キミが望めば 月でも星でも
      〜かぐわしきは 君の…

 “君を中心に世界は回る”  〜閑話



いつまでもじりじり続く残暑が、
それでもさすがは10月で、
何とか一段落したねぇなんて言っていたらば。
まだまだ元気な太平洋高気圧のお陰様、
日本海側からという大外回りの“夏台風コース”で、
列島に“お触り”してった台風の余波、
この時期に30度以上まで気温が上がるという、
これまた“観測史上初”の蒸し暑さを
置き土産にしてってくれたものだから。

 「…これも父さんの寄越した試練だろうか。」
 「う〜ん、どうだろうね。」

地球温暖化のせいって言われているから、
人間の自業自得ってところらしいんだけどと。
バリバリの天界関係者である“最聖”というお立場にすれば
どっちも有りかもとの解釈が出来るらしい要因たちへ
それぞれ“む〜ん”と眉を寄せてしまった異常ぶりでもあって。
とはいえ、今は有給中の彼らに、しかも地上からは何ともしがたく。
猛暑にとろけそうになってたのと同様、
人の和子らと一緒になって、暑い〜〜〜っと唸っているしかなくて。
蒸し暑くて寝苦しくて、

 「あんまり寝られなかったよぉ〜。」

いつにも増してまぶたが重そうなイエス様だったのを
苦行には耐性もあるブッダ様が“よしよし・どうどう”と宥めすかしつつ、

 「お布団に熱が籠もっているんだよ。
  ほら、起き上がれば少しは涼しいよ?」

布団のすぐ傍らにお膝を落として、
それは丁寧に手を延べて、起こしてやっておいで。
すると……、

 「…………こらこら、
  蒸し暑かったんじゃなかったのかい?////////」

 「あ、ブッダか。Jr.かと思った♪」

眠いの暑いのと不平をたれつつ、
如来様のまろやかなお背
(おせな)へ腕を回し、
白々しくも ぎゅうと抱き着いて来たのは
……まま ご愛嬌というところかと。(笑)
真っ赤になったブッダへごめんなさいのキスを贈れば、

 「〜〜〜っ。////////」
 「ありゃ。」

螺髪が解けかかったので、ある意味 逆効果だったかも…という、
相変わらずの いちゃいちゃはさておき。(笑)
布団を上げて、顔を洗って押し入れの衣装ケースを開きつつ、

 「昼間のうちはまだ半袖で大丈夫だね。」
 「そうだね。」

一日中 それも少し遠くへまで
お勤めなり学校なりへ出掛けているとかいう身なら、
朝晩の冷え込みを考えれば上着も要るところだろうが。
こちら、サンデー毎日というバカンス中の身ゆえ、
まだ長袖Tシャツは出さなくていいみたい、なんてところで、
話がついてるお気楽さ。
むしろ、夏場のように湿気の多い蒸し暑さへ、

 「衣替えの後だから、サラリーマンさんたちは大変だねぇ。」
 「うん。クールビズも終わったもんねぇ。」

選りにも選って、あのスーパrー・クールビズから、
ネクタイ絞めてジャケット羽織ってという、
いわゆる“通常運転”へ戻ったお父さんたちは、
この異常な暑さへ、さぞかし うんざりしておいでだろう。
それに比べりゃあ至便で快適な装いながら、
それでも…シンプルながらも一応は、
今日の気分に合わせてと
ヨシュア様がやや考え込んでから選び出したTシャツは、

 「…っ。//////」

ブッダ様がこっそりとながら、拳をぐっと握ったところからして、
どうやら渾身のお手製のが選ばれたのであったらしい。
良かったねvv
そのうちおみくじ代わりになっちゃうかも知れないね?
あ、でも、お釈迦様はおみくじは禁止してたんじゃなかったか?
確か、呪いや占いは人を惑わすだけの意味な迷信とし、禁じてたような。
でもお寺におみくじって付き物だよな、神社だっけ?

 “…それはともかく。”(あはは…)

お顔を洗って、ブッダ様お手製の朝食、
今朝は、プリンもかくやというほど
とろとろに柔らかな出来のフレンチトースト、イチジクのジャム添えと、
トマトとキュウリの賽の目サラダに、
丁寧にタマネギを煮詰めたオニオンスープという
洋風仕様をうまうまと堪能したお二人。

 「あ、イエスちょっと。」
 「え?」

口の傍についてたジャムを
優しい指で拭ってもらったは良かったが、

 「あ、それ好きvv」

ついついパクリと食いつくお約束をやらかしたところ、

 「〜〜〜っ。////////」
 「ありゃ。」

これもまたお約束か、
真っ赤になったブッダ様の螺髪が震えたそのまま、
はらり…っとそれは鮮やかに弾けて流れ。
相変わらず信じがたい豊かさの長い長い深色の髪が、
つややかにも大量に、どっと ほどけてあふれてしまったものだから。

 「あああ、ごめんね、ブッダ。////////」
 「イエスったらもうっ。////////」

結局はいつもの一騒ぎをしでかしての……さてとてと。



 「そういえば、」

8日も例の流星たちが見えやすいとされてた巡りだったらしいけれど、
大荒れの天気だったんで、
どっちにしてもクリアな夜空は望めなかったねぇなんて。
今日も蒸し蒸ししそうな空気の中、
ウチワ片手に何てことない談笑を楽しんでおいでだったところ、

 「………お。」

不意に、イエスのスマホがメールの着信を告げ、
さしたる会話をしていた訳じゃあなしと、
それでも一応は目顔で“い〜い?”と会釈をしてから、
小さなモバイルを手に取ったイエスであり。
頷いたブッダはブッダで、新聞に挟まっていたチラシを広げると、
ご近所の商店街やスーパーのお買い得商品のチェックに掛かる。

 “うん、今日の売り出しには 特に要るものってないな。”

要るものと言えば、絹あげとしめじと、玉子ってところかなぁと、
小さめのメモへ書き写す。
急ぐものでなし いつ出掛けても構わぬが、
玉子は もしかして
遅く出ると補給の狭間に当たりかねないなぁと思い直すと、
手の届くところにあったトートバッグを引き寄せて。
ハンカチや財布を確かめ、
卓袱台へ出していたスマホを内ポケットへしまっておれば、

 「あ、ブッダ、お買い物に出るの?」

メールを確かめていたイエスが、
こちらの所作から気づいたか、
そうとお声をかけて来たのへ是と頷き、
でも、一人で大丈夫だからと続けようとしたところ、

 「じゃあ、一緒に出よう。ネ?」

さっさと立ち上がる相方さんであったりし。

 「???」

え? あ、いや、一緒に出掛けるのはいいけれど。
会話も弾むだろうし、何はなくともずっと一緒っていうのは、
あのその…嬉しい運びだけれども。////////
でもでも、えっ? なんで?と、
ブッダが微妙ながら意外だなぁと感じたのは、
午前中のこういう時間帯は、
深夜から朝のお出掛け前にかけての時間帯に、
サイトを覗いた人からの書き込みを確認するのが
イエスの日頃の常だと知っていたからで。
夜明かししてたなら別だけど、そうでもなかったらしいし、
それに、もう既に蒸し暑い陽気がじわじわと
お外の空気を席巻しつつあること知らしむる風も
窓からようよう届きつつあって。
こんな条件下で自分から“出掛けよう”と言い出すなんて、
ちょっと意外だなぁと思っておれば、

 「…? ああ、さっきね、メールが来たの。」

そうまで不審というお顔でいたブッダだった訳じゃあなかったが、
それこそイエスの側にも、そこは通じ合う呼吸というものがあり。
何か訊きたそうなという気配を拾ったらしく、
とっとと玄関へ向かったそのまま、
スニーカーをはきながら、にひゃりと微笑い。
後から続いて玄関へと至った相方さんへ、ご陽気に伝えたのが、

 「カットハウスのメグちゃんからで、
  最近遊びに来てくれないけど 元気?って。」

 「………メグちゃん?」

うんと頷きつつ、
ポッケへ収めたスマホを取り出そうと、
肩からこぼれる髪をも厭わず、やや俯いたヨシュア様だったが。
もう一瞬でもそれが遅かったなら、
ちょっと恐ろしい瞬間を拝めたかも知れぬ。
器用にも片方の眉だけ ひくりと震わせ、
ある意味、堂々の筋違いから、
仏のお顔が一気に
2つ半ほど減ってしまった釈迦牟尼様だったから。

何ですよ、そのお名前。ご紹介いただいた覚えのないお方ですよね。しかも“ちゃん”づけですか? そりゃあ私は、親しいからこその遠慮のない呼び捨て同士なのが嬉しいと思っておりますが。幼子じゃあるまいに、今更“ちゃん”なんてつけられても、恥ずかしいだけですが。愛子ちゃんと違って、メール出来るほどのお嬢さんで、しかもメアドを教えているほどの相手だって事ですか。私にはめったやたらと教えちゃいけないなんて言っておいて、自分はそれってどうなのですか。アガペーのなせる技ですか、迷える子羊なのですか?……とか何とか。

微妙な心持ちが、読経のごとくの一気に
その御心へ満ち満ちたようでございまし。

 「ほら、これがメグちゃんvv」

ご丁寧に写メまで撮っていたらしい
お嬢さんのお姿をほらと見せてくださるヨシュア様なのへ。
ええ、ええ、拝見しますともと、
スマホの小さな液晶画面を見やったブッダ様だったところが。

 「……………………もしかして、ぱぴよん、かな?」
 「そうだよvv すごいねブッダ、すぐ判っちゃった?」

商店街でバイト中に、足元にリードが絡まっての
素っ転び掛かった縁で知り合ったんだけど、

 「私、あんまり犬の種類に詳しくなくて、
  ポメラニアンですかって訊いちゃったら、
  本人からガブチョって、すねに甘咬みされちゃってvv」

 「ありゃまあ。」

つ、通じたからでしょうか、それって。
(笑)
ふさふさの毛並みが縁取る、大きくてぴょこりと立ったお耳が
まるで蝶々の羽根のようだからとついたフランス語の名前も愛らしい、
ふわふかな長毛種小型犬の“メグちゃん”とやらが。
イエスの不器用そうな抱え方へ
“しょうがないわねぇ”と言いたげなお顔で
大人しく抱っこされてるツーショットが収められており。

 「時々、カットモデルにってお誘いもかかるんだけど、」

でもねと、そこでかすかに照れたように甘く微笑ったイエス様、
玻璃の瞳をやんわりたわませ、
お陽様みたいな笑みにて頬を口許を大きにほころばせると、

 「専属の担当さんがいるからダメって、
  言ってあるんだけどもねvv」

 「〜〜〜〜〜っ。/////////」

言わずもがな、
こちらの螺髪のアーティストさんのことであり。
何でそんなややこしい言い方を、
もうもうイエスったら、絶対に名前出しちゃダメだからねっ///////と。
ほんの先程とはまるきり逆の感慨に、
おろおろしてしまわれたブッダ様だったのでありました。





     ◇◇◇



カットハウスとやらは、厳密には商店街の外、駅前大通り沿いにあり。
雑貨屋さんのバイトで忙しくしていた間、
近くまで毎日来ていながら、なのにお顔を見せるまでは至らなんだので、
たまには来てねというお声掛けを、
勿論のこと飼い主であるオーナーさんからいただいたらしく。

 「そういえば、ハロウィンも近いんだったねぇ。」

ちょっと以前の日本だったら、
この時期は運動会とか、紅葉由来、収穫由来の行楽とそれから、
神社の催し、七五三が話題になってたとこなのに。
ここ最近はめきめきと、
西欧からやって来た地蔵盆ぽい催しが
お洒落な仮装カーニバル扱いで持て囃されている模様。

 「ただ、物凄い前倒しなのには驚いたよね。」

10月31日の晩の催しだというに、
ウサランド恒例のハロウィンパレードのCMが、
盂蘭盆会が済むか済まぬかという頃合いに もう流れていたのへは、
テレビっ子のイエスも 何かの再放送かしらと勘違いしかかったくらい。
クリスマスツリーの話も早いですよね、
アドベントなんて知ったことかですもの。
(笑)
さすがに、もう十月も半ばとあっては、
早過ぎとも言えないからだろう。
ケーキ屋さんや洋品店などの店頭には、
お顔になるよう刳り貫かれたカボチャの置物や、
愛らしくデフォルメされた魔女のマスコットなどが飾られていて。
イエスがワゴンを捌いていた雑貨屋さんの店頭には、
ネコ耳のついたカチューシャや、
黒地の三角帽子らしい仮装グッズが提げられたスタンドが
キャンディーのレイを模したらしい電飾つきで置かれてある。

 『実はあれのバイトも頼まれたんだけど。』

ちょっとどういうのか、私がやるのは問題かもと思ってと、
商品も増えて難しそうなのでという形で、辞退させていただいたのだとか。
本誌でも“ウチの祭りじゃないし”とイエス様が言葉を濁したように、
実はハロウィンて、厳密にはキリスト教の行事ではないそうで。
死者が冥府から蘇るという、
大元はケルトの民の風習から始まった、欧州生まれの民俗行事で、
あのカボチャも、最初はカブで作ってたそうな。
(それだけ古い発祥なんですね。)

 「カボチャかぁ。」

飾り物を見て、
イエス様がそう感じたように“あ・可愛いvv”とならず、
今夜はカボチャとキャベツでキッシュでも作ろうかな、
テンプラ、煮物、そうそうパイも美味しいよねと。
そういう発想になる辺りが、さすがは主夫の鏡のブッダ様だったが、

 「…………っ。」
 「イエス?」

メールを頂いた件のカットハウスへまずは立ち寄ろうと、
何とはなし、目的が有るでなしという、
所謂“だだら歩き”になっていた二人だったものが。
少し前になってたイエスが唐突に立ち止まったものだから、
不意なこととて、
後に続いていたブッダが、その背中へ とすんと軽くぶつかってしまっており。
骨がすぐにも探れる肉付きの薄さだが、
とはいえ骨格はしっかと男性のそれという、
ブッダには頼もしくてしようのない広さと堅さの
そのお背(おせな)を前にして。
ごめん、痛くなかった?と訊く声さえ、ちゃんと届いているものなやら。
微妙に呆然としていて表情が定まらない彼なのへ、

 「…イエス? 大丈夫?」

まださほどの人出じゃあないけれど、
それでも周囲に聞かれては大仰だからと。
そこは声を押さえつつ、
だがだが、十分に案じる気色を込めてのこと、
大丈夫かとブッダがこそりと問い掛けたところ。
やや身を寄せる格好になったその彼の、
降ろしていた手を指先で、泳ぐように探り当て
そのままぎゅうと幼い拙さで握ってくるヨシュア様であり。
え?と、その手を見下ろし、それから前を向いたままのイエスの、
こちらも肉付きの薄い頬の線を見やっておれば、

 「……ブッダ。あのね? 一緒にいてくれるよね?」

やや強ばった、だが、
恐れるものなどないとの堅い意を決しましたというのを匂わせる、
それは毅然としたお顔になっている彼なのが、

 「…うん。//////」

やっぱり何が何やら、よく判らぬままだが、
でもでも、ああ何て凛々しいお顔かと、
ついのこととて感に入っての惚れ惚れしてしまう。
押しに弱くて、意外なものを怖がる彼で、
一体 何を見つけてしまい、うっと怯んだ彼なのかは不明だが、
そんな艱難になぞ負けないぞという、
勇ましい気概を振るったのなら重畳なこと。
大丈夫だよ、私がいるよと、
やっぱり小声で囁くと、こくりと息を飲んでから、
やおらにその歩みを進め始めるイエスであり。
足取り自体はそうそう不自然でもないながら、
肩から提げてた互いのバッグの陰、
指先だけをまとめて掴んだままという、
ややこしい掴まり方をしているブッダの手を、
離すどころかますますと握りしめる彼であり。
緊張のせいもあろうし、そも あまり握力のない彼のこと、
痛くはないが、
その必死懸命さはひしひしと伝わって来るものだから、

 “一体 何が…。”

その正体が判らないのがブッダには落ち着けぬ。
いつも足を運んでいるお馴染みの商店街だし、
バイト中なぞ一人でここへまで運んでいた彼だろうに。
一体また、何を今更、ここまで恐れているものか。
霊道の気配はなし、
あったとしてもそういうのは怖い対象ではない自分たちであり。
凶暴な地脈か、荒らぶる気流か、
歪みを抱えて淀んだ、誰かが置き去りにした念咒の気配でも拾ったか。

 「……。」

何本かある、横道の1つへと折れた彼なのへ続けば、
わずかながらイエスの足取りが早まったようで。
明らかにさっさと通り過ぎたいというのが伺えて。

 「…?」

本人には気づかれないよう、そおと視線だけで伺えば、
ただただ一途に、何かから顔を背けるようにしてまでいる懸命さが、
痛々しいやら健気なやらだったが、
そんなブッダの視線の中に、とあるものも収まって……。

 “     あ。”

ああそうかと、やっとのこと気がついたと同時、
込み上げる苦笑を何とか必死でかみ殺すため、
色即是空・空即是色と、何度も何度も唱えてしまった如来様であり。
そうだった、苦手だったよねと、
どれほど怖がっている彼なのかを察してあげようと思えば、
笑ってはいけないという無理矢理な意識も、
その沸点をぐんと上げての自然などこかへ消え失せる。

 オカルト系は何てことないが、
 スプラッタ系には お手あげなイエスであり

とある湖へバカンスを楽しみに来た若者たちを、
次から次、無残に切り裂いて殺す連続殺人鬼の蛮行を描いた
それは有名な映画のリマスター版とかいうブルーレイのポスターと、
外に向いたモニターへ映し出される、
何てことない場面をセレクトしてあるものの
それでも…知ってる人には十分おっかない、ダイジェストのPVと。
人は嫌いなものや怖いものには敏感になるというセオリーのそのまま、
何とはなくの気配を察し、
日頃はご贔屓にしているレンタルDVDのお店だというに、
まるでコキュートスへ連なる隧道よろしく、
見てはいけない場所扱いとして。
エリエリラマ サバクタニと、一心に呟いているほどの恐れよう。

 “そうか、ハロウィンに合わせて、
  ホラー特集の連泊フェア開催中なんだ、このお店。”

これは意表を衝かれたね、
当分は別のお店に借りに来なきゃだね。
もうすっかり通り過ぎたというに、まだお顔を戻せない彼であり。
その手をこちらからもぎゅうと握り返して差し上げて、

 「イエス。」
 「ううう…、ぶっだぁ。////////」

こんな不意打ちってないよと、精一杯の困り顔をするものだから。
うんと頷いてあげると、

 「今日は何でも作ってあげるよ。だから機嫌直して、ネ?」

 本当?
 うん。
 じゃああのね、

先日、腕試しにとブッダが作ってみた、
栗きんとんをまた食べたいとのかわいらしいリクエストへ。
任せてとそれは嫋やかに微笑った如来様。
やっと気持ちも持ち直せたか、
はあと肩を降ろしたメシア様の頭上では、
台風の置き土産か、ひゅんっと時折強い風が吹いては、
秋の売り出しの旨を綴った横断幕が、千切れんばかりにはためいて。
澄み切った空の下で弓なりになっては、
出来損ないの凧みたいに 空へ舞い上がりたいようと もがいてたそうな。








    〜Fine〜 13.10.11.


  *ちょいと方向転換、を兼ねての
   通常運転の日常編の“閑話”でした。
   そういやイエス様って、
   ホラーものへはピンと来ないのに、
   スプラッタがダメでしたよねと、
   USJのハロウィン・ゾンビナイトのCM見つつ





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休日の計画』 へ


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