2015年3月15日 春コミで「出張編集部」に行ってみた (2015年3月18日)
2015年3月15日に、HARU COMIC CITY20にサークル参加してきました。その節はお越しくださった皆様方ありがとうございました(*´ω`*)
さてさて表題の件ですが、COMIC CITYでは会場内に「出張編集部」というブースが設置されることがあります。そこは、自分の同人誌や原稿を持って行くと、出版社に持ち込みに行くのと同様にプロの編集さんからアドバイスをもらえるんだそうな。すごい。
以前からちょっと気になってはいたのですが、実際のところぼっちサークルの人間にはなかなか自スペースを離れるタイミングがなく、またそこまでするだけの意志の力もなく・・。今まで利用する機会はなかったのですが、最近マンガ作りに関して悩むことも多くて、「あわよくばプロの編集さんに疑問を相談できるなら・・」という気持ちで、ものは試しで行ってまいりました。以下、そのレポートです。興味のある方、行ってみたいけどどんなところか気になるという方、良かったら参考になれば幸いです。
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さて、聞きたかった疑問というのは、この頃サイトのmemoの方にも時々書いているのですが、(2014年8月04日の記事など)
「どうやったら無意識に独りよがりにならないで、ちゃんと読み手に伝わる情報の出し方を訓練できるのか」
ということでした。
やっぱり、ちゃんと伝わって、自分が面白いと思うことを読んでくださる方にも面白いと思ってもらえたら一番うれしい。そのためには、自分だけがわかった気にならないで、読み手の目線から話を眺めてちゃんと効果的に、かつ過不足なく情報を盛り込めるようになりたい。そのへんの感覚を鍛えるための方法が知りたいと思うんですが、いかんせん、漫画の描き方的な本やWeb講座なんかをちょっと見ても、なかなかそういう情報がなくてですね・・。ならば、聞けることなら一番知ってそうなプロの方に聞いてみたい、と思ったのが、今回行ってみた理由でした。
当日はスペースを14時過ぎぐらいに撤収して、閉会間際に急いで行きました。運良くまだ開いていた2社さんと面談することが出来ました。
出張編集部のWebページには「整理票配布は15:00終了。面談は15:30まで」とありますが、メインの時間帯はやっぱり一般入場時間帯なのかも。朝も行ってみたけど早すぎてどなたも来られていなかったのでw ぼっちサークルだとなかなか難しいっすな;
編集者さんたちも有望新人作家開拓のためのお仕事で来られてるはずなので、自分みたいな若くもない半端者が行くのはご迷惑かな、と思わないでもないのですが・・。お伺いした2社さんはどちらとも誠実に対応してくださいました。ありがとうございました。
以下、ご相談に乗っていただいた2社さんのお話の概要です。(簡単なレポを載せることはその場でご了承を頂きました。)
なお、アドバイスを頂く材料として持っていった本は、擬人化本の方(ヤフググ1改訂版/2014年10月)です。最近作った本の中では、ひとまとまりの話としてキャラが一番把握しやすくて分量も長すぎず手頃かな、と考えたためです。(シリーズの途中を持って行ってもキャラが分かりにくいと思ったので。) なので、この本をご覧になったことがある方だと、絵柄の感じとか、話の密度とか、なんとなくイメージがついてより具体的にアドバイスの内容が伝わるかもしれません。ご覧になったことがない方も、なんとなくそういうもんかと思って下さい(・∀・)
また、比較対象として参考になるかも?と、改定前の2011年版の方のヤフググ1も持って行きました。
■徳間書店 COMICリュウ編集部さん
(読んでみて全体的な印象)
・ドラマがない、盛り上がりがない、キャラが出会って何が起こるのか、ストーリーとして内容が足りない
もっとネタを盛り込んで、出し惜しみしないで、持ってるネタは全部入れ込んで面白くすること、
じゃないと次の本を読んでもらえない (その通りです・・!)
・キャラクターを表現するのに、セリフで言わせるのではなく、キャラをもっと動かして
具体的な生きたエピソーソドを作るべき
(例として具体的なシチュエーションをその場で考えてくれました)
会話に頼らないで話を進めるよう心がけること
・せっかく擬人化するなら、もっと人間味を出した方がいい
・背景は書き込んでる箇所もあるけど、白いコマが続くときもあるので、何か入れた方がいい
・背景含め、紙面がなんとなくのっぺりしてる、全体的にさっぱりし過ぎで、温度が感じられない
(そうか・・!)
髪型や服装がシンプル過ぎるのかも? (そうかもしれません・・!)
・キャラの表情にもっと変化をつければいいかも
・なんで攻めキャラが受けキャラに興味をもったのかが描けてない (はい、、そうなんです・・!!!←)
(独りよがりにならないためにはどうしたらいいか?について)
・現状では、むしろ人の目を気にしすぎて表現したいものが入れ込めてない気がする Σ(゚д゚lll)!!
・ネームの段階では、読者目線の距離をとれてなくてかまわない、それよりももっと作品にのめり込んで、入り込んで、気持ちを込めるべき
・そこから、1週間なり時間を置いて、距離がとれたところで分かりにくい部分を補足すれば十分では
■講談社 Kiss・ハツキス編集部さん
(読んでみて全体的な印象)
・擬人化キャラの性格の特徴が良く出ていて、面白かった
(まじすか・・!さすがヤマザキマリさんのスティーブ・ジョブズを連載してるKissさん!←)
・ページのコマ割りもちゃんとしてるし、スピードで畳み掛けるところとゆっくりタメるところとで
緩急があってテンポよく読めた
カメラの引きと寄り、どちらも織り交ぜられていて良いと思う ( ;∀;)
・情報量については、改訂版は過剰、改定前は不足 (そうですか・・!)
改定後は、全体的に説明的な印象がする
心理語りでキャラにナレーションさせることは避ける、心の声はキャラの感情だけに限定した方がいい
会話の自然なキャッチボールの中でストーリーを表現することを意識する
・表情が硬い、キャラにどういう感情が生まれているか見えない
あまり感情を表に出さないクールなキャラだとしても、ほんのちょっと見えるだけでも、
萌え度がぜんぜん違う (なるほど・・!)
マンガはキャラで動いているものなので、同じような表情でも、何かしら感情が載っているはず
デッサンに忠実というよりは、キャラの感情に忠実に描いてもいいのでは (・・!!)
(独りよがりにならないためにはどうしたらいいか?について)
・やっぱり人に見てもらうのが一番いい、褒め合うだけの慣れ合いではだめだけど、
そういうレビューしてもらえる場を持ってもいいのでは
こんな感じでした・・!!! もしご本人の意図と異なって記憶・解釈してしまってましたらすみません。
文字で見るとすごく酷評されてるように伝わってしまうかもしれませんが、実際にはそういう印象は全くなく、お二人様どちらも本当に真剣に考えて誠実に対応してくださって、思い出してもありがたくてなんか泣けてきそうです( ;∀;)
面談直後の印象としては、なんというか、勉強になることがありすぎて完全に圧倒されました。半ばパニック状態というかw めちゃくちゃ勉強になりすぎて、ドキドキして、どっから手を付けたらいいかよくわからないけど、とりあえず、よく反芻して記憶して、何ヶ月か何年かかけてゆっくり消化していこう・・と思いました。
<その後、いろいろ思ったり考えたりしたこと>
実のところ、数日経ってもまだ「どこから改善したらいいのやら・・」という状態ですw それでも、普通ではもらえないような率直かつ的確なご指摘とアドバイスを頂けて、本当に貴重な勉強になったということはしみじみ感じます。
まず、指摘された表情の硬さについて。これは多分なんですが、自分が「デッサン狂うのが怖すぎて死ぬ病」みたいなのにかかってしまっていることに原因があるかもしれません。顔の配置が崩れないことにあまりにも注意を集中させすぎて、デジタルだと紙の傷みを気にせずに無限に修正できることもあって、チマチマこまごま直してしまうことが関係しているのかも。紙から温度が感じられない、というのも、とにかくどんな小さなはみ出しも線のブレも徹底的に滑らかに修正しなければ!という強迫的な意識が裏目に出てしまっているような気がします。そこに注力するより、もっと書き込みの密度を上げるべきなのかもしれない。
背景含め、紙面がのっぺりしている、というのも、もしかしたらコミスタのパース定規に頼り過ぎて、自分の手で描いてる感覚が薄くなってしまっているのかも。
もしこの辺を改善しようと思うなら、ソフトや機材、レイヤーの使い方など、作業工程をどこかしら見直す必要があるのかもしれないなーと。究極的にはアナログ原稿がいいってことになっちゃうのかもしれないけど、家庭環境と予算的な制約からあまり現実的ではないので(´・ω・`) また試行錯誤の旅が始まりそうです。
あるいは究極的には、もっと基礎画力そのものを上げて、チマチマやらなくてもちゃんと自由にダイナミックに形を取れるようになれればそれが一番いいのだと思います。ほんとはそうなりたい!!!!!そうなりたいんだよおおお!!!!!!!(心の叫び)
でもなー。過去の自分の原稿を見て、線の粗さが気になって、なんとかそれを克服したいと思ってここ数年やってきたので・・それが裏目に出てたとしたら悲しいけど、でもまあ、誰も未来の正解を知っているわけではないし、全部が無駄になっているわけでもないと思うので、その時々の段階で適宜軌道修正しながらやっていくしかないすな。
ネームの作り方にしても、もしかしたら同じようなことが言えるかもしれない。自分はマンガ作る時まずテキストデータで台本みたいなのを作ってそこからコマ割りに移るんですが、テキスト状態の時にやっぱりチマチマこまめに直しすぎて、COMICリュウさんがおっしゃるように、のめり込んで表現したいものをとことん詰め込む、ってのができてないのかもしれない(´・ω・`) もっと、
集中して一気にガーッと書く → 見ないでしばらく置く → 一気に直す
っていうような、勢いや熱量を殺さない方法を試してみてもいいかもしれないな、って思いました。
上で書いたデッサンの修正魔の件も同じだと思うんですが、丁寧にチマチマやるだけでは、表現できないものがあるんだろうなーと。丁寧さが全然ないのもダメだけど、もしかしたら、それは車の両輪のうちの片方に過ぎないのかもしれない・・?と。そういことをなんとなく思いました。
自分が絵を仕上げるのがめちゃくちゃ遅い遅筆人間なのも、そういう修正体質が関係しているような気がするので、それを改善できたら絵を仕上げるのが早くなるっていうメリットも・・あるかな?と都合よく思ったりもしていますw
それから、キャラが感情を出す出さないについて。これは多分ホントに好みの問題だと思うんですが・・ 仙越でもそうだけど、多分自分は、思い入れのあるキャラは感情を出さないほうが好きなんだろうな、と思います(笑) 確かに理屈としては、キャラがちょっとでも感情を出したほうが読み手の気持ちも入りやすいと想像できるのですが・・。これはまあ、自分が趣味でやってる同人なので、アドバイスは心に留めつつ、自分が描きたい範囲でやろうと思います。
そうそう、当日はヤフググ1の本に加えて、4コマを載せたペーパーも持って行ってたんですが、見せるのを忘れてて。。後で気づいて後悔しました。そっちはもうちょっと表情にも変化があるし、キャラを表現する行動エピソード的なものも入ってたので、また印象が違ったのかもなーと。でもテンパってて忘れてしまったんすね・・(´・ω・`) まーそれもしょうがない。
それから、もっとキャラを動かして、出来事、事件、ハプニングを起こすことによって生きたエピソードを作って、人物やストーリーを表現するという点。正直、ほとんど意識して考えたことがなかった。よく覚えておきます。確かに、読み手を退屈させないためにはこれ必須なんだろうな。
合わせてご指摘を受けた、1本のストーリーにするには盛り上がりやエピソードが足りない、という件。今回見てもらったヤフググ1の改訂版が、作った経緯的に短いキャラ紹介以上のものになかなかしづらい(改定前は勢いで作った突発本、その後の本でいろいろ話を付け加えていったので、ヤフググ1の部分だけ切り取るとそうなっちゃう)という事情があって、でも、そのことを指摘されるまで自分でも明示的に意識できていませんでした。もし改訂版を作り始める前にそのことに気づけていたら、もう少し違う構成にできたかもしれません。
そんな感じで、ヤフググ1改訂版もまだまだ技術に改善の余地があることが分かりましたが・・ とは言っても、(前々から自分で言ってましたがw)仮にベストなものではなかったとしても、少しでもベターであれば、意義はゼロではないかなと。実際、そのまま改定前の本を刷り続けるよりはそれなりに良かったと思っていますので、そのことについて後悔はないです。何か劇的な成長の機会があればさらに改訂版を作る?こともあるかもしれませんが・・今のところその予定はないですな・・それよりはやっぱり新しい本を作りたい。
でもなー、1作目が面白くなかったら次は絶対に読んでもらえない、っていうものよく分かるんだよな(´Д⊂ヽ 面白くないものを頒布してたら、それは未来の読者さんを自分で減らしてる・・という言い方もできるので(´・ω・`) 難しいです。分かるんだけどね。
せっかく自分みたいな素人にお時間を割いてくださったので、また機会があれば、できれば今回本を見ていただいたCOMICリュウさんとKissさんにはその後改善点を取り入れてもう少し進歩した本を見せられたらいいなあ・・と思います。でも、もしそうするとしたら、ヤフググではなくてゼロからの完全オリジナルのほうがいいんだろうなあ・・とも思ったり。でも、今のところはちょっとむりかなー(・´з`・)
以上ッス!ここまで長い文章を読んでくださってありがとうございました。「出張編集部」利用を考えている方にはなにがしかご参考になれば幸いです。
また、ヤフググ1改を読んだ方で、「この点は自分もそう思う」「そう思わない」などのご感想がありましたら、それも含めて勉強させていただきたいと思いますので、よかったら思うところを伝えて頂ければ嬉しいです。