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ホテルでチェックインを済ませて、バルミス市場へ行くところだった。 歩いていくつもりだったが、リキシャが2タカという格安の料金を提示してきた。(相場は10タカ弱くらい?/1タカがだいたい2円くらい) そんな安い筈はないと思ったので、2タカ硬貨を取り出し「本当にこれでいいのか?」と尋ねると、それで行くとのこと。 後でもめそうな感じはしたものの、リキシャに乗りこんだ。 そしてリキシャは市場とは別の方向に走っていった。 私はコックスバザールは2度目だったので、リキシャが逆方向へ走っていることはわかっていたが、敢えて何も言わなかった。 さて目的地のバルミス市場へは、通常の10倍くらい(?)の道のりを走って到着した。 私が2タカを払おうとすると 「(そんな少ない額)受け取れない、もっと払え」 とのこと。 - ほら来た! - リキシャがお金を受け取れないというので、サンキューとお礼を言い料金を払わずに歩き出した。 リキシャはついてくる。 「おお、お前、何で付いてくるんだ。」 「マネー、マネー。」 リキシャが金払えというので2タカを渡そうとする。 「500タカ!」 「ノー。2タカ、2タカ。」 2タカしか払うつもりはない。 こんなところで時間をくってても仕方ないので無視して歩き出した。 リキシャはやはり付いてくる。 わざと細い道に入ってみた。それでもリキシャはついて来る。 その細い道で、試しに180度方向転換をしてみた。 - どうだ? - それでもリキシャは器用に半回転して見せた。 ちょっと感心。 ずっとついてくるのでだんだん私も腹がたってきた。 リキシャはぶつぶつ言っている。何を言っているのかわからない。(ひと気の殆どない道だったたが)周りの人に悪い日本人だと思われるのが心配になった。そこで先手を打つ。 前方に3〜4人の地元の人が見えたので、彼らのところへ寄っていく。 彼らに伝えた。 「あのリキシャはね、最初2タカって言ってたのにわざわざ遠回りして、そのあとで500タカ払えって言うんだ。」 すると一人がリキシャに蹴りを入れ、そして殴りつけた。すごい音でしたのでかなり力が入っていた様子。 私はびっくりした。こんなことになるとは思っていなかった。 リキシャは、かなり痛そう。 別の一人は言う。 「2タカだけ渡してやって。」 2タカを渡した。リキシャは初めて受け取った。 でも、かわいそうに思ったので追加で10タカ渡した。(結局相場より高い額を渡したことになる。) (一部の人は除いて)バングラは困っている旅行者に親切な人々の国。 よく考えてみると私も悪い。 ・2タカというのはリキシャの嘘だと初めからわかってた。 ・遠回りしているのも知ってた。 それなのに、面白そうだからと、もめるのを承知で乗ったのだった。 からだを張って守ってくれた人にも、殴られたリキシャにも、申し訳ないという気持ちになって、そのあと落ち込んだ。冗談の気持ちでワザと罠にハマルようなことは2度としないと決めたのだった。 |
el 24/09/2005 |
おわり
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