紙芝居 岩舟地蔵さま 5

 お坊さんが若者の家に来てから七日目のこと、一人の村人がお坊さんを
訪ねてきて言いました。

 「お坊さん、すまんがうちげの畑仕事を手ごしてごしならんか」

お坊さんはこころよく承知し、村人の畑を手伝いに出ていきました。
次の日にはこのことを聞いたほかの村人がやってきて

 「お坊さん、うちげの畑も手ごしにきてくださらんか」と頼みました。

お坊さんはこれにもこころよく承知し、村人の畑仕事を手伝いに出て行き
ました。
次の日も、その次の日も、村人たちはお坊さんを訪ねてきて、畑仕事を
頼みました。
時には同じ日に大勢の村人がお坊さんに頼みに来ましたが、お坊さんは
いっこうに困った顔をせず、みんなの頼みを引き受けました。

 

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