシロモノがあります。以前に入札金額を間違えてひどい目にあったことがあります。実は現在、全段差動アンプの部品を収集している最中であり、真空管も店で買うのみならずオークションに手を出す、という危険なことをしています。そんなある日、「真空管、80ん本」という出品がありました。内容が書いていないところが結構危険ですが、MT管をメインとしてGT管、その他たくさん含まれています。何を思ったことかそれを落札したところから始まります。
きわめて丁寧な梱包で届いたその物体は、おそらく電気屋さんのテレビの修理キットと思われる真空管の山でした。困ったことに全く知らないような球がいっぱいあります。ノビス級以下の自分にとって、作例があるような球以外はなかなか手の出しようがありません。遠くない将来に、どこか里子に出さないといけないかもしれませんが、逆に考えればいろいろ勉強する余地もあるというものです。
その中に4R-HH2, 6R-HH2という球をみつけました。6R-HH2が3本、4R-HH2に至っては7本も入っています。ちなみに7DJ8というのも2本入っていました。
いろいろ調べたところ、こちらで特性図が公開されています(ありがとうございます)。また、他のページをみると、6922や6DJ8と差し替えも可能ということが書いてありました。内部抵抗は4.5kΩと、ぺるけさんの実測の6DJ8とだいたいおなじくらいだそうです。
国産の真空管で、日本電気製で素性もしっかりしてそうです。入手経路がややいい加減で、それなりに古そうですが、おそらく新品らしいということもわかりました。だめなら7DJ8もある、4R-HH2がいっぱいある。さあ作りましょう。
残りの部品の調達は秋葉原です。仕事で東京に行った帰りに秋葉原に寄りました。到着は困ったことに18時です。本人は一回で全部の部品を集める気満々です。
秋月は恐ろしい勢いで閉店モードに入っています。あきらめました。千石でCRを購入します。細かい部品を残り時間を考えながら購入するのはかなりスリリングです。
千石→春日無線でトランス→ラジオ会館の若松、というルートで部品を購入します。ぺるけさんのオリジナルは東栄変成器のトランスを用いていますが、前回に引き続き春日のトランスです。18時半が閉店時間なのですが、19時くらいまで開いてます。若松では高圧の電解コンデンサ、真空管ソケット他を購入。
シャーシの購入は間に合いませんでしたが、とりあえずバラックで組み立てよう、とあきらめて帰宅しました。
結局後日秋葉原に再度出向いてシャーシとかを購入することになるのですが。
このページ、グーグルで検索するとけっこう上にヒットしてしまいます。いろいろ項目を充実させなければいけません。ということで、主要部品一覧などを提示します。
種類 | 型番 | 製造元・購入元 |
---|---|---|
電源トランス | B6Z22WCD | 春日無線変圧器 |
ヒータートランス | 6B1210N (12V Max1A) | 春日無線変圧器 |
真空管 | 6R-HH2 x2 | NEC, auction |
FET | 2SK30ATM GR x4 | 東芝, 秋月電子 |
MOS-FET | 2SK3067 | 東芝, 千石電商 |
4R-HH2への変更点
もし拙ページを参考にする、という方がいたら困るので追記します。アンプ本体の回路は変更ありません。電源回路のうち、トランスの12Vタップを10Vタップに変更、R109を2.2Ω/2Wへ、R110,111を560Ωに変更しています。当然ながら、平滑コンデンサの耐圧は下げてもかまわないと思います。
今回の回路はぺるけさんの回路通りです。球が6R-HH2である、というだけです。最初はオリジナルの回路通りにしていましたが、6R-HH2は6DJ8よりやや内部抵抗が高いです。そのままの差し替えでも一応動きますが、オリジナルのままだとバイアスがだいたい-1.5Vくらいになり、浅くなりすぎです。共通カソード側の定電流回路を合計7mA(チャネルあたり)くらいにした方が動作点として適切になると思います。今回はIdss 3.4mAのものを2本並列としました。
また、6R-HH2は6DJ8よりやや電源電圧を高めにして動作させた方がよさそうです。Epの最大定格は160Vで、6DJ8の150Vよりちと高いです。負荷抵抗を20KΩとして、それぞれに3.5mA流すようにすると、ここでの電圧降下は70V。動作点をEp 112V, Ip 3.5mA, Bias -2.6Vと設定すると、電源電圧は182Vとなります。電源回路の左右振り分けの抵抗(R106,107)は3.9KΩとしました。
組み立ててオーディオソースを繋いで・・・・ 鳴りません。電源周りは球を繋ぐ前にチェックしていたということ、左右ともにトラブルがあることを考えると、おそらく真空管ユニットの接続がまずいのだろう、と思い真空管ユニットをチェック・・・
出力のコンデンサが入力側のプレートから引っ張り出されている・・・
それを直して、接続しなおし。ハムノイズが載っているのですが、なんかいい音がしています。
ノイズに関しては、ボリュームツマミをいじっているときにノイズが載る、ということでした。よく見てみると、内部を塗装した影響で、どこにもシャーシのアースポイントがない、ということが原因とわかりました。ボリュームの軸がシャーシと接しているからそこでシャーシ・アースとなっていると考えていたのですが、甘かったようです。ボリュームの固定の小孔のまわりの塗装を剥いで、卵ラグをもってきてアースに落としたところ、ハムはあっけなく完治しました。
外観はまだ未完成、ということでまだのせれません。ふたが未塗装であること、入力切り替えが未作成であることがまだ残っています。シャーシもやり直しが必要かも。
私は耳があまりよくないのですが、これはなんか艶っぽい音がします。自分でつくったのでかなりバイアスがかかっていると思いますが、かなりご機嫌な感じです。
教訓としては、ちゃんと実測する、ということでした。
さて、次は何をつくりますか・・・