ついに最終日〜帰国

 ソウルからスタートした16泊18日の旅も最終日を迎えてしまった。2度めのヨーロッパで、自力で鉄道を乗り継いでひとつの国を横断してしまった。しかも、何のトラブルもなく。我ながら自分の勇気と行動力、そして強運に感心してしまう。最終日の朝食は、レマン湖を見下ろすホテルのレストランのテラス席で。このレストランのメニューには、スイスでは初めて温かい料理があった。かなりの種類があり、目移りするほどだ。まずはミューズリーと冷たい料理を取ってきてテーブルに置き、温かい料理を取って戻ってくると、なぜかテーブルクロスが少し汚れている。…おかしいなぁ、さっきまでこんな汚れはなかったはず? 不思議に思いつつも食事を始めてしばらくして、テーブルクロスが汚れた原因がわかった。すずめがたくさんいて、ここに来ればおいしいものがあることを知っていると見え、ちょっと目を離すとテーブルの上にやってきて料理をつつくのだ!! これには驚いた。

レマン湖を見下ろすホテルのレストランで朝食
すっかりマイブームのミューズリー ちょっと油断するとこんな風にすずめにつつか
れてしまいます…(笑)

 朝食後はチェックアウトまで時間があるので、市内の観光に出かけることにした。まずはホテルのすぐ近くにあるブルンスウィック公爵廟、そして橋を渡って旧市街のイギリス公園、宗教改革の中心者となったカルヴァンが説教を行ったというサン・ピエール大聖堂、最後に武器庫。思ったより時間がなく、あっという間に正午近くになってしまった。

ブルンスウィック公爵廟
旧市街 逆立ちする白鳥… 国家記念碑
イギリス公園の花時計はお手入れ中 サン・ピエール大聖堂
宗教改革の中心者となったカルヴァンが説教
を行った教会です
見事なステンドグラス
パイプオルガン カルヴァンの椅子
これも美しいステンドグラス
サン・ピエール大聖堂の裏側に回ってみま
した
市庁舎
武器庫

 部屋に戻ってパッキング。実は行きの時点で既に23Kgもあった私のスーツケース。このままでは超過料金を取られてしまう(BAはエコノミークラス利用のため)。そこで、とにかく捨てられるものは片っ端から捨てた。持ってきたものの使わなかったガイドブックの切り抜き、余ったシャンプーや化粧水などなど…。試しに部屋の体重計に載せてみたが、体重計は壊れていた…。果たして23Kg以内に収まってるのか、不安だ。

 チェックアウトを済ませて荷物を預け、ホテルから歩いて行けるレストラン「ラ・カスケード」で最後の食事。食べたいと思いつつなかなか出会えなかったゲシュネッツェルテスを最後の最後で見つけたので、迷わずこれを注文した。それほどお腹が空いていたわけではないんだけれど、これが最後の食事だと思うと名残惜しくて、つい、デザートまで注文してしまった。ウオッカに浸したシトロンのシャーベット。お店の人に「ウオッカが入ってるけど、大丈夫ですか?」と心配されたけど、全然大丈夫だったことは言うまでもない…。

昼食は「ラ・カスケード」というお店で ビール(CHF5・約460円)
やっとありつけたゲシュネッツェルテス
(CHF32・約2940円)
デザートはウオッカに浸かったシトロンの
シャーベット(CHF12・約1100円)

 ホテルからはタクシーで空港へ。空港に向かいながらも、まだ帰国する実感が沸かない。これもいつものことなのだが、ボーッとしたまま空港についてしまった。BAのチェックインカウンターへ行くと、私のすぐ前に並んでいた日本人のカップルが重量制限に引っかかってしまい、荷物を出すように言われていた。…げげ〜〜 やっぱり厳しいなぁ…。ドキドキしながらスーツケースを載せると…何も言わずに預かってくれた。よかった!(それでもしっかり「heavy」のタグは付けられていた) ところが、別の問題が発生。私はてっきり、前回同様に成田までのスルーチェックインができるものと思っていたのだが(行きはミュンヘンまでチェックインできた)、カウンターの職員曰く「ヒースローまでですね?」「いいえ、成田までスルーチェックインをお願いします」「このチケットではスルーチェックインはできません。ヒースローで一度入国して荷物を受け取って、JALのチェックインカウンターで成田までのチェックインの手続きを行ってください」 …そんなぁ〜〜(汗) 「乗り継ぎ時間が2時間半くらいしかないんですが…」と言うと「2時間半あれば大丈夫です。ヒースロー空港の第4ターミナルに到着しますので、ヒースローエクスプレスに乗って第3ターミナルに移動してください」 …本当に大丈夫なんだろうか? 一抹の不安を胸に搭乗口へ向かう。どうか、定刻で飛んでください、と祈る思いでBA729便、ロンドン・ヒースロー空港行きに乗り込んだ。

ジュネーブ・コワントラン空港のBAのチェック
インカウンター
この案内板を見て搭乗口に進みます
搭乗口付近 BAの軽食はスイーツか野菜スティックの選択
でした

 幸い、ロンドン・ヒースロー空港へはほぼ定刻に到着。ドキドキしながら入国審査場へと急ぐ。女性の係官にパスポートを提示し、「トランジットなんですが」と言うと「今日中に出国しますか?」と聞かれたので、「はい、すぐに出国します」と答えるとスタンプを押してくれた。まさかこんなところで入国スタンプが一つ増えるとは思わなかった(笑)。スーツケースを受け取って出口へ進み、ヒースローエクスプレス、の表示に従って歩いていくとすぐに乗り場が見つかった。今ひとつ不安が残っていたので、ホームにいた係員に「第3ターミナルへ行く列車はここから乗ればいいんですよね?」と聞いてみた。すると「そうです」との返事にほっと胸をなでおろす。これで無事に移動できそうだ。そして、まもなくやってきた電車に乗り込んでからふと思った。…そういえばチケットを持ってないけど、この電車、料金払わなくてよかったのかなぁ…(汗)? 券売機とか、切符売り場を見かけた覚えはないんだけど…。

 第3ターミナルまでは5分くらいはかかっただろうか? 想像以上に遠かった。そして、JALのチェックインカウンターへ来てみて絶句。…なんなんだ、この長蛇の列は…! しかし、並ぼうとして気付いた。無償UGとはいえ、一応ビジネスクラス利用なんだから、専用カウンターが使えるはずじゃないのか? 人ごみの奥を覗き込むと、ビジネスクラスやファーストクラスの表示のカウンターがあり、そちらは空いている。やっぱりあった!とそちらへ行こうとすると、日本人の係員に呼び止められた。「お客様、こちらの列の最後尾にお並びください」「あのぉ、ビジネスクラス利用なんですけど、やっぱり並ばなきゃダメなんですか?」と聞くと「あっ!失礼いたしました。どうぞ」と通してくれた。なんとかビジネスクラスのカウンターに辿り着いた。しかし、私のすぐ前に並んでいた外国人のお客さんがなにやらゴネていて、私の順番が来るまで結構待たされてしまった。…お願い、時間がないのよぉ〜(涙) ようやくチェックインを済ませて荷物を預け、出国審査場へ。これまた混んでいる。手荷物検査場も混んでいる。はぁ…やっぱりスルーチェックインができないとしんどい…。結局、ジュネーブからの飛行機を降りて、すべての手続きを終えてサクララウンジに辿り着くまでに1時間半くらいかかった。疲れたけど、予想外の出来事にもなんとか対応できた自分を褒めてあげたい心境だ(笑)。

 ラウンジへ上がるエレベーターに乗り、降りようとすると、なぜか元の場所にいた。確かにエレベーターは一度ドアが閉まり、動いて、そして止まったはずなのに、何が起きたの? 私、長旅の疲れでどうかしちゃった?? 狐につままれたような気分で階段を昇り、ラウンジでようやく腰を下ろした。その直後、高校生くらいの娘とその母親が父親のところに駆け寄って、「怖かったぁ〜〜!!」と叫ぶのが聞こえた。思わず聞き耳を立てていると、彼女らが買い物をしようと免税店を見てまわっていると、突然警報音が鳴り、店のシャッターが次々と閉まり出したのだそうだ。何が起きたのかわからないまま、夢中で逃げてきた、と父親に話していた。そうか、それでエレベーターが変な動きをしたんだ、と納得。それにしても…なんだったんだろう?

ヒースロー空港第4ターミナルの到着ゲート
焦ってた割にはしっかり写真撮ってます(笑)
ヒースローエクスプレスで第3ターミナルに移
動します
ヒースローエクスプレスの乗り場へ向かいます
電車がきました 第4ターミナルって結構遠かったんですね…
激混みのチェックインカウンター、手荷物検査
にヘトヘトになりながらようやくここに辿り着き
ました
疲れた体に嬉しい、日本のビール! BAの軽食が物足りなくて、空腹だったので、
このおつまみは嬉しかった…

 ビールを飲んで軽食をつまんで雑誌を読んでいるとあっという間に搭乗時刻になってしまった。搭乗口へ向かい、成田空港行きのJAL402便に乗り込むとそこはもう「日本」だ。飛行機が動き出す頃にはここがヒースロー空港であることを忘れていた。…そうか、私はまだ一応、日本から遠く離れたところにいるんだっけ。改めて、帰りたくない、時間を先に延ばしたいという気持ちが押し寄せてきた。しかし、そんな私の気持ちをよそに、私を乗せたJAL402便は日本へ向けて飛び立った。

 機内食1食めのメニュー

<洋食>(青字はヘルシーメニュー)

  アミューズブーシュ

  スモークサーモン サラダ添え

  冷製トマトのクリームスープ

  牛フィレステーキ フォアグラ詰め デミグラスソース添え 又は 車海老のオランデーズソース タリアテーレパスタ添え

  フレッシュサラダ

  特製ブレッド 又は 御飯

  チーズ
  フレッシュフルーツ
  リンゴとアーモンドのタルト フルーツベリーのチョコレートカップ盛り アプリコットヨーグルトケーキ チョコレートケーキ

  コーヒー 紅茶 緑茶

  小菓子

<和食>

 寿司膳

  前菜
   小海老みじん粉揚げ 牛フィレ味噌焼き 枝豆 梅のしずくゼリー

  にぎり寿司
   まぐろ しゃけ いか スズキ 雲丹とイクラの軍艦 巻き寿司

  煮物
   山菜入り茶碗蒸し

  小鉢
   京風信田巻きと野菜の焚き合わせ

  お凌ぎ
   茶そば

  味噌汁

  チーズ
  フレッシュフルーツ
  リンゴとアーモンドのタルト フルーツベリーのチョコレートカップ盛り アプリコットヨーグルトケーキ チョコレートケーキ

  緑茶 コーヒー 紅茶

  小菓子

アミューズブーシュとともにシャンパンを 2杯目はビールをいただきました
とにかく和食が恋しかったので、寿司膳を選択 まぐろ、しゃけ、いか、スズキ、いくらの軍艦、
巻き寿司
山菜入り茶碗蒸し
茶そば 今度は凍ってなかった(笑) 小海老みじん粉揚げ、牛フィレ味噌焼き、枝豆
梅のしずくゼリー
京風信田巻きと野菜の焚き合わせ
御飯と味噌汁 …寿司膳なのになぜ御飯
が…?
デザートはフルーツの盛り合わせを

 食事が済むと強烈な睡魔に襲われ、確か音楽を聴いていたはずなんだけど、気付くと寝ていた。いつも機内ではあまり眠れないことが多いのだが、珍しく2〜3時間は眠っていたようだ。その後もなんとなくうとうとしているうちに、朝食の時間になってしまった。

機内食2食めのメニュー

<洋食>

 プレーンオムレツ ソーセージ添え

 フレッシュフルーツ

 モーニングロール(バター/マーマレード)

 ヨーグルト

 チーズ クラッカー

 コーヒー 紅茶 緑茶

<和食>

 お粥

 鮭酒粕焼き 玉子焼き 京がんも旨煮

 香の物

 ぜんまい旨煮

 フレッシュフルーツ

 緑茶 コーヒー 紅茶

朝食も和食にしました 鮭酒粕焼き、玉子焼き、京がんも旨煮
ぜんまい旨煮 香の物 フレッシュフルーツ
お粥 
味がないんだけど、妙においしく感じる…(笑)

 私の2回めのヨーロッパ個人手配旅行も、特に大きなトラブルもなく無事に終わった。去年に続いて今年も温かい人情に触れ、たくさんの感動を味わうことができた。反省点としては、事前の下調べが不十分だったために、スイスの物価がいかに高いか、ということを知らずに行ってしまったこと。念のためお小遣いを余分に持って行っておいてよかった(実は出発当日の朝、「念のためにもう少し持って行こうかな」と財布に1万円札を数枚加えたのであった…)。実際、帰国した時には財布の中の1万円札はすべてなくなっていた。やはり、最低限の情報収集はしておくべきだな、と痛感(その割には以後もあまり反省の色はないのだが)。

お土産編
ノイシュバンシュタイン城で買ったブックマー
カー
ノイシュバンシュタイン城とリンダーホフ城の
絵葉書のセット(
ノイシュバンシュタイン、リンダーホフ、ヘレン
キームゼーの日本語版ガイドブック
2005年のカレンダー各種 サンモリッツ駅構内のキオスクで買った氷河
急行の日本語版ガイドブック
サンモリッツのセガンティーニ美術館で買った
絵葉書
サンモリッツの「ハンゼルマン」のフルーツチョ
コレート
同じくトリュフ ツェルマットのCOOPで買ったチーズ
同じくブリーチーズ ばら撒き土産用のチョコレート(笑) 「Lindt」のチョコレート
同じく板チョコ チョコレートボンボン ビュンドナー・ゲルシュテンズッペ
氷河急行オリジナルのグラス ヨーデルのCD




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