「米長邦雄氏の免状では、まっぴらご免」 澤藤統一郎氏が日本将棋連盟宛に公開質問状(2009.7.16)

 

『澤藤統一郎の憲法日記』 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/sawafuji/ 

2009年05月28日、06月04日付より

 

「米長君、君に教育委員は務まらない」(澤藤統一郎の事務局長日記2004年10月31付)(2004.11.1) 参照

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/04-11/041101yonenaga-tsutomaranai.htm 

米長邦雄氏が、東京都教育委員/日本将棋連盟会長としてふさわしくない理由 参照

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/yonenaga.html 

 

社団法人日本将棋連盟 御中

2009年05月28日(木)付

http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/sawafuji/index.cgi?no=174 

 

私は将棋が好き。もちろん下手の横好き。
この20年誰とも対局はしていないが、クイズの一種として、「次の一手」問題を解くのが面白い。毎週2問出題の毎日新聞の紙上棋力認定テストでは、9週連続満点で10週目に1問の誤答。これで、200点満点の190点、5段位の申請資格があるという。
ところが、段位を授与する日本将棋連盟の会長が、あの米長邦雄である。
で、次の質問状を連盟に送った。
返事があれば、ご紹介する。

                   
 私は将棋愛好家のはしくれです。
 余暇に恵まれず対局の機会はほとんど持てないのですが、新聞の将棋欄やテレビでの観戦を楽しみにしています。当然のことながら、将棋愛好家の一人として、貴連盟の発展を祈念して已みません。
 しかし、不幸なことに、私は貴連盟の会長である米長邦雄氏には好感が持てません。婉曲な物言いを避けて率直に申し上げれば、虫酸が走るほどに大嫌いなのです。
 氏のアナクロニズムで品性に欠けた言動には以前から眉をひそめていましたが、在野から発言する限りでは「言論の自由の行使」であって、「虫酸が走るほど大嫌い」にはなり得ません。ところが、氏は石原知事から、教育に関する見識ではなくその蛮勇を期待されて東京都教育委員に起用されました。行政権力を行使しうる立場となった氏は、教育にも憲法・教育基本法にも無知・無理解のまま、教育現場を混乱させ萎縮させる尖兵として大きな役割を果たしました。「大嫌い」の所以です。
 近々米長氏が貴連盟会長の任期を終えるものと心待ちにしておりましたが、本日、あと1期・2年の続投が決まったとの報道に接しました。そこで、やむなく、次のお願いと質問を申し上げます。

 私は、貴連盟にアマチュア段位申請の予定です。毎日新聞の紙上段位認定テストに連続10週応募し、200点満点のところ190点を得て、規程のうえでは5段位までの申請資格があるとされています。その段位の免状に、連盟会長としての米長氏の署名を拒否したいのです。
 もう、ずいぶん昔のことですが、盛岡に住まいしていたころに、日本将棋連盟岩手支部の推薦で初段位の免状をいただきました。その免状には、大山康晴・中原誠・二上達也という、尊敬に値する3名の棋士のお名前が連署されており、感動したことを覚えております。
 しかし、尊敬に値しない米長邦雄氏署名の免状では感動の余地はなく、むしろ、不愉快極まるものと言わざるを得ません。一将棋愛好家の、「米長邦雄氏の免状では、まっぴらご免」の気持を汲んでいただきたいのです。
 棋風について好みの棋士や、尊敬する幾人かの棋士を特に選んでお願いという我が儘は申しません。米長氏でさえなければ、棋士のどなたの署名でもありがたく頂戴いたします。
 なお、もう一点のお願いがあります。免状における段位允許の日付の表記が平成という元号でされた場合には大きな違和感を禁じ得ません。初代天皇・神武の即位を元年とする「皇紀」という年号表記にも、当代天皇の即位を元年とする「元号」表記にも、どうしても馴染めません。
 将棋と天皇制とは何の関連性もなかろうと思います。ぜひとも、国際的に通用する西暦表示で、免状をいただきたいのです。

 以上の2点について、よろしくお願い申し上げ、承諾のご回答を得て、段位の申請手続きに及びたいと存じます。あらためて申し上げれば、
 (1) 段位の免状から、米長氏の署名を外していただきたい。
 (2) 免状の日付の表記を、元号ではなく西暦でお願いしたい。
 将棋愛好家として、貴連盟からの快諾のご返事をお待ち申し上げます。

 なお、この質問書と貴連盟からのご回答については、何らかの方法で公開させていただきますので、ご承知おきください。

 

 

再度、将棋連盟に

2009年06月04日(木)付

http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/sawafuji/index.cgi?no=175 

 

続・将棋の話。
第67期将棋名人戦七番勝負の第5局は、昨日(6月3日)郷田挑戦者が羽生名人を破って、初の名人位に王手をかけた。
ネットやBSで時折観戦していた私にとって衝撃的な進行だった。
「ここは、完全に挑戦者優位ですね」「名人が盛り返しましたね」「千日手の手順を嫌って、再び挑戦者優位」と解説がなされるのだが、どうしてそのような形勢観となるのかが分からない。
そして極めつけ衝撃のラストは、王手も必死も一手隙もないままの名人の投了である。「どちらかと言えば挑戦者優位」の程度は分かる。しかし、投了しなければならないほどの大差があるとは到底了解困難なのだ。激しく王手をかけ合ってこそのシロウト将棋の醍醐味ではないか。こんなレベルの将棋を見せられても、ちっとも参考にはならない。

ところで、先の将棋連盟への通知に、返答があった。
「普及推進部 支部免状課」からである。たいへん丁寧で、好感の持てる文面であった。
段位免状での西暦表記を考慮すると言っていただいたことは欣快の至りである。
会長人事の一点を除けば、日本将棋連盟は健全である。

以下に、将棋連盟への再度の私信を掲記する。
                                         2009年6月4日
社団法人 日本将棋連盟
普及推進本部支部免状課
 ○ ○ ○ ○ 様
東京都文京区本郷5丁目22番12号
澤 藤 統 一 郎

 先に、段位免状の申請に関して下記2点のお願いを申し上げ、諾否の回答を求めた者です。
 (1) 段位授与の免状から、米長邦雄氏の署名を外していただきたい。
 (2) 免状の日付の表記を、元号ではなく西暦でお願いしたい。

 この不躾なお願いと質問に対して、貴職名でのまことに迅速で丁寧な回答に接しました。その真摯な対応に敬意と謝意を表します。
 将棋愛好者の一人として、会長人事を別とすれば、貴連盟が社会的な良識を堅持されていることを知り、たいへん嬉しく思いました。

 第1点のご回答は、「現会長の署名を外した免状の発行はできない」とのこと。私的な団体の取り決めであれば、ご無理を申し上げるわけにはまいりません。
 第2点については、「日付の表記は、通常は平成ですが、西暦の記入については考慮いたします」とのこと。この点については、心から感謝申し上げます。

 ご回答に接して、米長氏が会長職を辞することを心待ちにし、米長氏の署名のない段位授与免状がいただけるようになった時点で、速やかに段位の申請手続きをして、西暦表記の免状をいただきたいと存じます。その際によろしくお願いします。
 なお、私の毎日新聞紙上段位認定テスト応募は1248回から1257回まで、合計190点です。段位申請手続きが、米長氏退任まで遅延することをご了解ください。

 末筆ながら、(米長氏を除く)貴連盟のますますの発展を祈念申し上げます。