月夜見
 puppy's tail 〜その85
 

 “めりめり くいすますvv”
 

 おねさん おねさん、こんにちはvv
 なんかし、あっと言う間に くいすますでしゅね♪
 おねさんは、何かよてーは あいましゅか?
 ついぃを ピカピカにして、おーしーケーキ食びてvv
 そいからよい子でネンネしたらば、
 サンタさんがね、いーものくれるんだお?
 早ぁ〜やく くいすますになんないかなぁ〜♪



    ◇◇◇


この師走は週末に寒波が訪れる周期になっているようで。
早速にも洗濯物がベニヤ板になりそうな朝がやって来とりまして。
(『
ちゅたさん、しゅごいのvv』参照)
小さなお子様だけじゃなく、
こちらのお宅じゃあ、大人なはずのお母様もまた、
クリスマスは心待ちにしておいで。

 「ほ〜ら、カイくん。ツリーが綺麗だねぇvv」
 「きえいねぇvv」

小さな坊やはちかちかと点滅する豆電球がお好きなようで。
でもね、今年は、
ピカピカな表へお顔が写ってる、
赤や緑のグラスボールも気になるらしく。
大きめのツリーの足元にお尻をぺたんと落っことして座ったそのまま、
ほやぁ〜っとお口を真ん丸に開いての、
じっとじっと動かずにおいで。

 「じっとじっとって、いつからだ?」
 「えっとぉ。
  飾り始めたのが“えいごであそぼ”が終わってからだから。」

そろそろお昼だし、もうかれこれ3時間くらいかなと。
そうと応じたルフィママ。
気の早いことにと言いますか、
お飾り…もとえオーナメントが入ってた箱に
そういうグッズも入ってたのか。
髭メガネのついた赤いお鼻という剽軽な仮装グッズを、
自前の小鼻の上へと装着しておいでであり。
今日は朝一番に
調整トレーニングをしてほしいという急な依頼があって
ジムまで出掛けていたゾロパパさん。
振り返って来た奥方のお茶目へ、
微妙に“うっ”と後ずさりしかかってから、

 「…そういう意外性はともかく、
  ツリーへキュウリを飾るのはよしなさい。」
 「え〜?」

  願いごとの短冊はいいって言ったじゃんか。
  言ったがそれは七夕とのごちゃまぜだろうが。

 「ナスやキュウリを飾るのはお盆の行事だ。」
 「あれ?」

これまた微妙に“お約束”のやり取りを交わしてから、
ぽか〜んとしているように見えなくもない、
ママそっくりな小さな皇子の傍らまで足を運んだお父さん。

 「どしたんだ、カイ。」
 「はや?」

不意なお声が降って来たのへ、
シャボン玉がパチンと割れたような反応、
はやや?と慌てたようにお顔を上げると。

 「あ〜、パパvv」

にゃは〜vvと一気に笑顔になるのが、
まあまあ可愛らしいたらありゃしない。
小さなお手々を延ばして来るのへ、
どーらと軽々抱え上げてやるパパであり。

 「あんねあんね、おー星ちゃまなの。」
 「んん?」

じっと見やってたグラスボールに、
周りの明かりが反射するのが星のように見えてたらしく。
小さな小枝みたいな指伸ばし、
あれあれとグラスボールを指差す所作のいとけなさがまた、
すっぱり切れのあるものじゃあない幼さ込みで
パパには愛おしい以外の何物でもないらしく。

 「そっか、お星様なのか。」

同調してあげる口調へ、

 「〜〜〜〜〜〜。///////」

何故かしら、こそりと口許を手で覆ったお母様だったのは。

 “狡いよな。
  まだ明るいのに、あんなカッコいいお顔しちゃうんだもの。”

もしもし? 奥様?
一体 何時のお顔と比べたんでしょうか?(笑)
ハッピィなクリスマスは もうすぐそこです。
その前の冬至の今日は、
カボチャのコロッケ食べて、ユズのお風呂に入って、
風邪なんか寄せないぞという“暖ったかさん”にして過ごしましょうね?





    〜Fine〜  11.12.22.


  *クリスマスというと、
   チョッパーのお誕生日だったんですよね。
   しまったなぁ、
   時間が許せば、集中出来れば何か書くかもですが、
   今年はこのお話でごめんあそばせ…

めーるふぉーむvv ご感想はこちらvv

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