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啓蟄もすぎて、いよいよ冬ともお別れ。最後の冬を探して箱根路をあるく旅です。
大涌谷から湖尻、芦の湖沿いに蛸川まであるいて一泊、翌日は元箱根まで湖岸をあるき、湯坂みちを湯元まであるくことにしました。願いかなって(?)真冬なみの寒波のなか、大涌谷は淡い雪景色でした。
湖ぞいの道にはケヤキ、ミズナラ、ヒメシャラなどのみごとな大木がはえ、雲間からときおり差す日に湖面が光っていました。
晴れ渡った翌日、風でふきつけられた湖の水がこおって、氷の草と、氷のすだれができていました。
湯坂みちは鎌倉古道ともよばれる箱根越えのみちです。延暦1年(802)の富士山の噴火によって、それまでの足柄道が閉ざされたあと開かれ、鎌倉時代の主要街道だったそうです。
あかるい尾根みちを行くと、もみじの芽が紅く色づいて、ハルリンドウのちいさな芽が出、キブシのつぼみが黄色にふくらんで、春はもうすぐ近くまできていました。