【報告T】

/// クレープ屋にご注意 ///



in Nyan U

2000年夏
ミャンマー(ビルマ) Nyan U にて





観光地・Nyan U(ニャンウー) にはたくさんのレストランがある。

その中にちょっとおしゃれな感じの「クレープ・レストラン」がある。

入り口のドアのガラス窓には
日本語の文字も書かれていた。

一見、親日的にも思えた。





昼飯はそこへ食べに行った。

メニュー(英語)を見た。

 「バナナ クレープ」
 「チョコレート クレープ」
 「りんご クレープ」
     ・
     ・
     ・
  等があった。


「バナナ」や「チョコ」はわかるけど
「りんご」

日本だってりんごは
青森など北の方でないと
なかなか栽培できないのでは。

− 缶詰などの輸入物なのだろうか。 −

値段を見てみると
「バナナ クレープ」と
変わらなかった。

興味に駆られて
「りんご クレープ」を注文することにした。



レストランの店員を呼び
メニューの「りんご クレープ」
を指差して注文した。

店員は言った。
「無い。」

店員はさらに
「ミャンマーで『りんご』なんて手に入るわけないだろ。」
というような事をさも呆れた感じで言った。


− だったらメニューに載せるな! −



結局、別のものを頼んだ。
(後でわかったことだが、ミャンマーのシャン高原で『りんご』は簡単に手に入る。)






さて、注文したクレープを
待っているときのことだった。



店員に片足をケガしている人がいた。
彼はレストランの中では偉い店員なのか
他の店員を仕切っている感じだった。

そして彼は他の店員に
デカい声で話していた。

「ジャパン ルーミョー マ チャイ プー!」

さらにその言葉を
何度か繰り返していた。


彼は私がミャンマー語を解さないと
油断していたらしい。

  


実は、こっちはミャンマー語を
少し勉強してきていたのだった。

(本当に少しだけ。)
そのくらいの意味は理解できた。




「ジャパン ルーミョー マ チャイ プー!」
の意味は
「I don't like Japanese people!」
である。



− さてどうしようか。 −


その店員に、まさか殴りかかるわけにはいかない。
(彼は片足をケガしているので卑怯な感じになるし。)


その場で文句を言っても
気が晴れるわけでもない。


次に来る日本人のために、
ここは黙って帰った方がいいと思った。







---------------



このレストランには客の「感想ノート」が置かれてた。

様々な国の人が、
そのノートにいろいろ書き込んでいた。

ここのレストランの感想だとか、
この近辺の遺跡やホテルの情報だとか。


そのノートには日本人の書き込みがいくつもあった。

中には自分のプリクラ写真まで貼っている日本人女性もいた。


ここのレストランの店員に日本人嫌いがいると知っていたら
こんな書き込みはしないだろう。
そう思った。


---------------



ミャンマーには日本人に好意的な人が多い。
また、彼のような
日本人嫌いも幾度か見かけた。

ミャンマーに限らず
世界中に日本人嫌いは存在する。

旅行をすればするほど
日本人嫌いな人に出会う回数は
増えてくるのは当然である。


日本人嫌いの人に出会うたび
いちいち頭にきていては
折角の旅行がつまらなくなる。

悪口は極力
聞き流すことにしている。




とりあえずこの場では冷静になり、
そこのレストランで店員が
「ジャパン ルーミョー マ チャイ プー!」
と言っていたこと等を、出会った日本人に報告して
気を晴らした。





− 「in Nyan U」おわり −


Next Page     Top Page






Copyright© Masa M.