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− 中米・ニカラグアの地方都市・グラナダ −
猛暑の中の散歩(市内見物)に疲れて、ドリンク屋(軽食屋?)に入った。 私はリモナーダ(レモンジュース)を注文した。 ウェイトレスがリモナーダを運んできた。 「グラッシァス」と彼女に言った。 彼女の微笑んだ表情がちょっと素敵だった。 店の中で客は私一人だけ。 彼女と2〜3会話をした。 どんな話だったか覚えていないが、どうせ大した話ではなかっただろう。 リモナーダで水分を充分に補給して元気を回復した。 そしてその店を出た。 そしてまた数時間後の帰り道。 歩きっぱなしで疲れ、休憩を取りたくなった。 近くには、ちょうど先程のドリンク屋(軽食屋?)があった。 また、この店でいっか。 あのウェイトレス、綺麗な感じだったし、愛嬌もあったし...。 その店に入った。 「すみませーん。 リモナーダをお願い。 」 彼女が微笑んだ。 今回は私のほかにも客が一人いた。 彼女はその客と話をしていた。 その人のテーブルには口の開いたビール瓶が数本置いてあった。 彼女は私のテーブルの方へやってきた。 そして今度は彼女と私との会話になった。 しかしそこは小さい店。 結局、3人での会話になった。 彼が話し出すとやたらと話が長い。 容赦ない彼の早口で長い話は、語学力ゼロの私には全くに近いほど意味がわからなかった。 彼の長い話の途中で、度々私は彼女に目線を合わせる。 (俺、話の意味わかんないよ〜。) ところで彼は、昼間っから何本もビールを飲んでいるような人ではあるが、 職業を聞いてビックリ、弁護士をしているとのこと。 社交的なウェイトレス、陽気な弁護士のおじさん、日本から来た旅行者の3人の会話は続いた。 話が噛み合っていたかどうかは別として。 彼は紙切れを取り出し、ササッとメモを書き私に手渡した。 「ん?」 彼は 「それ彼女に見せちゃだめだぞ」 と言った。 「うん。」 メモを読んでみた。 『彼女はお前のこと好きになっているぞ』 というような内容だった。 ...まさか。 彼女「ねぇ、何て書いてあるの?」 私 「....。」 彼 「ナイショ。」 彼は私の手からメモを掴みとり、小さく丸めて道へ放り投げた。 彼女はそれを追ってメモを取りに行った。 彼女「どこ?」 彼 「ほら、あそこに。」 彼女はメモを拾ってきた。 彼女はメモを広げて読んだ。 別に否定も肯定もしなかった。 ただ読んだだけというような感じだった。 本当はどうなんだろう.... 再び彼はいろいろなことを長々と話し出した。 そして散々しゃべりまくった後、機嫌よく帰っていった。 「話しすぎよね、あの人。」 彼女は嫌な顔して言った。 「うん、本当に。 よく話す人だったね。」 そして彼女は思いがけないことを私に言った。 - つづく - |
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