郵便局巡り歴史あり

 積もり積もった郵便局名のハンコ。それら一つ一つに、濃い薄いはあるにせよ何かしらの思い出があるものですが、100局の区切りごとに、当時の私の様子もあわせて振り返ってみます。嗚呼人に歴史あり、また郵便局巡りにも歴史あり。

1局目 水戸中央郵便局(茨城県水戸市)1988年3月28日

 もう10年以上も前になるんですね。中学2年生の春休みです。あの時は、「青春18キップ」が残っていて、それを使って、両毛線、水戸線、水郡線をずっと乗り継ぐ(それも日帰り)、なんて旅行の最中で、途中駅の水戸で、時間もあったんでしょう、じゃあ折角の記念に、ってな感じで、駅の近くの大きな郵便局に、ポケットにあった小銭200円を預けてみた、こんなことがきっかけになったんですね。
 じつは、これには「前史」がありまして、この数日前に、お金を預けようと通りがかりの「狛江西野川郵便局」(東京都狛江市)に立ち寄ったところ、いつも使っているATM機がなくて、仕方なく(ここがポイント)窓口でお金を預けたら、通帳に見知らぬ赤いハンコ(主務者印という、なんて、当時の私は知る由も無い)をもらえて、へえ、おもしろいな、なんて思ったことが伏流になっています。上述の鉄道旅行に際しても、不意の出費に備えて郵便貯金通帳を持っていたわけですが、それを見て、ふと思い出して、じゃあ赤いハンコがもらえれば水戸に来た記念にもなるかな、と、こんなことが私のその後の人生を、大きく狂わせてしまったわけです。

100局目 千歳船橋駅前郵便局(東京都世田谷区)1988年11月30日

 88年の4月に愛知県の明治村に旅行、その時以来、旅行貯金は明確に私の趣味になりました。ただ私の場合、旅行した時に郵便局に行くというだけにとどまらず、近所でもなんでも、とにかく郵便局に行ってハンコを押してもらうことに快感を覚えるようになってしまい、早速5月には当時在住していた調布市の郵便局に何度か出かけています。その後、狛江市、府中市、三鷹市とたいらげ、いよいよマンモス世田谷区へと差しかかったところで100局制覇。ところで当然ながら、当時の交通手段はもっぱら自転車。中学生の足には世田谷区(意外と坂が多い)を走り回るのも、結構難渋でした。おまけに全然知らない町でしたし。でも、この事を通して、私の行動範囲も、急速に広がっていきます。一応、当時の私は受験生のはずなのですが、郵便局を回ることにかけては関係無く意欲的で、その悪い癖はこの後も変わっていません。

200局目 五日市郵便局(東京都あきる野市)1989年9月25日

 高校1年生当時。私はハイキングも好きで、この時どこに行ったのかは忘れましたが、どこか秋川筋の山に登った後、ふもとの郵便局で一服したものでしょう。その頃は、近所の郵便局はあらかた行き尽くし、ちょっと遠場へ、放課後にちょぼちょぼ行ったり、たまの平日休みにどーんと行ったりしております。

300局目 高円寺南三郵便局(東京都杉並区)1991年3月20日

 高校2年生当時。この日は自転車で杉並区の郵便局をまとめて回っていますが、自転車での巡回はこのあたりが限界でした。時には、千代田区内などを徒歩で回ったりしています。でもこの頃はペースもずいぶんと緩やかでした。

400局目 松本埋橋郵便局(長野県松本市)1992年5月1日

 さすがに高校3年生の時は踏破スピードも落ちますが、それでも、予備校帰りに代々木や新宿周辺を回ったり、東京卸売りセンター内局(東京都品川区)や雑司が谷局(東京都豊島区)は、受験に出かけた帰りに立ち寄ったもので、数少ないチャンスを見事に生かす熱心さ(^^;。松本にも受験に際して訪問し、松本局、松本元原局にその足跡をとどめていますが、よもやその続きが回れるとは思っていませんでした。
 大学に合格して長野県松本市に転居、そしてGetした400局目です。この転居の経験が、私の郵便局まわり人生(笑)にも、非常に大きな影響を与えています。東京周辺の大学に通うことになったりすれば、おそらく大学の間に東京のすべての郵便局を嘗め尽くす、くらいのことはできたと思いますが、長野県に住むようなことがあって初めて、この地域に「第2の拠点」を築くことができました。これからも、私がもし転居するようなことがあっても、その近くの郵便局に行きまくって、楽しく生きていくことができると思います(苦笑)。

500局目 芝一郵便局(東京都港区)1993年8月12日

 大学2年生の夏です。大学1年の頃は踏破スピードが随分緩やかです。というのも、当時の私の交通手段はなおも自転車が主で、その限りでは、松本といえど市内近郊のいくつかを回るので精一杯。信州の山の前に歯ぎしりをしてたわけです。その他は、この郵便局に行った時のように、実家のある東京の郵便局に出かけるとか(この日は赤坂から浜松町へ、徒歩で港区の郵便局を回っています)、それも、実家にすでに自転車が無いので、徒歩で回るしかないわけで、そういった状況のもと郵便局数の伸び悩みが続いていました。

600局目 小伝馬町郵便局(東京都中央区)1994年3月15日

 伸び悩んでいた郵便局数も、ここに来て「普通自動車免許取得」と、「原付バイク入手」という大きな転機が訪れ、その後、数の伸びも飛躍的に大きくなっていきます。最初の100局くらいを措いて、その後100局回るのにだいたい1年くらいかかっていたいたのが、ここではおよそ半年で100局済ませてしまいました。
 この時期は、帰省するたびに、千代田・中央といった、徒歩でも(あるいは、徒歩でこそ)効率よく回れる都心部をつぶすことに躍起になっていましたので、それほど免許取得の効果があっての数字、というわけでもないのですが、この後、私の旅行貯金に対するスタンスも、大きく変化していきます。

700局目 八王子大和田郵便局(東京都八王子市)1994年9月2日

 この時期に、免許取得・バイク入手の効果が大きく現われてきます。長野県では、松本市を始めとして、塩尻市、南安曇郡、東筑摩郡といった郊外の町村の郵便局にも足を伸ばし、実家に帰った時も、自動車を使って、東京西郊の市町村を訪れるようになります。

800局目 清水郵便局(静岡県清水市)1995年5月23日

 大学4年生のこの頃に、こういう郵便局が顔を出すのは、非常に印象深いものがあります。当時は就職活動の真っ只中。この年の5月から8月頃までは、就職活動をしながらおとずれたあちこちの郵便局が顔を出します。この場においても、大学受験の時と同様に、そういうチャンスを生かしているさもしい姿が浮かび上がってしまうわけですが、その甲斐あってかどうなのか、その郵便局名で思い出される企業には、ほとんど内定を頂くことなく終わっています(T_T)。
 この日は、静岡鉄道のリクルーターさんに会いに行った日で、目的地はもちろん静岡なんですが、受ける会社の鉄道に一度も乗ったことも無いなんてのはアレだろう、と思って、手前の清水で降りて、静岡鉄道線に乗り換えて静岡入りしたのですが、その時に立ち寄ったものです。そこにももちろん就職はできなかったのですけれど、その時リクルーターさんと話したことなんかは今でも思い出される、私のいい財産になっています。

900局目 武蔵大和駅前郵便局(東京都東大和市)1995年8月18日

 たった3ヵ月で100局達成。大学4年生のこの時期は、郵便局訪問の最盛期です。就職先もいちおう定まり、今後働き出すと、もうこんなに郵便局には回れないだろう、ということを見越して、3日と開けず行きまくっています。この時期に、東京都多摩地区の郵便局は、だいぶつぶすことができました。

1000局目 飯田大門郵便局(長野県飯田市)1995年9月20日

 1ヵ月で100局です(^^; もうこうなってくると病気ですね。9月には、郵便局を回りがてらバイク旅行を2回しています。一つは、長野県上田市への1泊旅行、二つは、木曽谷から岐阜県中津川、伊那谷をまわり松本へ戻る3泊旅行、これだけで102局行ってます。8月に訪れた91局とあわせて、この夏は郵便局に捧げられたと言っても過言ではないでしょう(もっと違うものに捧げろっての)

1100局目 船橋本中山郵便局(千葉県船橋市)1996年7月25日

 大学を卒業して千葉県松戸市に転居。早速、松戸市を手始めとして、市川、柏、船橋と近所の郵便局に行き始めます。しかしやはり、関東は郵便局が多い。長野県にいた時分は、このペースで行けば近所はあらかた行き尽くせてしまったのですが、こちらでは居住4年目でも、まだ足立区にすら行き残しがあるというような状況、じっくり腰を落ち着けて取り掛からなければいけないですね。

1200局目 東久留米南沢五郵便局(東京都東久留米市)1996年9月2日

 この年は、就職したってのに、ペースが速いですね。というのも、私の職場は大学で、夏休みが他の職場に比べると格段に多い、というのが大きいです。この後も、夏場の郵便局巡りは欠かせません。
 この時は、群馬県に住んでいた友人を訪ねて、その途中に立ち寄った(思えば、ずいぶんひねくれたコースをとったものですが)郵便局。この趣味でいいのは、郵便局を見ると、「ああ、あの時にあんな所へ行ったんだっけな」なんて思い出せる、なんてこともあります。

1300局目 葛飾小菅郵便局(東京都葛飾区)1997年7月7日

 社会人2年目の、やっぱり夏です。やはり、東京23区はマンモス、というのか、機会あるごと回ってはいるのですが、足立・葛飾・江戸川といった東の3区はどれも巨大で、なかなかこの先に進ませてくれません。千葉在住4年目にして、ようやく荒川を渡れるかな、といったところです。

1400局目 出雲上町郵便局(島根県出雲市)1997年11月7日

 就職してから、秋には必ず何かしらの旅行をしています。この年は、行き帰り夜行バスで、現地で2泊するといった、変則4泊4日旅行をしたのですが、そこでも平日には性懲りも無く郵便局を回っています。この時は、松江と出雲で貸し自転車があったので、それを使って23局回り、結果島根県の訪問局数は、東京・千葉・長野・神奈川・埼玉に次ぐ6番目になってしまっています(この時しか行ったこと無いのに)。

1500局目 外川郵便局(千葉県銚子市)1998年8月24日

 就職3年目の夏。この時は銚子までバイクで1泊旅行をしております。軽いツーリング(原付だけど)みたいなものですが、そんな時にも郵便局訪問は忘れません、というか、すでにそれが自己目的化してしまっているような。「旅行貯金」じゃなくて、「貯金旅行」ですね、こいつは(汗)。

1600局目 足立平野郵便局(東京都足立区)1999年8月3日

 98年の秋にバイクが盗まれ、99年夏に購入するまでの間、半年以上、バイクを使っての郵便局回りができてなかったのですが、こうしてみると、なんだかんだ言って、通常のペース(1年に100局)は守れていますね。なんだかなあ。
 区部はまだまだ広いですが、ようやく、荒川向こうにも目を向ける雰囲気が出てきましたね。いつの日か、大田区あたりまで足を伸ばせるようになる日も来るのでしょうか。

(以上、1999年8月7日記す)

1700局目 田園調布五郵便局(東京都大田区)1999年11月4日

 3ヶ月で100局とは、結構この夏はペースが速かったですね。バイクを買ったのが余程嬉しかったのでしょうか。でも今度のバイク(ヤマハのJogなんですけど)は、前のバイク(ホンダの「名車」スーパーカブ)に比べ、燃費が悪いのが残念なところではあります。
 1600局目のところで「大田区あたりまで」云々、などと書いたもんだから早速行った、ってわけじゃないんですけれど、この日は思い立って、近場から回るんじゃなくて、遠場から攻めれば、その分後が楽になるんじゃないだろうか、なんてことを考えてのことです。行ってみれば、所詮は東京23区ですね、2時間もかからないで着きました(まあ、大田区と一言でいっても広いんですけど)。これからは、他にも練馬区とか板橋区とか、あえて遠いところから行ってみようかと思います。実は、1994年頃から東京都多摩地区の郵便局を回った際も、最初に奥多摩町から行く、というようにこの戦法(?)を使用しております。
 しかし、さすが田園調布でした。一言で「田園調布」と言っても、実際には、「田園調布本町」と「田園調布」では格の差がありますし、田園調布でも、駅の東側と西側では雲泥の差ですし(西の方がぐっと高級)、西側でも「3丁目」こそがモノホンの田園調布です。駅前だというのにやけに静か(上品)、街路樹と広い庭、入り組んだ道(道路が規格的に整備されていない方が、かえって高級住宅地っぽい。成城なんかもそんな感じのところがありますね。ただ、この場合ポイントは、その道がそれなりに広い、ということ、なぜなら)と、そこを走る外車様。の、この郵便局はそんな田園調布の外れの崖下にありました。ハイソサイエティを見上げて、というような。

(以上、1999年11月6日記す)

1800局目 練馬春日南郵便局(東京都練馬区)2000年7月31日

 やはり夏は郵便局の季節。この年の私は、図書館への異動を控えて、司書資格の勉強にいそしんでいるはずなんですが、そんな雰囲気はどこへやら。やれやれ、病気はこれだから困っちゃいますね。まあそれでも、1700局目からは8ヶ月かかっていますね。この時期はやはりどうにも多忙な時期であったということは言えると思います。
 この郵便局はちょうど豊島園の裏手にあります。近くには満車の駐車場があったり、プールからキャーとか歓声が聞こえてきたりして(くそ暑い日でした)、「ああ、僕は何やってんだろうな」という、ちょっと自虐的な環境になりがちなポジションでした。

(以上、2000年8月1日記す)

1900局目 花見川郵便局(千葉市花見川区)2000年8月21日

 夏は郵便局の季節ですが、今年の夏はちょっと行き過ぎだったかもしれませんね。1995年の夏にも迫りそうな勢い。まあ、いろいろあったのかもしれませんね(笑)。千葉県の郵便局をまわったのも久しぶりです。キリ局(笑)で千葉県が登場したのも、1100局め以来、4年ぶり。東京23区が歯ごたえあって、そちらにしばらくかかりっきりになっていたものですから。政令市といえど、千葉市の外れの花見川区は、そこかしこがのどかなところ。こういうところをバイクで走っていると、なんだかほのぼのと安心しますね。都心ばかりでなくて、たまには千葉もまわらないといけませんね。この花見川郵便局は、さつきが丘団地の中にある、集配も扱う大きな郵便局ですが、保険の窓口が独立してて、でもお客さんがいなくて、局員さんが暇そうに座っていたのを思い出しました。

(以上、2000年9月16日記す)

2000局目 東十条郵便局(東京都北区)2001年1月5日

 お正月が明けたら明けたで早速郵便局に行く奴(^^; 寒かったですねえ、この日は。でも、おかげでなかなか見つけられなかった(もうほとんどの郵便局で売り切れ)無地の年賀状を見つけられたんだから、まだまだ捨てたもんじゃない、ってやつですかね(何が?)。この日は寒かったですね。就職してからこっち、7月8月とか、12月1月とか、どうしても仕事が休みの時期に決行が集中しますんで、バイクで回るのもしんどいですよね。ところで、千単位の区切りは、やはり感慨深いものがありますね。1000局目から2000局目まで5年半かかったわけですね。なんだ、就職したって別にペース落ちてないじゃないの。困ったやつだね。

(以上、2001年7月19日記す)

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