5.大使室から

(3)大使短信

 (ソ)広島オマーン友好協会訪問

 平成21年度中近東・アフリカ大使会議出席のため、昨年12月半ばに一時帰朝した際、地方との連携プログラムの一環で広島市を訪問し、広島オマーン友好協会の会員の皆さんにお目にかかる機会がありました。

 訪問の当日は、夕刻から安東公民館で会員の方々を前に「日本とオマーンを結ぶもの−中東で日本に一番近い国−」と題してお話しました。講演では、17世紀に遡ることが出来る両国の結びつき、日・オマーン関係の現状、オマーンの持つ魅力などについてパワーポイントを活用しながら約45分間にわたりご説明しました。夜には、30名ほどの会員の皆さんと懇親会の機会を持ちましたが、そこには目下オマーンに留学中の佐衛田祐弥(さえだ・ゆうや)君と中学3年生の迫田帆夏(さこだ・ほのか)さんのご両親の顔もありました。
 

  

 今回お伺いして、皆さんオマーンに対する高い関心を有しておられることが良く分かりました。東安公民館はあたかもオマーン展示館の様相を呈していましたが、そこではオマーン料理教室も開かれているそうで、講師の方も私の講演には参加されていました。福島和宏会長や竹中奉之事務局長を始め、会員の中にはオマーンを既に3〜4回訪問した方も少なくありません。カブース国王の即位40周年に当たる今年は、オマーン訪問団を結成して祝賀に駆けつける予定とのことでした。会員の皆さんのオマーン熱が本物だと思ったのは、2002年の釜山アジア競技大会でオマーンが戦うサッカーの試合に、韓国ではオマーン選手への応援者もそんなにいないだろうと、有志がシャモジをもって釜山まで応援に駆けつけたと伺った逸話からも窺えました。このシャモジを叩きながら声援を送り、相手を「メシとる」というのが地元の方々の応援の仕方だそうです。

 広島訪問の機会には、オマーンでも人気のあるマツダ自動車の本社を訪れて山本孝社長にお目にかかりました。また、原材料に使用するオマーン産デーツ(ナツメヤシの実)とも縁のあるオタフク・ソース本社を訪問して、ソース製造工程を見学すると共に広島名物のお好み焼きをご馳走になりました。
 


 正味一日の短い滞在でしたが、在京オマーン大使が広島オマーン友好協会のことを「オマーンの縁のある組織の中で、日本でもっとも活発に活動している」と述べているのを肌で感じることの出来る旅でした。