思い出の写真から
〜 アメリカ編 〜
2000年春 グアテマラ
(続き)
ウタトラン遺跡
人影は谷の方へ消えていった。
その消えたところへ向かった。
階段のようなものが下に伸びていた。
- この下には何があるんだろう。 -
階段を降りて行った。
何か白いものを人々が囲んでいた。
そのうちの一人が何か叫んでいる。
それは間違えなく何かの儀式であった。
- 近づいても怒られないだろうか。 -
- やはり写真はまずいだろうか。 -
写真を嫌がるグアテマラ人は多いのだ。
そっとゆっくり近づいてみた。
彼らは外国人の私が儀式を見物しても
写真を撮っても許してくれた。
彼らが囲んでいた『白いもの』は花びらでできていた。
土着の儀式が見られるなんて思いもしなかった。
チチカステナンゴに来ることを決めてから
運が私に向きつつあるようだった。
サンタクルス=デル=キチェ
に戻ることにした。
- さて、どのようにして戻ろうか。 -
こんな何も無いところにはタクシーはない。
バスだっていつ来るのかわからない。
バスが本当に来るのかどうかも不安。
- 歩いていこうか。 -
この辺は危険だという情報を持っていた。
しかし運が自分に向いているという
ことを信じて徒歩で帰ることにした。
歩いていると気持ちがいい。
景色が綺麗だった。
山道を歩いているのは私だけ。
途中でパトカーが通り過ぎていた。
ちょっと安心した気分になった。
長閑な風景が広がる。
歩いて帰って正解だった。
サンタクルス=デル=キチェに到着。
祭りを見物。
いろいろな仮面を被って踊っている。
色白の仮面はスペイン人を表したもの。
牛の顔した仮面を付けている人もいる。
スペインの象徴を闘牛としたためだと思う。
見てて飽きない。
このままずっと見ていたかったが、
チチカステナンゴに戻らなくてはならない。
行きは乗り心地の悪い軽トラ・バスだったが
帰りは普通のバスに乗った。
長い道のりだったが隣の席の女の子と
おしゃべりしながらだったので楽しかった。
- 来て本当に良かった。 -
チチカステナンゴへ到着。
チチカステナンゴにはたくさんの露店が集まっている。
町全体がメルカード(市場)のような感じがした。
町を歩き回るのはとても楽しかった。
一つの建物の中にもメルカードがあった。
その建物の2階へ行くと中の様子がよくわかる。
この町はどこもどこも露店だらけ。
子供が寄ってきた。
「セレモニアやってるけど、案内するよ。」
チップを渡すのが嫌いな私は断った。
しかしセレモニアのガイドをするという
子供たちが次々と現れる。
- セレモニアはセレモニーのことだろうけど、
いったいどんなものなのだろうか...。 -
セレモニアが気になってきた。
(チップを払うのが嫌なので)
自分の足で見に行くことにした。
しかしセレモニアが行われている
ところが見つからない。
地元の人に聞いても『知らない』と言われたり
または人によって方角が違ってたり...。
- 本当にセレモニアってあるんだろうか。 -
結局チチカステナンゴでは
セレモニアは見れなかった。
地元の人に混ざってメルカード内の食堂で食事をした。
そこの食堂は安くて美味かった。
帰国の日が近づく。
楽しいチチカステナンゴを
去らなくてはならなかった。
グアテマラ市に帰って
その翌日USAに向かった。
おわり