「意見広告の会」ニュース316(2005.12.24) (1)2006年度文部科学省予算主要事項の掲載について、(2)守山の教育とキャンパス移転・譲渡問題を考える集い、(3)NHK裁判第八回口頭弁論  元デスクの証言、(4)都立大学 新大学のブランドの大暴落の現状とその原因は何か?

 

 

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「意見広告の会」ニュース316

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
   
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*「投稿」の場合は、その旨を当初から明確にしていただけると、確認のための時間が
かかりません。ご氏名、ご所属等の掲載方法などもご指定下さい。


** 目次 **
1  2006年度文部科学省予算主要事項の掲載について
      20051224日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局
2 守山の教育とキャンパス移転・譲渡問題を考える集い
           
「大学人の会」事務局
3 NHK裁判第八回口頭弁論  元デスクの証言
             http://lumokurago.exblog.jp/3261428/
より
4 都立大学 新大学のブランドの大暴落の現状とその原因は何か?
       2005.12.15  新大学を憂える教員有志 


***
1  2006年度文部科学省予算主要事項の掲載について
      20051224日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 政府は24日午前の臨時閣議で2006年度予算案を決定した。本事務局は文部科
学省予算主要事項を記載した文書を入手したので、全文をウェブページ上に掲
載する。詳細は、http://www.shutoken-net.jpを参照されたい。


2 守山の教育とキャンパス移転・譲渡問題を考える集い
           
「大学人の会」事務局

 「平安女学院大学びわ湖守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会」事務
局です。
先の大阪高裁宛て「要望書」賛同署名においては,大きな支援をいただき,ありがとう
ございました
。現在,守山キャンパス就学権確認訴訟は,117日付けで「上告受理申立理由書」を
提出し,最高
裁の判断を待っているところです。

 ところで,守山キャンパスの跡地をめぐっては,平安女学院が同キャンパスの土地、
建物を守山市に無償譲渡する代わりに、守山市は誘致時に交付した補助金256000万円
の返還を免除し(さらに,滋賀県が大学側に出した補助金8億円のうち、61747万円の
返還も守山市が肩代わりした),その上で守山女子高の立命館守山高への移管と抱き合
わせる形で,莫大な資産価値をもつ同キャンパスの土地、建物を学校法人立命館に無償
譲渡しました。

 平安女学院のわずか5年でのキャンパス移転,平安女学院・立命館・守山市長の三者
間での上記キャンパス跡地処理をめぐる一連のプロセスは,守山女子高校の突然の廃校
,守山市民の公的資産の無償横流しなど,学生・生徒への就学権侵害と市民の財産に対
する侵害を発生させました。
 この間,同キャンパスの市への返還と立命館への無償譲渡の裏には,立命館から平安
女学院への10億円にものぼる財政的支援が行われることが約束され,それが前提になっ
て処理が進められたことなど,非常に不明朗な事実関係も発覚しています。守山市民が
つくる団体(「市の財産(守女)を考える会」)は,(1)市から平安女学院への補助金
返還の放棄(2)県補助金返還の市による肩代わり(3)キャンパス跡地の無償譲渡は,いず
れも合理的理由がなく、これらは一方的に市の財産に損害を与えるものであり,違法で
あるとして,キャンパス跡地の市への返還,立命館への譲渡差し止めを求める住民監査
請求を提出しました。年明けには,市監査委員会から一定の結論が出る予定となってい
ます。

 「就学権確認訴訟を支援する大学人の会」は,こうした動きを受けて,「市の財産(
守女)を考える会」および「守山女子高校の存続を求める会」ととにも,3者で共同し
て,下記の「守山の教育とキャンパス移転・譲渡問題を考える集い」を開催することに
しました。この集いでは,「市の財産(守女)を考える会」から住民監査請求に至る事
実経過報告とキャンパス譲渡の問題性,また「守山女子高校の存続を求める会」からは
,公教育を守る立場から,2006年度からの全県1学区制への移行,そして今回の移管と
その手続きをめぐる問題,さらに「就学権確認訴訟を支援する大学人の会」より,大学
の公共性という視点から,学生の就学権とキャンパス移転の問題を,それぞれ報告する
予定となっています。この集いにおいて,守山キャンパス移転・譲渡問題,公立から私
立への全国初の高校移管問題の全貌が明らかになると考えています。

 是非とも多くの方が,この集いにご参加頂けますよう,お願い申し上げます。

集いのチラシ
http://university.sub.jp/shomei/20060115.pdf
「就学権確認訴訟を支援する大学人の会」HP
http://university.sub.jp/shomei/daigakujinnokai.html
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守山の教育とキャンパス移転・譲渡問題を考える集い

 守山の教育に関わる三つの団体は、共同して、「守山の教育とキャンパス移転・譲渡
問題」をテーマに集いを開催することとなりました。多くの守山市民の方々、そして教
育問題に関心をお持ちの方のご参加を呼びかけます。

日 時:2006115日(日)14:0016:30
場 所:守山市駅前コミュニティホール(JR守山駅すぐのセルバ守山3階)
 電話:077-514-3765(守山市駅前総合案内所) 
主 催:市の財産(守女)を考える会、守山女子高校の存続を求める会、平安女学院
大学びわ湖守山キャンパス就学権訴訟を支援する大学人の会
参加費:無料

<内容>
お話し 西村登志男さん(市の財産(守女)を考える会)
      三浦芳樹さん(守山女子高校の存続を求める会)
      碓井敏正さん(就学権訴訟を支援する大学人の会)
参加者による意見交換・交流
 司会:細川孝さん(就学権訴訟を支援する大学人の会)

<<問い合わせ先>>
市の財産(守女)を考える会:077-583-8224(西村)
守山女子高校の存続を求める会:077-522-4965
就学権訴訟を支援する大学人の会:075-645-8634(細川)


3 NHK裁判第八回口頭弁論  元デスクの証言
              http://lumokurago.exblog.jp/3261428/
より
傍聴してきました。2001130日に放送された「ETV2001」(女性国際戦犯法廷)
の番組改ざん問題に関する元デスクの証言です。

1
26日の試写では「なーんだ、この程度の番組か」と安堵した管理職(証言では固有
名詞が出ていましたがこう呼んでおきます−複数)が、永田町から帰ってきたとたんに
、「全然だめだ、話にならない」と変身。「毒は食らわば腹までだ」と、「慰安婦の存
在を消す」「軍・政府の責任を消す」「法廷への評価を消す」の3点を指示した。

放送前夜、徹夜の作業で編集し、音入れの作業が終わったところにまた、改ざんの指示
。今度は
・中国人元「慰安婦」の紹介と証言
・東チモールの元「慰安婦」の紹介と証言
・加害兵士の紹介と証言
を切れという。

元デスクは絶対に切るべきではないと思ったと言う。

大幅な変更を受け入れたが、元「慰安婦」の証言が残ることに意味がある。今から編集
をやり直すことはできず、その部分をただ切るだけになると、元々44分の番組(前の変
更の段階で43分になったが)を40分でやることは「NHKに異変があった」ことを外に
出すことになる。そうなるとNHKが深い痛手をこうむる恐れがある。

しかし管理職は「これは経営判断だ。責任はおれがとる」と。

組合からもはたらきかけてほしいと頼んだが、それまで全く情報がなかったので今すぐ
にはむずかしいと言われた。放送の中止もあっただろうが、処分問題につながると思っ
た。カットするのに9時頃までかかった。技術の人も「こんなものを出すんですか?」
と言っており、とても放送に耐えるものではなかった。

起こってはならないことが起こってしまった。我々はたたかうことができなかった。二
度とこういうことが起こらないように、後輩に伝えていきたい。
一審では編集過程を隠蔽していた。事実を明らかにして司法の判断をあおぎたい。
NHKにとってマイナスになるという意味で葛藤があったが、もしここで本当のことを
言わなければ、一生後悔して生きることになると思った。組織人としては正しくないが
、人間として正しく生きようと思った。これは屈辱的なできごとであり、ジャーナリス
トとして・・・(涙)
(私の前の席に座っていた若者も泣いていました。息子さんでしょうか?部下でしょう
か?)

NHKに20年近くいて、NHKは自分を育ててくれた。公共放送は必要だと思う。NH
Kには信頼を回復し、立ち直ってほしい。今のNHKは、この事件にかかわった政治家
を守り、与党との関係のみを大切にしているが、視聴者こそを大切にしてほしい。うそ
をつきながら信頼回復はない。視聴者に対する説明責任を果たしてほしい。

元デスクがいかに悔しかったか、悲しかったか、怒りでいっぱいなのか・・・ひしひし
と伝わってくる証言でした。予防訴訟の原告の証言もそうでした。このような人間とし
ての心からの叫びを平気で無視する日本の「司法」とはなんでしょう?今までのほとん
どすべての裁判でも彼らは無視しました。

反対尋問はわざとやっているのか声が小さくもごもごしていて、よく聞き取れませんで
した。
ひとつだけ・・・元デスクが「自分にはこの仕事に充分な知識と経験がある」と言った
ことに対して、「なぜそれならあなたが管理職にならなかったのか」というようなこと
を言っていた!!そんなことはNHKに言え!

元デスクは「中川、安倍が放送を中止するようにと言ってきたと今でも考えているのか
」という反対尋問に対し、「今でもそう考えている。根拠はある」と言っていました。


4 都立大学 新大学のブランドの大暴落の現状とその原因は何か?
     ――大学の再建策はどうあるべきか――
       2005.12.15  新大学を憂える教員有志 

 「法人化に際しては、大学の教育研究の特性に配慮すること」、「法人化は大学と十
分に協議し、双方の協働作業として進めていくこと」という'03.10.2の公立大学協会(
西澤潤一会長、現学長)見解を無視し、教員・院生・学生の要望・意思を無視した都(
旧大学管理本部)による法人設立と法人当局による管理運営は、大学からの教員の大量
流出や事務の混乱などを招き、危機的状況にある。ところが、法人当局はこの状況の深
刻さを全く理解しておらず、それらに対する対処方針や長期的戦略が欠如していると言
わざるを得ない。このことは、この間の動きや法人当局からの「提案」等で明白である

 そもそもこの危機的状況の根底には、法人当局が、学校教育法、地方独立行政法人法
、労働基準法、大学教員任期制法、教育基本法、憲法など数々の諸法規を軽視して、明
らかにそれらに抵触する施策を進めようとしていること、また国際標準であるユネスコ
の「21世紀の高等教育宣言展望と行動」(199810月、注)とユネスコの「高等教育
の教育職員の地位に関する勧告」(199711月)に反するやり方で管理運営をしてきた
ことに起因している。世界に前例のないこのような強引なやり方がまかり通るなら、中
期的にはそれが前例となって他の公立大や国立大・私立大に悪影響を与えかねないもの
であり、根本的な是正が必要である。
 短期的には、4月以降に現れてきた種々の実害を取り除くこと、特に学生・院生が意
欲を持って取り組める学習環境と教職員が安心して研究教育活動に専念できる職場環境
を作ることが、当面の緊急の課題である。この課題に本気に取り組もうとすれば、新大
学法人は、都民の財産としての50年に及ぶ都立4大学の教育研究の蓄積を継承発展させ
、大学構成員が夢を持てる大学とすべく、運営のあり方を抜本的に改める立場に立つ必
要がある。具体的には、大学構成員、とりわけ教員集団が、憲法・教育基本法をはじめ
とする関係法規に従い、学生ないし都民・国民に対して大学の教育研究サービスを提供
するという直接的責務の遂行が出来るよう自由に意見を述べることが出来る権利の保障
・地位の確立を求めるとともに、事態打開のために協力する必要がある。
(注):「教育および教育研究への権利は、高等教育機関での学問の自由と自治の雰囲
気のなかでのみ十分に享受することができること、そして、発見や仮説および見解の自
由な交流こそが、高等教育の中心に存在し、かつ学問および研究の正確さと客観性を最
も強固に保障する(「ユネスコ勧告」前文)」  

*長文なので、以下見出しだけ示します。

序 大学の危機的状況
1.重大な状況の頭脳流出
2.偏差値が「暴落」
3.研究教育環境の劣悪化

I
.新大学が抱える問題点
 A.学生・院生教育上の問題点
 B.研究遂行上の問題点
 C.大学の地域貢献・学外社会に対するサービス
 D.教職員の労働条件―――問題点
 
.法人による大学運営上の重大な問題点

II.
危機の原因となっている法人の方針・施策とその問題点の分析
 1.産業に奉仕する大学への改変の発端―――東京都 産業科学技術振興指針(032
月)
 2.大学自治権の剥奪――国際水準からかけ離れた大学
 3.都の人事の系列下に置かれた大学管理
 4.法人と大学の混同――諸々の業務運営上の混乱の原因
 5.法人が大学に介入・業務の混乱――根本的誤りを生む根拠=定款24条「業務の範
囲」
 6.大学にふさわしくないピラミッド状の組織形態――理事長の絶大な権限
 7.「効率主義」、競争原理は、機能するのか?
 8.実学偏重――低い投資効率
 9.学部名称と5学部を都市教養学部と大括りした無理――都市教養学部
 10.私立大学型の財政経営方式――人文系削減は経営上の過ち
 11.教員の任期制――法人の無理解と高コスト
 12.単位バンク制――教学権の損なわれた大学は機能するのか

III
.大学運営に関する当面の打開策と抜本策

<編集後記>
 大学管理本部(旧)や法人当局と大学との間で、これまで起こってきた色々な事実・
問題点をまとめてみて、本当に大学をぶち壊すようなひどいやり方が、よくもここまで
行われてきたかと感じる。