月夜見 
宋七彩とお散歩 〜月夜に躍る・[
 

 

          



 秋もほど良く深まって。今夜もまた、月の綺麗な晩である。昔から、秋の空や夕映え、月が殊の外に綺麗だと言われているのは、空気が冷え始め、しかも乾燥するためで。そのせいで澄み切った状態になり、秋の空は高く見えるし、波長が長く、屈折度も大きい赤の光を遠くまで届けられるようになるので夕焼けがスペクタクルなのだとか。(夕焼けの方に関しては、沈む時の各度も関係しているんですがね。)冴えた月に関しては、それらに加えて。過ごしやすい時候になる夜長、ついつい夜更けまで起きているので、綺麗なお月様を拝む機会も増えるため、その美しさに尚のこと、感嘆してしまうのでもありましょう。そんなお月様が見下ろす人間たちの世界の、近年の世相や何やといえば。相変わらずに落ち着きがなく、派手なドタバタも起こっている模様でございまして…。





  【待てっ!】【そっちへ行ったぞっ!】【捕り手を集めろっ!】


 マイクが拾った声が不意に騒然とした高まりを帯びたが、活気を帯びたこんな声を聞き取れた…と思ったのも束の間で。スピーカーからの音声は、またぞろボルテージを下げてしまい、環境音レベルのさわさわとした曖昧な音へ沈んでゆくばかり。とうとう追い詰めたのかとドキドキしたが、足場が悪かったか、それとも相手の素早さに追いつけなかったか。姿か気配を感じた途端、そのまま夜陰へ没してしまった相手に体よく振り切られたらしい模様。何物かを追っている人々の声や気配を警察無線の無断傍受にて聞きながら、彼らが見失ってしまった“対象”の姿を…高感度カメラが捉えてきっちり把握出来ている映像が、やはり手元のモニターには映し出されており。妙な取り合わせの、ある意味“完璧なる”情報を得ているスタッフたちは、それだのに…現場にいる訳ではないその上に、手が出せないのみならず、この情報を逮捕に活かしてもらえない、そんな自分たちの身を狂おしく感じてただただヤキモキしているばかり。
「もうちょっとだったのにな。見たろ? 今、フェンスの上にいた。」
「ああ。あれは挟み撃ちのしようがあったぞ。」
「声に引っ張られて直進しないで、手前の路地の方へ半分は回れば良かったのに。」
 くぅ〜〜〜っと歯咬みし、惜しいなぁとテーブルを叩きつつ。現場で直に駆け回ってる人たちの苦労も知らないでの、勝手なお言いよう。

    「大体サ、何でこっちの情報を利用してくれないんだろ。」
    「だよな〜。こんな判りやすい“今現在”の映像そのものなのによ。」
    「これを見りゃあ、どっちに逃げるかとかって予測だって立てられようになぁ。」
    「言うなよ。部長が直々にお叱りを受けたんだから仕方がない。」
    「あれだろ? 信用してないって言うよか、それなりの審査を通ったものしか使えないんだ、お役所はよ。」
    「GPS搭載の追跡カメラをか? 交通課も試験的に使ってるらしいんだぜ? これ。」
    「だからさ。そういうデジタルなものは、幾らでも加工した嘘っこの映像を作れるんじゃねぇかって、聞いた風なことを言い出したトンチキがいるらしいぜ?」
    「は? いい加減な偽の情報なんぞ撮っても、俺らには何の得にもなんねぇぜ?」
    「今時、ベタな“やらせ”なんかしたって絶対バレっからな。」
    「それに、こんなのCGで作ろうと思ったら、どんだけ費用食うかだよな。地元の実在の町や通りだっつっても、一昨日の台風通過で随分あちこち様変わりしちまってるから、前に撮った映像を持って来て加工してもすぐボロが出るってのによ。」
    「だからよ、科研や鑑識関係者ならともかく、そんな理屈判ってる奴なんて、サツの現場には まず一人だって居ねぇっての。」
    「っていうか、警察の動きも向こうに筒抜けにされちまうって思ってんじゃねぇの? 上の人とかが。」
    「どんなシステムだよ、そりゃ。」

 逮捕劇に参加出来ない身を持て余しつつも、彼らにはまだ別な光明が残されており。今世紀最大の衝撃映像…というのは ちと大仰だが、それでも。この、ドキドキするような“実況ライブ”映像を。この大事件の一部始終を一瞬たりとも途切れさせずに追跡撮影中の彼らであるということ。明日の朝にでも、市民の皆様…いやいや、もっと広域のネットに乗せて、全国津々浦々の皆様の前へと公開するに及んだその暁にはっ! あの衝撃の映像を撮ったのは誰だ、一体 何処の局のクルーたちだと、世間様から騒がれ、持て囃されて、一躍“時の人”となるのは間違いないと。ケーブルテレビ局のクルーたちがわくわくと、この一大スクープに心躍らせつつも、数台の無人追跡カメラによって送られる映像から視線を離さぬよう、躍起になって集中している。彼らには疑いようのない“真実ホント”。でも、警察当局にはまずは疑ってかからねばと警戒させ、その結果として…こんなに便利なものなのにも関わらず、形式を踏んだ下調べが済んでないものであるがゆえ、どんなトラップが仕掛けられているか、どんな手落ちを後々追及されるか判らないからという点を恐れて、迂闊に手が出せない…なんていう。一種“混乱状態”とも言えるような、困った状況を追跡班に招いている。こんな尋常ならざる混乱を、テレビクルーたちはともかく、その筋の究極の専門家、身柄確保に際しての様々な権力を持ってさえいる警察を易々と翻弄しているほどの…凄腕の大怪盗。


   「大剣豪、健在なりってか♪」


 その強かな姿がビルの屋上をひらりひらりと渡っており、一番見晴らしの良いところへ軽々と飛び上がったところで月を背にして逆シルエットになる。特に焦りもせぬままに、悠然と眼下を見下ろしているという様が、それは絵になる構図になっており。モニター画像の中にそれを確認し、まるでドラマか映画のアクションを見るかのような、鮮やかでお見事な大胆さへと何とも余裕の逃走ぶりへ、思わずの溜息が洩れたTVクルーさんたちであったそうな。







            ◇



 そもそもの話
コトの発端は、某ケーブルテレビ局が毎週放送している『豪邸探訪』とかいうインタビュー番組で。先月の末に、この港町の山の手に住む とある富豪の屋敷が取り上げられたことへと逆上る。昔からの由緒ある資産家…という紹介とともに、その略歴と当地における地位のようなものという、当主のプロフィールが簡単に説明され、何が由緒ある家系だ、他所で食い詰めてここへ流れ着き、港の創設や管理運営にだって当初は渋々加担して、そんな結果で資産を得た成り上がり者じゃないかと。本当に間近で見て知っている人々からは冷笑を買った“ご紹介”の後、広々とした敷地に広がる、緑豊かな中に離宮風の四阿あずまやなどを設置した庭園が映し出され。それから…ちょいと凝った懐古趣味な洋館の入り口、仰々しくも紹介されたご当主本人が、ブランドスーツに身を固めた小綺麗な女性アナウンサーを迎えに出て来て。そこからは質問を受けつつの問答形式を取って、邸内を案内してゆくという運び。作品の真贋以前に、一体何処の誰の作品なんだという段階から価値の怪しい絵画や壷、アンティークなどを、なかなかユニークな感性で並べた廊下や広間が続くのを、それでもさすがはTV局のカメラマンという、結構計算されたアングルや構図でもって、美術館…のように映し出しつつ、番組は進み。やがて、当主のコレクションが収められているという、奥の院の最奥部、収蔵庫へとカメラは進入。

  【さあ、こちらは当代のご主人のお眼鏡に適ったお宝のみならず、
   先代・先々代からの収蔵品も収めていらっしゃるという大収蔵庫なのですが。】

 さっきから時々 敬語や謙譲語がこんがらがっている、突撃取材担当の女性アナウンサーが、いかにも物凄い宝蔵なんですよねぇというお顔をして見せ、此処までを同行して来た当主へと話を振る。肉が食えるうちは節制なんて先の話と豪語しただけはある、六十代という年齢の割には脂の乗った…なかなか恰幅のいい丸ぁるい体格をしたご当主は、いかにも“心豊かな金満家”風の表情を浮かべていて、

  【いやはや。先代の遺したものはともかく、私はまだまだ勉強中ですからねぇ。】

 一応は謙遜しているかのようなお言いようをなさる。素人臭くて間延びした構成が、ともすればイライラを誘うほど退屈極まりない番組を、14インチという小さめのモニターにて鑑賞中の面々の中、
「金満家って?」
 すぐお隣りのスツールから こそこそっと、相棒さんへと訊いてみた坊やだったのに。その矛先を引ったくり、カウンターを挟んだお向かいから、金の髪をしたお兄さんが説明をして差し上げる。
「普通にだったら“資産家”って意味なんだがな。露骨に“金”なんてつくせいか、金で何でも片付けちまうような奴の、品がなくて あんまりいい印象じゃあない、いかにも“成金”って人性を指して使う場合もある。」
 じゃあ こいつはヤな奴なんだな、だってさっき、このお姉さんがそう言ったもん。胸の前へ大仰にも腕を組み、うんうんともっともらしく頷く坊やに。解説を受け持ったお兄さんを初めとする他のオーディエンスたちもが、何とも苦しげに笑いをこらえて見せる。それだけ怖いもの知らずなアナウンサーであり、そこへ加えて…それへとムッと来るよな繊細な神経を持ち合わせていないらしき、ちーと鈍いご当主だということだからで。

  【それではご開帳していただきましょうっ!】

 ………高級紬らしき和装のご当主も“うんうん”と満足そうなお顔でいるから、まま 良いんでしょうけれど。この“ご開帳”というのも、細かいことを言うならば…本来は“秘仏の厨子を開いて一般の信者へと公開すること”を言い、もしくは“博打場を開くこと”を言うんですが。ご大層に聞こえれば、ま・いっかってトコなんでしょね。
(苦笑) 彼らが立っていた廊下の突き当たりに壁のように立ち塞がるは、大時代の質屋か両替屋の金庫を思わせるような、黒塗りの鋼鉄製だろう大扉。潜水艦のハッチについているような、回転式の大取っ手が中央に でんとついており、その真ん中に鍵穴がある。何とも大掛かりで仰々しい“収蔵庫”であり、担当者なのだろう、地味なスーツを着た男が当主の合図に頷いて、一見、単なる棒のような“鍵”を鍵穴へと差し込んだ。見かけはアナクロいが、仕掛けには一応“先進のセンサー解析システム”辺りが導入されているらしい。がこん…という重々しい音と共に、帆船などの舵のような回転式の開閉器が回り出す。結構なめらかに自動的にくるりと回ったと同時、扉全体が手前へ迫り出して来て。それを、担当者が2人がかりで引っ張り開けた。
【この厳重な扉の他にも、警備の方々が多数、常駐なさっておられるそうですが。】
 アナウンサー嬢が質問すると、
【ええ。何しろ先代が遺してくれた宝物ばかりが詰まっておりますからな。】
 今の自分の財産や地位があるのも、先代が家宝や土地などの資産の元を様々に遺してくれたからだと、感慨深げな顔で語るその語尾を掻き消して。ごごんっと開き切った扉の方へと、カメラやアナウンサー嬢の関心は移っており、目につく端からという感じで2、3の家宝とやらを紹介していたものが、

  【おっと。何でしょうか、この頑丈そうな金庫は。】

 深目の棚を設けて、日本画の掛け軸や書画だろう巻物、焼きもの骨董類の箱を整然と収めてあった蔵の中の奥向きに、どどんと出現したのが…ちょっとした清涼飲料水の自販機ほどはありそうな、大きめの耐火金庫が約1つ。あれほど大仰な扉の中に、またしてもの金庫というのは、いかにも厳重な守りだということを物語っており、好奇心を抑えられないらしきアナウンサー嬢が視線を向けてくるのへ、

  【これこそが、この大収蔵庫をわざわざ作ったお宝、
   我が家に数ある家宝中の家宝を収めた、耐火耐水耐ドロ金庫です。】

 これをこそ、公共の電波を使って世間へ広く言い触らしたかったんだと言わんばかり。チャチャ〜ンという効果音が入って どんとクローズアップされた、黒塗りのスタンダートな外観もちょいとダサめのお金庫様が、上下左右は勿論のこと、俯瞰やあおりも含めて7方向ほどのカメラ割りであちこちから映された後、画面に2分間ほど君臨し、

  “耐ドロってのは何なんだろう。”

 耳慣れない語句へ小首を傾げたマスターさん。さぁて? 耐水性って点は先にくっついてたから“泥んこ”って意味じゃないだろし。………あ、そっか。こうやって字に起こしてみたら…判るよね? 泥棒って意味らしいなってこと。
“…凄げぇセンスだよな、それ。”
 妙なネーミングには違いない、うんうん。
(苦笑) 変梃りんな紹介をされた金庫への感慨を深めている間にも、画面の方では話が進んでおり、

  【ここにあの“対
つがいの胡蝶”の大皿が入っているんですね?】

 ………あ〜あ、先に言っちゃったよ、このお姉さん。番組改編期のスペシャル番組では、NG特集で使われるんでしょうな、この失態。だって、さっきまでは結構似たような調子で話も弾んでおり、的を外しまくったお追従にもほくほく笑っていたご当主様なのに。今はさすがに…それと分かりやすくもムッとしており、だがだが、カメラが向いていることで我に返れたらしく。
【…はい。先代が遺してくれた中でも、私にとっての最大の財産。それは見事な宋代の大皿で、銘を“対の胡蝶”と呼ばれるお宝が収められているのですよ。】
 ご本人が滔々と話したそうな気配だったが、ここへ割り込んだのが、手際よくその“家宝”の大皿の由来をまとめたVTR。それによると…現在の当主は、先代から譲り受けた地所を、近年の観光開発へ添わせるように売りさばいて整理したのが妙に当たって、めきめきと財を成したという、言わば“棚からぼたモチ”型の資産家であり、これも先代のお陰だ、ありがたやありがたやと手を合わせ、他にも趣味で集めていたらしき遺品を整理してみたところ。当主にはよく判らない掛け軸や骨董品などの山の中に、妙に厳重に仕舞い込まれてあった箱を見つけた。はて、こんなものは父の生前にも一度も見たことはなかったぞと思いつつ、複雑な飾り結びで封がしてあった組み紐を解き、煤けて埃のこびりついた蓋を開けたなら………。中に収められてあったのは、それは見事な七彩も華麗な、大きく咲きほころぶ牡丹の花の上を2頭の蝶が舞う、大きな大きな磁器の絵皿が1枚。

  【蝶々はあんなに小さいのに“1頭、2頭”と数えるんですね。
   皆さん、知ってましたかぁ?】

 アナウンサー嬢の屈託のない茶々でVTRは明けて、

  【そのお皿を今ここで、皆さんにも特別に公開していただけることとなりました。
   何でも、これを大切に守るため、この金庫をお作りになったところ、
   その翌月からお持ちの株が急騰して、資産が倍増なさったそうですね?】

 皆様にもテレビ画面を通してそんな御利益をお贈りしましょう…というふざけた趣向で幕を下ろした、いかにも土日の昼下がりに放映する、穀潰し…もとえ、暇つぶし目的っぽい番組だったのだけれども。

  「拝むだけで幸いが来るもんでしょうかね、ナミさん。」
  「だったらいっそ、神社でも作って祀っちゃえばいいのよ。
   課税対象から外してもらえる賽銭も入って、ますます儲かるでしょうにサ。」

 完全に小馬鹿にして観ていた一同だったが、実はこれってわざわざ録画したもの。噂の収蔵庫が、それを収めた屋敷の内部ごと易々と観察出来るいい機会だったのだと………放映された後から知って、ゾロがルフィの伝手を手繰って番組が録画されたDVDを何とか入手したというから…そのココロは?

  「で? あれを狙おうって言うの? 怪盗さん。」

 毎度お馴染み、とある港町を根城にした現代の怪盗“大剣豪”とそのお仲間たちが、今回は“依頼”ではなく剣豪さんご本人の挑戦として、テレビで取り上げられたような…ある意味で旬というかメジャーというか、ああ“あの”と話題に上りやすかろうブツを狙うつもりでいるのだそうで。相変わらずに垢抜けない、くすんだ色合いのトレーナーにワークパンツという地味ないで立ちで、ご自慢の屈強精悍な肢体を無造作に包んだ青年が。是という応じの代わりの短い頷きに顎を引くと、

  「珍しいよな。皿とか壷とか、割れものは扱わないんじゃなかったのか?」

 そのすぐ傍らから、大きな瞳を悪戯っぽく見開いた黒い髪の少年が、そんなことをわざわざと訊く。
「誰が決めたんだよ、そんなこと。」
「ナミが言ってたもん。絶対に割っちまうから、そういう依頼は受けないって。」
「んなこと、俺は言ってねぇぞ。」
「馬っ鹿ねぇ。割れてからじゃあ遅いから、あたしが話を聞く段階で断ってるの。」
 恥をかかないで済んでるだけでもそれなり感謝してほしいくらいだわと、これもまた相変わらずに斟酌のない言われようをされて、
「………。」
 この野郎がと思いはしても、たった一言へ こんだけの応酬が返って来る相手。そうそう迂闊なことを言って意味なく凹まされるのも癪だから、結局、ぐうの音も出ないままに黙らざるを得なかったりする…結構情けないところもある“大怪盗”さんであることよ。
“誰のせいだ、誰のっ。”
 あっはっはっvv
「なあなあ、その仕事。」
 ぶっすうと不機嫌そうにしかめっ面になった青年だったが、幼い声に呼ばれると…幾分かはそんな表情もやわく解
ほどけて、
「俺も、手伝って良いんだろ?」
 だから、今日ここに来いって言ってくれたんだよなと、じぃ〜〜〜っと期待に満ちた眸で見上げて来るところが、まるで大好きなご主人様を前に“さあ、早く“持って来い”の練習をしようよvv”とおねだりしている仔犬のようで。何とも言えず可愛らしい腕白小僧に、余計な棘が立ちかかってた気分も程よく宥められ、
「ああ、勿論だ。俺が駆け回るのより、お前の役割の方が大事なくらいだからな。」
 にんまりと笑ったお顔の深みのある表情に、
「あ…。///////
 ついつい見とれてしまう小さな坊や。そうまでの“憧れの眼差し”をして見せるルフィに、こちら、実の兄であるサンジは逆に落ち着けなくなるところだが、

  “…ま、しゃあないか。”

 強引に制止したところで、今度は“隠れてこそこそ”とという行動に潜るだけ。そうなっては却って危なっかしいので、保護者代理である怪盗さんに“くれぐれも危険なことはさせないように”と重々クギを刺した上で、自分は黙って見守る方へと回らざるを得なくって。

  「ともあれ。目指すは金満家のおじさんのお宝、宋七彩の大皿だ。」

 今回の目標をかっちりと宣言し、作戦への協力を仰いだ同志たちを見回して。緑の髪の怪盗さん、それは不敵そうに笑って見せたのでありました。







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  *久し振りすぎる方々の登場でございます。
   誰よりも筆者がさび付いてないかが心配です、はい。