プロローグ

あー夏休み

恵子ちゃん・・・北海道は今年で最後です。僕は去年そう言った。
だけど・・、それは間違いでした。

僕の夏季休暇は仕事の関係上決まるのが遅い。
"本来の"休暇はお盆の前後にあるのだが、仕事が入るためいつも日をずらして代わりの休みを取る。
その休みは時には7月だったり9月にずれ込んだりもするが、1年置きに北海道へ行ってる時は半ば強引に、
子供の夏休みに合わせて代わりの休みを取ってきた。そして、その日程が決まるのは
いつも7月半ばを過ぎてからだった。
その時期に決まっても、世間とは休みがずれているので、北海道へ行くにも週末を外せば、フェリーの予約は楽勝だった。
今年も例に洩れず、休みが決まったのは7月も10日を過ぎた頃で、しかも有り難い事に?"本来の"休みとなった。
特に行き先の予定をしていなかったので、今まで1年置きの"ルール"を無視して、今年も行きたいという気持ちが一杯になり・・・
しかし、問題があった。金銭的なこともあのるだが、僕らが利用する新日本海フェリーの予約は2ヶ月前に始まる。
この時期ではもう予約開始日をとうに過ぎているのだ。通常なら、この時点で諦めるしかない。
幸い今年からはインターネットを使って空き情報の確認や、予約が出来るようになっていたため
確認を入れると、1日休みを前倒し、帰りを1日早めれば舞鶴←→小樽便にわずかに光明が見えた。
僕はとりあえず、そこを押さえることにした。最悪の場合は、1週間前までにキャンセルを入れればいい。
それからは、自宅や会社からチョコチョコっと、アクセスして、希望の便が空くの待って変更する。いいシステムができたもんだ。
その結果、行きの便は7日の仕事が終わってからの舞鶴出航〜9日早朝小樽着。
帰りは14日苫小牧東発〜15日夜敦賀着便へとほぼ希望通りに変更できたのは、丁度キャンセルが出始める、出発の1週間前だった。

それが、出発前の出来事だった。









8月7

乾杯
8月7日
出発の日。台風10号は関西方面へ接近の可能性を秘めて、雨雲を近畿に掛けていた。
夕方には雨も降り出す中、僕は会社から急いで戻ると、残りの荷物は積み上げ19時半過ぎに、舞鶴港目指して出発した。
例年なら敦賀発で出かけるのだが、昨秋から敦賀便は夜半の午前1時半出航で、苫小牧東港へ到着と変更になった。
午前1時半という時間は、会社から戻っても余裕ができてありがたいのだが、港で過ごすには中途半端で、
乗船前の時間をどう過ごすか、時間が遅いため乗船すれば、すぐに就寝という、旅にとっては味わいの無いものと思われ
僕は、往路に舞鶴午後11時半の出航便を選択したのだ。
大阪を出発する時に降っていた雨は高速を降りる時には止んでいた。フェリーターミナルに到着前に燃料を満タンにしておこうという
僕の目論見は早い終業時間のために崩れてしまったが、まあ、半分以上残っているからええかぁということで現地で供給することにした。
予定通りに出航したフェリーだったが、いつもの敦賀発便と勝手が違っていた。
敦賀発の ”すずらん”、”すいせん”なら、その勝手知ったるレイアウトで、船内にどこになにがあるか
解って行動できるのだが、今回はさっぱり、要領がつかめなかった。

サイドデッキが開放されていたりスポーツデッキがあったり・・・レイアウトを把握するのに時間がかかったが、
出航前にリアデッキのテーブルを確保して、結局午前2時過ぎまで旅の出発を祝って祝杯を重ねた。
これなら、午前1時半発の敦賀便も同じかと・・いやいや、呑まずに過ごす2時間の差は大きいでぇ!
それが、その日の出来事だった。




8月8日

長い夜
8月8日。
翌朝7時過ぎにラジオ体操の放送に起こされた。この便ではリアデッキで行われるのが恒例らしい。
昨晩は、よく判らなかった船内のレイアウトも掴め、行動の範囲が広がった。
今回の便は今日一日を船内で過ごし、明早朝に上陸する。まるまる1日を船内で過ごすのだ。
敦賀便ではリアデッキでジンギスカンを食べて気分を盛り上げるのだが、この便では開設されていない・・・残念
途中台風について船内の放送が入る。台風より船の速度が速いため、台風の影響は受けずに済みそうだ。
それよりも台風の進路が近畿圏に向いているのが気になる・・・ウチは大丈夫か?? が、どうしようもない。
船内で、例によって、退屈な時間を本+ビール+昼寝+お風呂で夕方までやり過ごし、
・・・おっと、この時間は上陸後の予定を決める大事な時間でもあるのだが、今回は、も? 道東方面を目指すことだけを決めた。
そんな、こんなで夕食を終えると、一気に焼酎を睡眠薬として早めの就寝についた・・・明朝までは短い夜だった。


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