思い出の写真から
〜  アメリカ編  〜




2000年春 グアテマラ


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アティトラン湖の玄関口となる村・パナハチェル。


女性たちの民族衣装・ウイピルが美しい。


パナハチェルにはたくさんの村から人々が集まってくるため
様々な村のウイピルを見ることができる。


男性の民族衣装は稀にしか見れない。
しかし1992年と1993年に来た時より
男性の民族衣装着用率は高くなったかもしれない。




アティトラン湖は『世界一美しい湖』のひとつと言われている。
しかし、雨季に近づくと対岸の山々の素晴らしい景色が
靄で覆われ、単なる普通の湖の眺めになってしまう。

残念ながら、今回のゴールデンウィーク休暇旅行では、
湖の本来の素晴らしい景色を見ることができなかった。











パナハチェルの近くの村・サンタ=カタリナ=パロポ。


ここのウイピルは特に美しい。


今はこの村のウイピルはみんな青色だが
以前は赤色が主流だったらしい。






「こんにちは」

「こんにちは」

「写真、写真」


どうせ写真を撮らせてからチップを要求するんだろう。

パナハチェルに民芸品を売りに来るこの村の人って皆そうだった。


「写真、撮らないよ」

「お金無いもん」

「バイバイ」






湖とウイピルを見ながら
小さい村を歩き回るのは楽しい。


女性たちが、ウイピルを手で編んでいる。



小さい村なので1〜2時間も歩き回れば
もう充分であった。







さてそろそろ帰ろうと思ったとき...

「こんにちは」


さっきの女の子だ


「こんにちは」

「写真撮りなよ」

「お金なんて要らないから」

「払わなくっていいの?」

「うん」



グアテマラを旅する多くの外国人が
美しいウイピルの写真を
お金を払ってでも撮りたがっていることを
ここの女の子たちは知っている。

それなのに

この女の子は撮影料のチップを要求しなかった。


サンタカタリナの女の子みんなが
お金に執着を持っているわけではなかった。

まだ、こんな子も残っていたんだ。


誤解していた自分が恥ずかしい。






「写真、ありがとう」












世界一美しい湖であると思っていた
このアティトランは、
何もかも変わっていた。

驚くほど発展していた。

たった7年間で。

パナハチェルの空には
パラグライダーが浮かんでいた。


ここにはもう自分の知っている
アティトランはなかった。



寂しかった。





ここを去る決心をした。

本当はこの湖の周辺の別の村々をも
たくさん訪れたかった。


しかし怖かった。

長閑で素朴な村の変わり果てた姿を見るのが。


あの村々は思い出の中に仕舞っておきたい。

自分があの村々に行かなければ、
あそこは自分の中では
永遠に7年前・8年前のまま。


思い出を失望に変えたくなかった。


結局、湖には1泊2日間の滞在で終わった。










古都・アンティグア




車の交通量・駐車量が増えていた。

どうしてこんなに車が増えたのか。

お金持ちが増えたからなのか。

或いは他の町や村へ行く道が
舗装されるようになったためか。

他の町や村へ行く途中、
ゲリラ・強盗などに
遭遇することがなくなったことで
車保有者が増えたのか。





でもそれ以外のこの都市の景色は、
あまり変わっていない様子であった。


美しい街並み、遠くに見える山、
歴史を物語る教会遺跡。


綺麗なこの都市の風景は、7年前に
鮮明に焼きついた記憶と一緒だった。


でも都会だけにあまり面白みがない。

都会で一人でいると孤独感に襲われる。




以前は、他の観光客や、スペイン語留学生、
それから地元の人たちと話をする機会があった。

でも今はその中に入り込めずにいた。

建物等は以前のままだが、
どこか見えないところで
都会の匂いが濃くなっていた。

どこか見えないところ....?
そのどこかとは
車の台数の増加だけではないと思う。
それは人々の表情だったかもしれない。

ここも自分の居場所ではないと思った。。




確かに、ここの景色はとても素晴らしい。

しかし、心が躍らない。

自分の休暇(GW)はたった9日。

ここにいたらもったいない。












まだ訪れたことのない町へ行こう。

新しい地で思い出を作ろう。

そうだ!
チチカステナンゴに行ってみよう。




チチカステナンゴ着。

んっ?

初めて訪れたこの町....
....でも....
この町の空気って懐かしい気がする。

なんとなく7年前・8年前に来た時の
グアテマラの空気を感じた。

ここは探していた地かもしれない。

近郊には古代マヤの遺跡もある。

7年ぶりにマヤの遺跡にも行ってみたい。




 




荷物をホテルに置き遺跡に向かって出発。

経由地・サンタクルス=デル=キチェに向かう。

私を乗せた軽トラックの乗合バスが快調に走る。


サンタクルス=デル=キチェに到着。


遺跡に行くにはここでタクシーに乗り換え。


その前に、この村を歩き回ってみた。

すると、どこからか音楽が聞こえた。

「もしかしたら、何かある。」

音楽の聞こえる方向へ進む。

「この建物を越えたところから聞こえる音楽だ。」

建物をぐるっと半周り。




「おお、この群集は!」

どうやらお祭りらしい。

きょうはツイているようだ。

「でも遺跡に行くすべきか、 
  祭りを見るべきか...。」

町の人の話によると夕方遅くまで
祭りは続くそうである。


「よし、先に遺跡に行ってみよう。」

タクシーに乗り『ウタトラン遺跡』へ。

この旅で初めて舗装されていない道路を見た。
(自分の知っているグアテマラらしさに出会った。)

この旅もようやく調子が出てきたような気がした。

ウタトラン遺跡に到着。

そこは、何もないところだった。




遺跡は土に覆われ、あまり遺跡らしくはなかった。

ただの空き地のようにも見えた。

誰もいない。

遺跡を訪れている人は自分だけ。

しかし久々のマヤ遺跡である。

派手さの全くない小規模な遺跡であるが、
遺跡は静かな方が古代のロマンを感じることができると思う。


(と自分に言い聞かせ、)
森の方に足を運んだ。


遠くに人影が見えた。




その人影は谷を降りていった。

− 何かあるのかな? −



興味に駆られて人影を追っていった。


その日チチカステナンゴに到着してからは
やっと運が向きつつあると感じてきたので、
思いも寄らない何かがそこにあると予感がした。



そこには.....。






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