月下星群 
〜孤高の昴・異聞

  天上の海・掌中の星 〜春宵遅日
 

 
          




 滅多に地上から離れない彼ではあるが、定時報告やら召喚への応じやらという形で、たまに天聖界にいることもある。そもそもはこちらの住民。まして、先のあのとんでもない騒動の折に、彼の中に目覚めたらしき"神格クラス"の素養から言っても、この天聖界にて何かしらの事象を司
(つかさど)る役についてもおかしくはないほどの存在である。だが、それを持ち出すならば、彼にそうまでの能力を発揮させた愛しき対象が"地上の人間"である以上、誰がどんな厳命をもって横槍を入れようと、鼻先で"けっ"と笑われて見下されるのがオチだろうというのもまた、その辺りの真相を直に知っていらっしゃる方々の共通の見解なのだそうだが。

  「………で?
   そんな畏れ多き"浄天仙聖"様の生まれ変わりという御方が、
   たかだか聖封一族の跡取りに一体どういう御用なのかな?」

 破邪を統率する若き天使長、ナミさんのところへ出向くところだったものを、最愛の母上から引き留められ、ちゃんとお話を伺いなさいとクギを刺されて引き会わされた野暮ったい男を相手に、金髪碧眼、長身痩躯の、麗しき聖封の御曹司、サンジが…口許をややひん曲げてお聞きする。
「そんなに明らさまに不機嫌そうな顔をするこたねぇだろが。」
「悪いかよ。俺はな、仕事以外でむさ苦しい野郎と顔を突き合わせにゃならん状況ってのが一番嫌いなんだ。」
 ぱちんと指先を弾いて紙巻き煙草を1本、宙から取り出し、これは彼なりのポリシーなのかファッションなのか、いつものようにマッチで火を点ける。
「今日だって、これからナミさんの話相手にと馳せ参じるところだったってのによ。」
 それでのお粧
めかしなのか、きちんと着付けたダークスーツには埃やしわ一つなく。仄かに漂う香りは、爽やか森林の朝を思わせる、なかなか趣味のいいフレグランス…だってのに。不満いっぱい、不愉快ですと紫煙をすぱすぱ吐き出す彼へ、
「そのナミから薦められて此処へ来たんだがな。」
 男臭い鋭角的な顔立ちだから、凄んだりするとなかなか迫力のあるこちらさんまでもが、目許を眇めもって少々不愉快そうに言い返した緑頭の破邪さんは、その通称をゾロという。真
まことの名前は"ロロノア=ゾロ"だが、それを唱えることが出来るのは、地上世界でただ一人、それはそれはお元気で愛らしい、ルフィという少年だけ。彼の幸いのためであるのなら、自分のその存在もその命も、いやいや、この世界の終焉まで懸けたって良いと思うほど(おいおい、勝手な)、この破邪にとっては今や何にも代え難いくらいに大切な少年で。
"ルフィがらみでなきゃあ、何で俺がこんな奴に…。"
 サンジの側が思い切り不満なのに負けないくらい、実を言えばゾロの側だとて、この男に頼みごとをせねばならない事の運びに、不満で不愉快でしようがないのである。胸の裡
うちにて歯噛みをしつつ、だがだが、

  『あれ、それならサンジくんに頼めばいいじゃない。
   それが一番分かりやすいのだし、
   あの坊やだってとってもとっても喜んでくれると思うんだけれど。』

 認めるのも腹立たしいことながら、にぃ〜っこりと笑ってそんな助言をくれた彼女の言う通りであると、一応は聡明な判断力が働いた。それで渋々ながら、こうやって目一杯"不本意だ"という顔のまま、端正な聖封さんへと"頼みごと"をお願いしに伺った訳であるのだが、
「ナミさんの薦め? …なら、仕方ねぇか。」
 フェミニストだかヘモグロビンだか知らないが、ゾロから見れば救いようがないほどに色ボケしているどうしようもない奴で。
おいおい だがまあ、性根まで引き歪んだ男ではなし、彼もまたルフィのことは可愛がってくれてるようだし。彼が一番に敬っているところの麗しき天使長の名前を出せば、まま何とか説き伏せること自体はそう難しくもなかろうと、頭の中では…理性理解というレベルでは何とか納得出来てもいたのだが、
「何なんだ? 拝聴しようじゃねぇか。んん?」
 ゆったりとしたソファーにそれぞれが座っての面談で。片やは横へと張っていた肘を片方、ソファーの背もたれに引っ掛けるような小粋な姿勢にて、紫煙を細く吹き出しながらという悠然とした居住まい。それに対する来客もまた、頼みごとを抱えて来たにしては…頼もしい胸の高みにその逞しい腕を組んだ、何とも雄々しい格好でいて。


  「実は頼みたいことがあってな。」
  「ほほぉ。」
  「お前にしか出来ない…ってことでもないんだが。
   ナミは"お前が一番適任だろう"って言いやがるんでな。」
  「…ふ〜ん。」
  「だってのに他をあたるのは、
   却って後からお前を不快にさせるだけだぞなんて言われちゃあ、
   従うしかないってのか、その…。」
  「つまり。お前は俺に何か頼みたいんだな?」
  「ああ。」
  「それもナミさんからのアドバイスで。」
  「そうだ。」


  「だったらもちっと しおらしくせんかいっ!
   それとっ、相談に乗って下さった時くらいはナミさんへ敬語を使わんかっ!」

  「…っ!
   勝手にあの女が口出して来たんだよっ! 相談なんざした覚えはねぇっ!」


 あ〜あ〜あ〜あ〜、やっぱりなぁ。
(苦笑) 鋭い眼光を飛ばし合い、猛禽類の睨めっこよろしく、まずはゆっくりとした動作でほぼ同時にソファーから立ち上がった、血気盛んな若い衆二人。
「お、奥様っ、いかが致しましょうか。」
「そうね、困ったことだわ。」
 何しろ…現在の天聖世界で、一、二を争うほどの実力と腕っ節を誇り合う、若き双璧の睨み合い。応接の間の大扉の陰から、いつお茶をお持ちしたら良いものかと様子を伺っていた若奥様とメイドさんは、この展開に"困ったことだわね"と顔を見合わせている。
「せっかく淹れたお茶が冷めてしまうわね。」
「………奥様?」
 さすがは…聖封一族ナンバーワンの能力を請われたレイディだけのことはあって、着眼点も半端な外し方はなさらない。
おいおい 細い肩にさらりとかかった白銀の長い髪をかすかに震わせて、小さく"はふう"と溜息をつかれたその拍子、
「今日という今日は…っ!」
「んだと、この野郎がっ!」
 背景に"ゴゴゴゴゴ…ッ"とゴシック体の効果音が沸き上がって来そうな勢いで、応接室内にての"二大怪獣・超決戦 in 天巌宮"の火ぶたが、華々しくも切って落とされたらしかった。
こらこら






            ◇



 事の始めは先月のとあるイベント。2月の半ばに日本限定にて催された、恋人たちのとある記念日に逆上る。

 『…俺、ゾロんこと、誰にも負けないくらい大好きだからな。
  他の誰かへの"大好き"より大っきいし、
  誰かからゾロへの"大好き"より大っきい、
  一番大っきなチョコにだって負けないくらいの、大大大好きだかんな?』

 誰にも負けない"大好き"をゾロにだけ囁いてくれた愛しい坊やに、何かお返しをせねばなと柄にないことを思った破邪様だったのは、テレビや何やが"ホワイトデイ"への話題を囁き始めたからだった………と、本人は思っているらしかったが、

  『そういう順番だったなら、
   もっと切羽詰まった、考えてはいるんだよって顔でいると思うのよね。』

 そうと朗らかに言ってのけたのは、オレンジの髪をした美しき天使長様で、
『隠しごとが出来ない奴ですもの。他でもない、そんな不慣れなことを考えていたのなら、もっと分かりやすく、困ったなぁって顔になってたはずよ。』
『ってことは?』
『すぐにも"お返しイベント"が待ってるってこと、すっかり忘れてたみたい。ホワイトデイが近いけど、バレンタインデイにルフィから何かもらった?って訊いたら、そこで初めてギョッとして見せたからね。』
 たいそう可笑しそうに笑ってから、だったらサンジくんに頼みなさいと言ってやったって訳よ、そう続けた彼女であり、
『あたしだけで楽しいのも何だしね。』
 そういう言い方をしたものの、その実、あの二人の…ほのぼの優しい、それでいて何にも揺るがせには出来ない、強い絆のような愛情を、他でもない彼女自身が祝福してやりたいのだろうなと。そんな風なやわらかな想いが、お話を伺っていたサンジへもそれは易々と伝わった。適当にからかうのではなく、一番の贈り物を的確に進言してやった辺りがそれを物語っていて、
『…けど。』
『なぁ〜に?』
『あいつ、坊やから一体何をもらったんでしょうね?』
 他の人々からの所謂"義理チョコ"とかいう、山盛りのチョコレートは一緒に見たが、他にもあったとは思えない。そんな温かな想いを染ませた物品、ああまで間近い"同空間"にいたサンジの感応力で拾えない筈はないのだが。怪訝そうに小首を傾げる美丈夫の言に、
『あらあら、サンジくんらしくもない。』
 ナミは"この人もまた可愛らしい野暮天さんだこと"と小さな小さな含み笑いを見せたのであった。




  ………………………で。


「………わあぁっ!」
 春休みにあるという隣町の学校との柔道の対抗戦への練習から戻って来た小さなルフィが、その大きな瞳を真ん丸に見開いたままにて、廊下からダイニングへと入る刳り貫きのところで立ち尽くす。玄関まで芳
かんばしくも漂うは、様々な御馳走がそれぞれに誇らしげにまとった魅惑の薫香。真白きまでに誠実な愛を返す日の晩餐は、天聖界が誇る天才シェフがお送りする素晴らしきキュイジーヌの数々…と行きたかったところなのだが、
「ちょーっと和風テイストが強くなって済まなかったな。」
 ぴっかぴかのシステムキッチンの前から振り返って来た金髪も麗しき…エプロン姿のシェフ殿が、そんな風に謙遜の弁を述べ、
「あいつにも手伝わせたかったんで、素人でも手を出せそうなメニューにしたら、こういうのに落ち着いてな。」
 完成した御馳走が八割方ほども乗っかったダイニングのテーブルを挟んだキッチンとは、丁度反対側のリビングのソファーにて。少々ぶすけた膨れっ面で座っている、トレーナーにGパンという…いかにも"年相応の格好"をした姿の破邪さんを、サンジは細目の顎の先で示して見せる。ちなみに、その"今夜のすぺさるメニュー"をちょいと浚ってみるならば。鷄もも肉のそぎ切りでくるりと巻いた2、3本のアスパラガスを、軽く片栗粉をまぶして揚げて、照り焼き風味のタレで煮からめた"鷄の八幡巻き風・春Ver."と、からりと揚げたキスのテンプラ、早堀り筍の若竹煮。えびの殼つきチリソース煮に、大ホタテとどんこ椎茸の白湯スープ。本シメジが一杯の山菜ごはんはもうすぐ炊き上がるところで、カニの身を湯がいた白菜の葉で巻いて湯葉でくくって上品なあんをかけた椀ものに、これも和風なメインは、ゴマ醤油風味の石焼きヒレステーキ、温野菜添え。デザートはお手製プリンとフルーツ満載のア・ラ・モード…と、来たもんで。
「凄げぇ〜っvv」
 いつものことながら、どうしてまたこれだけの、手間暇も細かい、量も半端ではない料理を、全てきちんと食べ頃の仕上がりにて同時にセッティング出来るのか。ルフィとしては…この素晴らしいまでの"手品"に、思い切り嬉しそうなお顔と声とで感激の反応をするしかないという状態。だが、
「…でも。何だって今日はこんな御馳走なんだ?」
 はたと我に返ったところは、ちょっとは大人になった彼なのかも?
「こないだご飯作ってくれたのは、久し振りに来たからだったんだろ?」
 その後は、ただ遊びに来たのとかだったから、デザートは作ってくれたこともあったけど、こういうお食事はちょうど一カ月ぶりだもんな。そんな風に思い出し、何だったっけと小さな肩の上、しきりと小首を傾げて見せる坊やだったが、
「さてな。」
 サンジはにんまり笑うと何だか惚けた返事をし、
「もうすぐ出来上がるから、良かったらあいつの相手をしてやっててくんないか。」
「おう。」
 威勢のいいお返事をしたルフィを、わざわざ手招きで呼び、何やらこしょこしょ。
「???」
 帰ってくるなり、サンジとばかりお元気な応酬をし、その上に思わせ振りな内緒話までしている坊やに、図体のデカい緑頭の破邪さんは"むむう"とますます不機嫌そうな顔をして隠そうともしない大人げのなさよ。
(笑) そこへ、
「ぞ〜ろっvv」
 今日は昼から、それも部活だけだったので、小ぶりのスポーツバッグだけを肩から下げるようにして抱えて出掛けたそのまんま、ぱたぱたぱたっとソファーまでやって来る坊やであり、
「手ぇ、洗って来たか?」
「おうっ、洗ってから飛んで来たぞ。」
 くふふ…とそれは嬉しそうなお顔なのへ、
「………。」
 そうかいそうかい、御馳走がそんなに嬉しいのかいと、自分が頼んでお膳立てしたくせに、翡翠眼の破邪殿、喜んでいる坊やの様子がちょこっとばかり面白くないらしい。ナミが進言してくれたように、この坊やが一番喜びそうな贈り物はといえば、確かに"美味しいお料理を腹一杯食べること"に違いないだろう。玩具やゲーム、音楽ソフトに流行のアイテムなどなどにはあんまり不自由してないし、こんなシーズンではスポーツ観戦といってもせいぜいマラソンか
おいおい 始まったばかりのJリーグ。どっちにしたって吹きっさらしに連れてって風邪でも引かせては大変だ。ネズミーランドのような遊園地も嫌いではないらしいが、春休み前の卒業旅行シーズンだから混んでるぞと、これはご本人が言っていたしと来て。残った選択肢はあまりに少なく、しようがないかと…天巌宮ごとぶっ壊すような大喧嘩の末に、出張コックとして出向いて来てくれと相方の聖封さんへ依頼したのが1週間前の話。これで手は打ったと安心していたら、
『お前が誠実な気持ちを返すっていう"プレゼント"だろうがよ』
と、尻を叩かれての慣れぬお手伝いをさんざんやらされて。その揚げ句、
『あ〜あ〜、使えねぇ奴だな、お前はよ。』
 日頃あんなでっかい刀を振り回してる奴が、こんな小さい鷄肉を均一にそぐ芸も出来んのかとか、ホタテを戻した汁はダシに使うんだから捨てるなってのとか。鞭代わりのお玉でぽかぽかと軽々しくも頭をこづき回してくれた料理長さんは、そろそろ帰って来るかという時間になって、
『ここはもう良いよ。あっち行って休んでな。』
 不器用ながらも彼なりの奮戦はしたゾロを、あっさりとリビングへと追い立てたのである。
"これじゃあ、俺は何もしてねぇみたいじゃねぇか。"
 ………子供か、あんたは。
(笑) そんなこんなで"ぶすうっ"と不機嫌そうな顔でいた彼だったのだが、
「ゾロ、手ぇ見せて。」
 洗って来たかと訊かれたお返しか、ルフィがそんなことを言う。
「? なんだ?」
「いーから見せてって。」
 同じソファーのすぐ隣りへぽそんと腰掛けて来た小さな振動。そんなささやかなもので どうかする筈はない、それはご立派な体躯のゾロだのに。ゆさりと揺れたんだよというようなタイミングにて、寄って来た坊やへと上体を傾ける。
「あ、ホントだ。いっぱい切ってるじゃんか。」
 左手の人差し指や中指の背側を切るのは分かる。右手の親指の腹側も、野菜の皮を剥く時に包丁を当てる場所だからうっかり切ることもあろう。だが、坊やの小さな両手へと預けられた大きな手には、
「…何で右手の人差し指とか、薬指や小指まで切ってんだ?」
「うるせぇな。」
「ゾロ、いつも器用に野菜とか切ってんのにさ。急に腕が落ちたんか?」
 そういえば。晩秋のハロウィンのお話の冒頭にて、坊やと二人、夕餉の支度をしていた彼ではなかったか。それも、結構器用に、だったような。
「そういう訳じゃねぇけどな。」
 目許を眇め、忌ま忌ましげに今日のキッチンの主の背中を見やる。普通の調理で良いなら、ゾロもそこそこ器用な方なのだ。だが本日の料理長様は、手をつけたことへは完璧を追及なさる、天聖界の料理人たちの明日を背負って立つマエストロ。………いや、冗談抜きに料理の名門だそうです、彼んチ。
(笑) よって、少々自己流なところの多いゾロの包丁使いにもいちいち修正を加えの、見栄えの良い切り方とはという基本から叩き込みのと、かなり脇道に逸れまくってくれた結果がこの指先。
「絆創膏貼っても効かねぇんだよな。」
「まぁな。」
 ここが少々難儀な話で、彼は普通の"人間"ではないがため、人への薬で治療は出来ない。滅多なことでは大きな怪我もしないし、たとえ負っても治りは早い…とはいえど、良く切れる刃物でこすれば肌にぱっくり傷もつこうし、応急絆創膏も傷口を塞ぐ間に合わせくらいの役にしか立たない。
「ま、大した傷じゃねぇから…。」
 気にすんなと。そうと言いかけたゾロだったが、

  "………え?"

 指先に触れた柔らかな感触。小さな幼
いとけない両手で大事なもののように包み込まれ、その傷ついた指先に………薄く開いた唇があてがわれたから、
「…っ、おいっ。」
「んん。」
 焦るゾロにも構わずに、ぱくんと。ゾロの武骨な指先を、その小さな唇に衒
てらいなく咥えたルフィである。歯列より中へは咥え込まず、ただただ柔らかな唇の感触の中に挟み込まれて………。
「………。/////
 何と言って良いものか。力づくで振り払ってまでして辞めさせるようなことでなし、だがだがあのその………何と言うのか。こんな微妙でくすぐったくて、ちょこっと色っぽい感触を、その身に受けたことがない破邪殿におかれましては、
"あんの野郎が〜〜〜。"
 そうか、さっきの耳打ちはこれを吹き込んだサンジだったのだなと、やっとのことで合点がいった。というのが、
「…あ、ホントだ。傷が消えてるや。」
 しばしの我慢を耐え抜いた、破邪殿の複雑な想いなんぞ気にも留めない無邪気なお声。切り傷だらけだった指先に唇で触れながら、
「治れ治れってお祈りしたら、きれいに治っちまうってサンジが。」
 唆
そそのかして下さったらしい。
「凄げぇ〜〜〜vv」
 その"凄い"は、誰の何に掛かるんだね。
「んん? 決まってるじゃん。俺とゾロの"愛の力"だっ。」
 筆者に向かって"むんっ"と大威張りで胸を張る坊やには、

  「………☆」×2

 ゾロのみならず、からかう側だった筈のサンジまでもが、オーブン前で呆気に取られてしまったから。いやまったく、天然、恐るべし。
(笑)







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