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第一印象は"武道家"というところだろうか。それはそれは厳いかつくて、胸板や二の腕、背中なんぞの肉置ししおきは、よくよく鍛えてがっちりと張った、いかにも頼もしき肢体をしている青年で。だが、その道のフェチがやるような、無駄にむくむくと貼りつけられた塊りではなく、機能的な撓やかさの中に柔軟な瞬発力を秘めていながらの、強壮頑健。いつもスタイリッシュで洒落者な聖封様に言わせれば、
『雄々しいとか精悍とかいう、
いかにも男臭い…汗臭くて むさ苦しい形容詞がぴったりな野暮な男』
というところかと。見かけがそんな風に野暮ったいその上に、妙に律義というか、実はどこかしら堅いというか。ぐうたらな いい加減男だと見せといて、その実、本質的には義理堅いというか潔癖なところもある男なものだから。今時の お肌すべすべで小ぎれいで、お軽く遊べる男の子に慣れたご婦人方には、もしかすると…古風が過ぎて"持ち重り"がして、その重厚さが ちょいと敬遠されるタイプなのかもしれないが、
「………でさ。
さも自分の方が優勢だって思い込んで、
勝ち誇ったみたいに にへにへ笑ってたんだけど、
そこでギラッて光ったものがあったんだ。
えっ?って、何?って思う間もなく、
こう、斜め下から"しゃりんっ"て、頭の上まで高々と跳ね上がって。
まるで一瞬の間に通り過ぎた銀色の風みたいで。」
「うんうん♪」
居間のローテーブルの上には、デリバリーのピザと中華のパッケージが2つずつ。両方とも蓋が開いており、中身はあらかた片付けられていて。その周りには、取り皿に使ったらしき中皿やフォーク、背中の真ん中から大きく開く"パーティー開け"されたポップコーンやポテトチップスの袋が適当に取っ散らかっている。点けっ放しのテレビでは、ひな壇に並んだタレントたちが私語の延長のような"トーク"とやらの応酬を繰り広げているが、居間に居合わせた二人の関心はそこへは全く寄せられてはおらず、
「"選りにも選って、この俺の守備範囲に出て来ようとはな。お前、つくづく運が悪かったぜ"って、言い聞かせてさ。」
日頃は愛嬌のある大きな瞳の据わった目許を、今は わざときゅうっと眇めて見せて、低い声を絞り出しつつ、誰かさんの物まねをするルフィであり、
「そいで? そいで、ゾロはどしたんだ?」
こちらは…愛らしい蹄の先で支えていたオレンジジュースの缶をワクワクと抱き締めて、まるで三頭身にデフォルメされた可愛らしい縫いぐるみのような、トナカイ魔獣のチョッパーが先を促す。天聖界きっての精霊刀の使い手で、邪悪で凶暴な負の陰体たちを鮮やかに封滅してしまう破邪精霊ゾロの活劇話。しかも間近で実際に見ていたルフィの口から、ダイナミックな身振り手振りを交えて語られる代物なだけに、作り物の笑い声で盛り上げてるよな中途半端なバラエティ番組なんかの何倍もワクワクする。先日、ルフィに襲い掛かろうとした、ガタイばかりがデカぶつだった低級邪妖をゾロがいかにして倒したかを、小一時間かけて披露していたルフィであり、
「勿論っ! 最初はそれで追い払うために見せびらかしただけだった精霊刀を、こうやって正眼に構えると………っ!」
刀の代わりの孫の手を…何でこんなもんがあったのかというと、ソファーに座ったままでリモコンだの何だのを手元へ引き寄せるズボラのためだそうだが(笑) …腹の辺りでぎゅうと握って、切っ先に当たる先っぽを目の高さ。そのまま、肘から高々と両腕を振り上げて、
「どりゃあぁぁ……ぁぁ…、あ?」
今まさに振り下ろそうとした時だった。
――― どごんずがん、ずががが、ばきばきどすん…っ☆
一緒に地響きがしたんじゃなかろうかというほどの大音響が庭でして、
「ひえぇぇえぇぇっっ!」
一瞬前までは痛快さへの期待に満ちた"ドキドキ・ワクワク"としていたものが、実に素早く"怯え"に切り替わったらしく。そのついでに、素早く…向かい合ってたルフィ坊やの背後へと飛び込んでいるチョッパーで。
「…な、何だ?」
こちらさんは…まだ状況がよく分かっていないというか、チョッパーが背中に張り付いたまま、音がした方向をやっとこさ察知して、
「庭…の方からだったよな。」
「やっ、やめとけっ、ルフィっっ!」
そっちを向いただけでなく、とことこと無造作に…庭に向いた窓の方へと歩みを運ぶルフィだったものだから、チョッパーが慌てたのなんの。
「邪妖だったらどーすんだっ!」
ゾロは居ないんだぞっ、まだ天聖界なんだぞっ! わたわたと泡を食ったように言いつのる彼だったが、
「でもさ。邪妖だったら、チョッパーにはそれが判るんだろ?」
「………ほえ?」
だからこそ、ゾロが居ない時のお留守番という"お役目"を担っている彼ではなかったか? 主人である聖封一族の御曹司様から賜った結界の力を発揮して、ルフィに良からぬ存在が寄り付かないようにと見張っている彼であり。もしももしも万が一、結界なんぞ 物ともしないような"大物"が襲い掛かって来たとして。倒すまでの力はなくとも、その緊急の連絡を天聖界へいち早く飛ばせる能力を持っている彼で。
「何にも感じないんだろ? 早くサンジに知らせなきゃっていうほどの気配。」
「あ………。」
慌てふためいて我を忘れたとしたっても、自分のお役目だけは忘れない。鼻が利き、感応力の強いチョッパーだからこそと与えられたお仕事。
「そだ…。邪妖の気配は全然しないよ?」
言われてあらためて気がついたという顔をするチョッパーは、だが、
「でもでもっ。じゃあ人間の悪い奴かも知んないぞっ!」
人間の悪い奴の方が性分たち悪いぞっ! 食わなきゃ自分が死んじゃうからっていうよな切羽詰まった事情でもないのに、同じ仲間の人間を殺したりすんだぞ…と。なかなか耳の痛いお言葉を下さる彼へ、
「ちょっと覗くだけだから。」
大丈夫だようと、それこそ根拠のない言いようで、肩越しに使い魔くんを宥めながら窓へと近づくルフィであり。怖いようドキドキ…と怯えながらも、そこは怖いもの見たさ。こっちから少ししか見えないのなら 向こうからもちょこっとしか見えないだろうと思ってしまうのか、ルフィの小さな肩の端っこから、目許だけをちょろりと出して…チョッパーもお庭の方を眺めやったのだが…。
「…なんだ、ゾロじゃん。」
「ほえ。」
どういう帰って来方をするかねと、二人して呆れて見やった先。どこから どういう角度で突っ込んだのやら、カーテンを引いてなかった居間からこぼれていた明りに仄かに照らされた芝生を、ざっくりと抉っての不時着をしたらしき大柄な精霊さんは。立ち上がりながら ぱたぱたと、普段着のセーターやGパンといった服にかぶった土やら枯れた草やらを手で払い、ふうと肩を落として溜息一つ。こっちからの視線に気づくと、さすがに決まり悪そうにがりがりと後ろ頭を掻いて見せ、それでもすたすたと、大窓の下から縁側みたいに張り出したウッドデッキの方へと歩みを運んで来る。
「お帰り、ゾロ。」
「おお、ただいま。」
何の警戒心もないまま…屈託なくも無防備に、大きなサッシをからりと開いたルフィだったが、
「…っ、うわっ。ゾロ、酒臭いっ!」
外からふわりと吹き込んだ冷たい夜気と共に、何と言おうか…香水の代わりにウィスキーを振ってみましたというノリの、結構強烈なアルコール臭がしたものだから、
「凄い匂うぞ。」
これは堪らんと両手を上げると、小さな鼻を自分でつぶす勢いで、手の甲を小鼻に押しつけ、眉をぎゅうっと顰しかめて見せる。
「シャンクスやエースだって、こうまで匂うほどは呑まないってくらい。」
日頃は不在なルフィの家族。父上のシャンクスは船乗りで、只今カナダへ留学中の兄貴・エースは武道家で。豪快なお仲間やお友達、太っ腹な師匠などにも沢山の縁があるせいで、彼らも結構"大酒呑み"ではあるのだけれど。それでもこんなに匂ったの、嗅いだことないぞとルフィが顔をしかめて見せた。………とはいえ、
「そか?」
ゾロ本人はケロリとしたもの。服についた汚れを払ったりする態度や表情などには特に変わりもない。ちゃんと真っ直ぐ立ってるし、縁側の先で靴を脱いで上がって来て、
「ああ、済まなかった。晩飯の支度、してかなかったな。」
居間のテーブルを見て、ルフィがどういう晩ご飯を済ませたかを察したほどに、頭もちゃんと回っているらしいから、
「匂いは凄いけど…。」
そんなに酔っ払ってはいないみたいだねと。ルフィとチョッパーは顔を見合わせた。
「そういや、ゾロって凄くお酒に強いってサンジが言ってた。」
「うん。ビールとか、1ケース空けてもケロッてしてるし。」
きっと天聖界で目一杯呑んで来たんだ、うんうん、でも酔っ払ってまではいないんだ…と頷き合って、ほうっと安堵の吐息をつく。何たって"酔っ払い"ほど、子供が対応に困る大人はないからねぇ。大きいくせに手を焼かせるし、情けない事この上もないし。分かっとるかね、そこのチミ。(笑)
「それじゃあ、チョッパー。」
「あ、うん。オレもう帰るから。」
本来の保護者が戻って来たなら、お留守番役のチョッパーのお役目もここまで。にぱっと笑って、丸ぁるい角の中ほどに嵌められた銀のリングにちょちょいと蹄で触れると、小さなトナカイさんの姿はあっと言う間にテニスボールくらいの光の玉へと早変わり。
《 じゃあな、ルフィ、ゾロ。》
舌っ足らずなお声がお暇(いとま)のご挨拶をしたのへ、
「ああ。おやすみ、チョッパーvv」
「いつも悪いな。サンジによろしくな。」
ルフィとゾロからのご挨拶を受けて、その場の空中で"くりんくりん"と小気味よく回って見せてから、小さな光玉は しゅぽんっと空気の中へ掻き消えた。
「さて。此処は俺が片付けとくから。…風呂、入ったのか?」
「あ、まだだ。」
チョッパーとのお喋りが楽しくてつい。あやや…とお口に手をやるルフィに、しょうがないなぁと小さく苦笑って、さっさと入っておいでと促す保護者殿。晩秋の夜は特に変わったところもないまま、静かに更けてゆく気配…なのであった。
◇
とはいえど。こんだけの前振りをしておいて…そんな簡単には終わっていては世話はなく。おいおい お風呂上がりの濡れた髪を、ごしごしと大きな手で拭ってもらってから、やっぱり酒臭いぞ、そうかそんなに気になるならとっとと寝てしまえ…などという応酬の後、言われるまでもなく、10時台にはもう"ベッド発 夢の国行き"の旅路に出ていたルフィであって。
「………。」
健やかな寝息。それを幾つ数えたか。ほろ酔いのいい気分に、愛らしき坊やの幸せそうな寝顔。肩越しに見やった窓の外には真珠色の満月…にはちょこっと足りないが、それでも大きな月が出ていて、小さな庭を煌々と照らしている。
『なあゾロ、ゾロの誕生日っていつなんだ?』
『…よ〜し、そんじゃあ、俺が決めてやるぞ。』
無邪気で元気で、ちっともじっとしていない。体だけじゃあない。心だって闊達で、思いもよらないこと、いきなり言い出してはいつもゾロをビックリさせてくれる。一緒に旅行に行こうとせがんだり、お誕生日を考えてくれたり。
『ゾロのこと、大好きだっ。』
ちょっぴり含羞はにかみながら、でも、きっぱりと。ちゃんと言ってくれる愛しい子。いつの間にやら、この子がいてこその世界であり自分なのだと、この破邪殿がそんな風にさえ思うようになっていた、そんな大切な存在。
「…ん。」
腰高窓の少しばかり幅広な桟に腰掛けて、まろやかな寝顔を飽かず眺めていたゾロだったが、ふと。
"………。"
同じ空間のどこかに違和感を感じて、視線はそのままに、意識をすうっと広げて周囲の気配を丹念にまさぐる。ここよりも高い次元世界の住人である彼には、直接身を置いているこの室内以上の広さを"同じ空間"として把握出来、壁の向こうの、もしくは足元下の、天井の上の空間までの、広々とした範囲の気配を隈無く探っていたのだが、
「…出て来いよ。」
ぼそりと。そちらを向きもせずに声だけを放つ。冴えた意識がきっちりと捕らえている負の気配。目映い月夜の陰体は、月から力を与えられ、ちょっとだけ力が増すらしく。くうくうと眠る坊やの持つ…不思議な素養に惹かれてしまった邪妖が、ついつい。気が大きくなってか、ちょっかいを出しにと寄って来る。神話の中で伝説になりかかっていた、それはそれは強大な邪妖。そやつが太古の昔にかけた呪いが、幾星層もの歳月かけて練り上げた…莫大な負の陰体を収容出来る"筺体"であるという運命さだめを背負っていたルフィ。だがだが、そんな馬鹿げた段取りは二人掛かりで叩き潰した。そして、その呪いの残滓に寄って来る身の程知らずを、片っ端から狩り取るのが…ゾロが自らに強いた、何よりも最優先される唯一の"お役目"だ。
「とぼけたって無駄なんだよ。」
ゆらりと。座していた窓辺から音もなく立ち上がり、自分の額近くの中空にかざした大きな手へと召喚したのは一振りの精霊刀。提げ緒の組み紐を巻きつけた、白鞘の鯉口間際に片手を添えて。もう片方の手は、綾糸をぎっちりと巻きつけた把の根元をぎゅうと掴んで。
「今夜の俺には、悪いが歯止めが効きそうにない。」
ちきっと、鯉口が切られて。薄闇の中にじりじりと浮かび上がるのは、蒼々と濡れた白銀の刃。それ自体が発光しているかのような、目に見えないエナジーを秘めた精霊刀がその全容を現せば、
《 ぐるるるる…。》
闇の片隅、何者かの唸り声が低く響いて、この声なき威圧へ無理から応えた。その反応へとにんまり笑ったゾロであり………。
「…だから、何でこんな狭い部屋で格闘になるかな。」
ざっくりと見事に両断された…ハンガーに掛けていた制服を手に、ルフィがやれやれと呆れて見せる。日頃なら、間近だけれど別空間へと移動しての格闘に運ぶもの。やっぱり酔っ払ってたゾロであるのか、この子供部屋でいきなりの立ち会いにと運んだゾロであり。結果、獣系の邪妖を見事に仕留めたは良かったが、ルフィが寝ていたベッド以外は…問答無用で"単なる背景"扱いされていて、ザクザクがつがつと、それは見事に刻まれてしまっていたのである。
「…悪い。」
まま、さほどに高価なものやら壊すと危ないものは置いてなかったし、テレビやMDコンポは、ベッド脇にあったせいでか かろうじて無事。しょぼんと大きな肩を落とす破邪様は、やっとお酒が抜けたらしく。自分がやらかしたご乱行へ、穴があったら入りたそうな様子でただただ項垂れていらっしゃる。いつも尊大で自信満々な彼だから、この様子は…それとはあまりにも落差が大きくて、
「もう良いよ。」
ルフィも思わず吹き出したほど。
「俺を守ろうとしてくれた結果なんだしな。」
大きな背中をポンポンと叩いてやって、
「制服がこれなのはちょっと困るけど、去年着てたのがあるからさ。明日の学校帰りに、菱屋に寄って吊るしを買えば良いんだし。」
吊るしとはまた、古い言い方をご存知な坊っちゃんで。余計なお世話の解説をするなら、注文した仕立てものではない"出来合い"のレディメイドという意味です。パジャマ姿の王子様、寛大なところを見せてやり、そのまま壁の時計を見上げて、
「………あ、日付が変わったぞ。ゾロ、お誕生日おめでとう♪」
「ああ、そうだったな。」
「何だよ、気のない言い方だな。」
「いや、何か実感が湧かなくてだな。」
「ちぇ、これだから"初心者"は困るぜ。」
むむうと頬を膨らませたルフィが、いかにもな"大人の憤慨"を真似してだろう、両脇の腰に拳をあてがって、
「明日、いや…もう今日か。
"スカイピア"の晩のコース料理を予約してあるからな。」
「………おや。」
あらら。その"スカイピア"って、もしかして。
「アイサに電話したら、
パガヤさんとガンフォールさんが腕を振るってくれるって。
特別にコニスさんがケーキも焼いてあげるって。」
むむんと胸を張って見せ、
「言っとくけどな、お小遣いから予約したんじゃないぞ?
"スカイピア"のチラシを駅前で配るっていうバイトをしたんだ。」
「おやおや。」
ルフィの通う中学校では、確かアルバイトは禁じられてなかったか…とか、そんなくらいでディナーのお代に足りるほどのお給料は出ないぞとか。思うところは多々あったが、せっかくの奮闘、もしかして初めてのアルバイトをしてまでの"プレゼント"だ。苦笑混じりに…ぽふぽふと。坊やの髪を大きな手のひらで撫でてやり、
「それは ありがたいな。」
「おう。/////」
大したもんじゃねぇけどよ。真っ赤になって"にこぱvv"と笑う。
"だってサ…。"
そろりと見上げた男臭い面差しは、やっぱり惚れ惚れするほどに頼もしくって。
"大好きなゾロの誕生日だもんな。"
そぉっと心の中で、呟く。本人には豪華な晩餐の時に直に言ってやる予定。覚悟しとけよと、まるで悪巧みでも暖めているかのような言いようをして、ふふんと笑う坊やであって。
「制服買いに寄り道してから行くことになるな。」
「…そだな。」
ちょこっと…墨が付いてしまったお誕生日。だがまあ、お陰様で忘れ難い日にもなった訳で。思わぬ失点に複雑そうなお顔になってる破邪様の、こちらはパジャマではないお洋服にしがみついて、
「あのな………。」
屈んでもらったその上で、ぼしぼしぼし…と坊やが何やら耳打ちをする。
「………え?」
「いいじゃんか。/////」
ちょっぴり赤くなった坊やが何をおねだりしたのか、見ていたのは…お月様だけ。
"…おうおう、やっぱり酔っ払ってのご乱行を しでかしとるのか。"
こらこら、誰が飲ませての結果なんだい。心配になってか様子を見に来た誰かさんの気配にさえ気づかぬままに、ベッドへ戻った小さな坊やへ"おやすみなさいのキス"をしていただなんてこと…人に知られりゃ気まずかろうて。
"さぁて。どうしたもんかね。"
愛しい女神様に報告したものかどうか。くすくすと小さく苦笑(わら)いながら、決めかねている聖封様の金の髪を照らして。やっぱりこちらは静かに静かに…真珠色に微笑いながら、お月様が見下ろしていた。
〜Fine〜 03.11.20.〜11.25.
*そういや、このゾロさんには"お誕生日"って無かったんだよなと。
だのに、このお部屋へのお話って書けるもんだろかと、
そうと思った瞬間に、こうすれば良いというアイデアが浮かびましたの。
風邪に取っ捕まってしまったもんで、
ちょいと時間が掛かってしまいましたが、
何とか11月中には間に合ったのでホッとしてます。
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