旅行記(韓国編)〜思い出の写真から

たった2泊3日の韓国の旅
百済の都へ
2003年7月





たった3日間でどう楽しめるか不安だった。

たった3日間だったら
ソウルを拠点とした旅になるだろう
...そう思った。

ガイドブックは『韓国』全般を扱うものではなく
ソウルに限定してあるものを買っておいた。

たった3日間の超短期旅行
その最大の利点は荷物が少ないこと。
今までの旅行と違って大きなバックパックは不要。
もっと小さなリュックのみでOK。
これならソウル街中でもそのまま背負っていて
別に違和感はないだろう。


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    ソウルへ....


日程の都合で、ソウルのみの旅。
...しかし、やはり地方へ行ってみたい。
ふと気が付くと、成田空港で思わず衝動買い。
ガイドブック(韓国全般を扱ってるもの)を買ってしまった。
やはり、地方に行かなくっちゃ。

ということで、成田で旅の計画をガラリと変えてしまった。
といっても、旅の計画なんてもともと無いに等しかったが。

そして、ソウルからそれ程遠くない百済の旧王都・プヨ(扶余)を訪れてみることにした。
百済といえば日本と関係の深い国だったので興味をそそられたのである。


空港からソウル迄は非常に遠い。
ソウルへ行く為には、電車がまだ走っていないので、バスに乗って行くのが普通である。
(所要1時間以上)



プヨ(扶余)行きの長距離バスは、南部バスターミナルから出ている。



南部バスターミナルは韓国語で『ナンブ・トミナル』というようだ。(日本語と似た発音だった。)


バスは空港から南部バスターミナルまでの直行ではない。 ガングナム・ステーションで下車した。 ステーションがつく名前なのに、駅なんか無いようで、時間もないので、仕方なくそこからタクシーを使って南部バスターミナルまで行った。


 中央左寄りの建物が南部ターミナル






韓国の長距離バスには、各席にシートベルトが付いている。
乗客の殆どはシートベルトを着用していた。
私も折角だからバスの中でシートベルトを着用した。












私の旅のアイテム『ロンジー』:
ロンジーとはミャンマーで人々が普通に着用している腰巻である。
私はミャンマー以外を旅行するときにもバックパックの中に入れている。
もちろん、ミャンマー以外では、恥ずかしいから外では穿かない。
基本的には室内用である。
バス・トイレ共同の格安ホテルに滞在しているときなどに、大いに役立つ。(部屋からバス・トイレまでは、ズボンでなくロンジーで行くとラク。)
バックパックに入れておいても殆どかさ張らない。


    仁川(インチョン)国際空港からソウルへ


空港に到着。
そしてソウル市内の南部バスターミナルを目指す。

しかし南部バスターミナルへ行くのに、どの路線のバスに乗ったらいいかわからない。

よし、(カタコトの)英語で尋ねてみよう。
あっ! (固有名詞の)南部バスターミナルって、何て言えばいいのだろう。
「サウスバスターミナル」とか言ってみたが、通じない...。
(私の英語の発音のせい?)

ガイドブックにも、南部バスターミナルを韓国語で何て言うのか記載が見つからない。

しかし苦労の末、そっち方面のバスに乗ることができた。
やはりなんとかなるものである。



南部バスターミナルでバスの乗車券を買い、長距離バスに乗った。



空港からソウルまでのデラックスバスと違い、長距離バスは綺麗なものではなかった。
メキシコを思い出した。
メキシコでいえば2等バスのレベルだ。

出発前、ドリンク売りのおばちゃんがバスの中まで入ってきた。

− 本当にメキシコみたい。−

ますますメキシコを思い出した。

− いい旅になる予感!−


長閑な田舎道をバスが走る。
窓から見える景色は、日本の田舎のものとよく似ていた。


バスの走り出しは快適に思えた。
しかし、予期せぬ事態が待ち受けていた。
冷房がガンガンかかっているのである。
風が冷たい。
冷房は止められないようになっている。
Tシャツでは寒すぎる。
長袖は日本から持ってきていない。
他の乗客もちょっと凍えているようにみえる。
またまた、メキシコを思い出した。
− メキシコの夜行バスも寒かったな。−

だがこのままメキシコを懐かしんでいる余裕はない。
− なんとかしなくては。−

ふと、あることを思い出した。
小さなリュックに詰込んでおいたアイテム。
そして、それを取り出す。
『ミャンマーのロンジー』である。

ロンジーを広げて腕と体に被せた。
− だいぶ楽になった。−
こんなところで役に立つとは。
ロンジーを持ってきて良かった!







プヨは、ソウルからバスで2時間とちょっと。
都会過ぎず、田舎過ぎず、短期でなら住んでみたい町だと思った。



2003年7月現在、豪華な観光ホテルは、プヨには存在しない。
そんなところが、このプヨのいいところだ。 旅行者は経済的なヨグァン(旅館)を利用している。
ヨグァンの看板には温泉マークが付いている。



韓国の旅館には通常、2つのスタイルがある。
「洋室」と「オンドル」。
オンドルは、ベッドの代わりに床に直接布団敷く。
冬はその床が温かく快適らしい。






 ヨグァン(旅館)〜クリスタル・ホテル
 1泊25,000ウォン(約2,500円)













 トルソッパプ













韓国の掛け布団はカラフルなものだった。

    百済の旧王都・プヨ(扶余)


プヨへ到着。
まずは宿探し。
成田空港で買ったガイドブックを見る。
安いガイドブックを買ったのが災いして、泊まろうと思った旅館の地図がデタラメ。 1軒目も2軒目も...そして3軒目も地図で存在する筈の旅館がない。
無駄な時間を費やしてしまった。
(もう、このシリーズのガイドブック、絶対買わない!)


人に道を聞いてみよう。
4〜5人のおじさんたちがいた。
「エクスキューズ・ミー」
ガイドブックの旅館を指差して、私の意思を伝える。
おじさん達は、あっちだこっちだと話合ってるようだ。
− おじさん達も場所がわからないのか。−
「OK、サンキューベリーマッチ。(自分で探すよ)」
しかし、去ろうとする私を引き止める。
「あっちの方だ。」と指をさす。
そして、そのうちの一人が、途中まで付いてってくれるらしい。
− 韓国の人って温かい。−

旅館が見えてきた。
親切なおじさんと別れた。
「カムサムニダ。(ありがとう)」

旅館の目の前に着いた。
− えっ、探してた旅館じゃない...。−
でも諦めて、その旅館にした。


ジェスチャーで、宿泊したいことを旅館のおばちゃんに伝えた。
英語は全く駄目らしい。

部屋はもちろんオンドル(韓国式)を選択。

荷物を部屋に置き、街中を散歩。
ついでに夕飯にする食堂を探しながら。


どこの食堂に入ろうか悩んでいるうちに夜8時を回ってしまった。
プヨの食堂は9時で弊店になることが多いので焦った。


どこも一人では入りにくそうだったが、思い切って入ってみた。
テーブル(座敷)につく。

メニューみてもわからないから、ガイドブックを開いて、「このあたりのものが食べたい」と意思表示した。
ちょうど開いたページはパプ(飯類)のところだった。
店員は、これはあれだね、と壁に張られているポスターを指差す。
ガイドブックにある『トルソッパプ』というものだった。
私は「YES」といってそれを注文した。


『トルソッパプ』がでてきた。
店員は親切で、食べ方を丁寧に教えてくれた。
そして、食べた。

うまい!
感動的に美味かった。

夜9時を少し回ったところで、申し訳なさそうに店員がやって来た。
店員が両腕で三角形の形を作った。
− 閉店の意味かな?−
私は時計を指差してみた。
店員はうなずいた。
「OK。とっても美味しかったです。」
ビンの焼酎は半分以上残っていた。
「ビンごともらって帰っていい?」
とジェスチャーで尋ねてみると、了解してくれた。
そして店員は、店の名刺を手渡してくれた。
− 名刺、いい記念になる!−
「カムサムニダ。」

旅館に戻った。

就寝。
韓国の掛け布団、重い...。



    扶蘇山城


− しまった、寝坊した!−
もう10:45になっていた。

大慌てで支度。

ホテルのおばちゃんに、その日も宿泊する旨を伝えて、その日の宿泊費を払った。

おばちゃんはこの町の地図をくれた。
そして、この町の観光ポイントを説明してくれた。
韓国語の説明に想像を膨らませながら聞いた。
それでも、行くべきポイントはなんとなくわかったつもりになった。
「カムサムニダ。」
優しいおばちゃんにお礼を言って外に出た。



まずはプソサンソン(扶蘇山城)とよばれる小さい山を目指した。




その山には歴史的な木造建築が点在している。



古い建物には、漢字も書かれている。

      

日本と深く関わりのあった百済の都の遺物。

− とんでもないところに来たんだなぁ。−

感動していた。

      


ところが、突然の雨。
傘は旅館に置きっぱなしだった。

雨が弱いときに歩き、
雨が強くなったら雨宿り。

時間のロスだ...。


ああ、雨じゃなかったら
もっといい景色だったのに違いない。

雨が一段と強くなった。
近くに雨宿りできそうな木はない。

小楼が見えてきたので駆け込んだ。



たくさんの人が雨宿りをしている。
ずぶ濡れの私を見て
「△※○×▽ж%Ю。」
言葉わからないから愛想笑い。

下方に大きな川が見える。
− 天気が良ければ綺麗な景色だっただろう。−


雨宿り仲間のおじさんが
皆にガムを配って回る。
そして私にも。
「サンキュー カムサムニダ」

雨宿り同士の不思議な一体感...


雨が弱くなったので
外へ出て歩き出した。

川の船着場へ向かった。

船で市街地まで行けるのだ。








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