AIXフルトヴェングラーForumアーカイヴ

byshin-p
このコーナーは1997年5月より98年1月まで開設していたAIX会議室のログを再録しました。AIXとhi-Hoはすでに閉鎖しています。現在はteacup上のWF会議室で読者の皆さんのご意見をお待ちしています。[HPフレーム版]検索目的にはフレーム版がおすすめ![資料室FrontPage]

3.0 4.28 ST氏 2ndメールに応えて、
4.0 「海賊盤」について思うこと 1
6.0 1950年の指輪の復刻
7.0 スカラのパルシファル
5.0 短信1<どうしたんだTAHRA>
9.0 1951/09合唱の録音ありますか?
10.0 TAHRA盤43年のBeethoven5番
12.0 問題盤ブラ1、まずは他力本願
13.0 エロイカ(preiser90251)


3.0 4.28 ST氏 2ndメールに応えて、
97/05/13 03:28 -
SK
1 ベルリン・フィルのエロイカはフルトヴェングラーの数々のレコードの中で
最も混乱しているものの一つで、ハント5版及びトレマン・ディスコグラフィ
共に間違いがあると思います。私の見解をお知らせします。

’50−6/20 独フ協会MMS9010、日RVC RCL3334、 R32C1091、
          日EMBLEM EF4001 米 M&A CD711
’52−12/7 独フ協会F666848、日フ協会WFJ1、
          加Rococo2050、米DiscocorpRR520、日コロンビア各種
          米M&A CD520、日Disques Refrain930065
’52−12/8 仏TAHRA FURT1008、
          伊Cetra LO530、仏Rudollphe32522/4、RPV32801、
          日キング各種、米M&A CD869

以上と考えます。なお伊Hunt及び日Paletteについては現在手許に無く、
確認できません。日EMBLEMの一連のCDは、トレマンのディスコグラフィに
記されたとおり、全てドイツまたはフランスの両フルトヴェングラー協会盤
のコピーで、仏フ協会の役員でかつTAHRAレーヴェルを興して正規に巨匠の
録音の公販に努めるトレマン氏が厳しく非難する所以です。

2 ブラームス交響曲4番 Disque Refrain910004について
 ハント、トレマン供に’48−10/24のEMI盤と同一としており、
私もそう思います。10/22はダーレム・ゲマインデハウスでの放送用の
録音で、同日録音のバッハの管弦楽組曲がグラモフォンより発売され、
また24日の同曲も独フ協会より頒布されており、この二つを聴き比べれば
ダーレムの少しレンジは狭いものの残響の豊かな録音と、
24日ティタニア・パラストのクリアだけどドライな響きを確かめることができ、
ブラームスについてはこの様な音質の差異を感じられないのです。
演奏中のノイズも聴衆の存在を感じさせ、一致するように思います。
このCDは以前海賊盤(LP)GCL5004/5として売られたもののコピーで、
一連のDisque RefrainのCDの殆どは、それまでに何らかの形で販売された
海賊版のコピーで構成されています。ですからEMBLEM、Evangel、Elaboration
の協会盤コピーの音源に比べて著しく劣った音質で、トレマンの云うように
同じ制作者によるものでは無いと推測する所以です。
因みに上記’52−12/7のエロイカのDisque Refrain盤はM&A CD520
のコピーです。

 長くなりましたが、新しいディスコグラフィが出る度にチェックし
、あれこれとフルトヴェングラーの録音に思いを馳せるのは、
何より楽しいことです。また参ります。



3.1 Re: 4.28 ST氏 2ndメールに応えて、
97/05/13 21:29 - shin-p

HUNT(ARKADIA の12/3とジャケットに記載のあるCDは
本文中でも述べましたが、
12/8盤のtahraと同じと思われます。
終楽章冒頭部のノイズなどが完全に一致します。


3.2 Re^2: 4.28 ST氏 2ndメールに応えて(本人より)
97/05/18 00:56 - 都志見正次
STこと(?)都志見と申します。

BPとのBeethovenの3番3種については、私の勇み足(?)です。たまたま
私の所有する盤に関して「だけ」はHuntの5版と完全に一致しただけなのを、
「Huntの5版で正しい」と決めつけてしまいました。失礼しました。
一応私の所有する盤をあげておきます。

50年6月20日? : RCL3334、CD711
52年12月7日? : CD520
52年12月8日? : K20C13、Furt1008

と、恥ずかしながら生意気を言うには手持ちのネタは少ないです。

48年のBrahmsの4番のDisque Refrain盤を「EMI盤とは別物」とした根拠は、
主にオーディエンスノイズです。例えば、EMI盤では第2楽章が始まってしばらくは
聴衆のくしゃみやせきが何回も聞こえますが、DR盤では殆ど聞こえません。
オーディエンスノイズ以外では、第3楽章の冒頭の音で、EMI盤は弦が突っ込んで
いますが、DR盤はティンパニが突っ込んでいます。確かに、この2種は演奏も音質も
酷似していますし、ディジタルで編集すれば、オーディエンスノイズを消すのは
そう難しいことではないので、やはり同一なのかもしれません。DR盤がLPからの
板起こしなのもバックグラウンドノイズから確認できますし。
ただ、残響に関しては、協会盤はそういうことはないと思いますが、市販盤では
多かれ少なかれ後から電気的に付加されていることが多いので何とも言えないのでは
ないかとは思います。なお、EMI盤に関しては、CDの全集盤、5655132(3枚組)
に含まれるもので比較しました。

ちなみに、私はF協会員ではないので「基本的には」協会盤は聴きようがありません。
たまに中古盤屋に出ていることがあるので、全く聴けないわけでもないですが。


3.3 Re: 4.28 ST氏 2ndメールに応えて、
97/09/13 20:07 - shin-p(神奈川S氏)
神奈川のS氏より「英雄」の日付についてメールをいただきました。
以下原文を掲載します.(shin-p)


録音日に混乱のある1950年6月20日及び1952年12月7,8日の「英雄」
ですが、私も手持ちのオーソライズ盤及び非オーソライズ盤とオーディエンスノイズ
で比較してみました。

表示          オーソライズ盤        非オーソライズ盤
1950年6月20日 独フ協 MMS-9010       RVC RCL-3334(ラウディス原盤)
1952年12月7日 日フ協 WFJ-1          C OZ-7584(ワルター協会原盤)
1952年12月8日 Tahra FURT-1008〜11   K K20C-13(Cetra原盤)

上記の3つの日付の盤は全て別の録音であるばかりでなく、非オーソライズ盤と
オーソライズ盤は一致しています。
つまり基本的には上記の非オーソライズ盤は表示通りで正解ではないかと思います。


3.4 Re: 4.28 ST氏 2ndメールに応えて、
97/09/16 00:01 - 今村
ブラームスSym.No4の問題盤への結論ということで、
わくわくしながら読ませていただきました。
私自身は現在比較検討を再開したばかりなので、この投書は結論ではありません。
しかしshin−p氏の本文中に第2楽章について、飛行機のノイズが
EMI盤には存在しないとかかれてあることについては、
私はそうは思いません。
こういうマスクされやすいノイズはブライトクランクがはっきりと
きわだたせてくれます。東芝EMI発売のTOCE-9086-90
を聴くとはっきりと飛行音がききとれます。
ただしそのノイズは第2楽章開始から約1分の箇所からはじまり、
約1分継続します。検証ねがいます。

4.0 「海賊盤」について思うこと 1
97/05/23 02:11 -
SK
 フルトヴェングラー・オタクを長くやってると、いわゆるプライヴェート盤、
海賊盤とつき合うことになってしまう。
長らくつき合ってきた中で様々感じてきたことをちょっと書かせて頂きます。
 ダニエル・ギリスという人の書いた「フルトヴェングラー頌」という本
があって、巻末にディスコグラフィと各曲の評がのってて、
第九の項で、有名な’51バイロイトの第九についてネガティヴなコメントがあって、
「本当に聴きたいのはルツェルンの」第九とあって、当時バイロイトの第九
こそが究極の名演と思っていた私はビックリしたおぼえがある。
 そして聞くところによると、その’54年ルツェルンの第九の
「プライヴェート盤」という物が巷にはあるらしい。
一生懸命捜して手に入れて、聞いてみて、音の悪いのに驚いた。
これじゃどんな演奏かわからない。
思い出の品なので今でもおいてあるけど。
 その後、このルツェルンの第九はイタリアのチェトラから発売され、
これを原盤とする日本キング盤も登場し、
ずっとましな音で聴くことが出来るようになった。このキング盤を聴いた時の印象は、
あれほど期待してたルツェルンの第九が、この程度の演奏なのかとがっかり
したのを思い出す。
 その後、今度はスイスのレリーフというレーベルのCDで、
「ルツェルン音楽祭の歴史」というオムニバス・アルバムの中に
ルツェルンの第九の終楽章が入ってて、これが素晴らしい音質で感激して、
なんだあるんじゃないか、放送局のマスター・テープはこんなに良い音してるんだ、
と思って、
そうすると、伊チェトラは正規に契約して音源を取得した訳では無く、
早く全曲この良い音の状態で正規に発売されないかなと心待ちしていた。
 そして、とうとうTAHRAから発売されたその演奏は、「晩年のフル
トヴェングラー」そのもの、白鳥の歌、涙無くして聴けない演奏でした。
音質も巨匠の全ての録音の中で最高と云えるでしょう。

 長々と思い出話を綴ってしまいましたが、こんな私の経験は
フルトヴェングラー・オタクの皆さん同様の思い出がおありでしょう。
また、これはルツェルンの第九だけじゃなくて、大半の巨匠の実況録音盤で、
似たような体験をさせられているのです。

 私が問題にしたいのは、かつてのメーカー姿勢です。
往年の巨匠の実況録音を発掘して公に販売するのは素晴らしい行為です。
だからといって、何でも出せば良いという訳では無いでしょう。
海外のメーカーから粗悪なコピー・テープを買って、
それを売ってしまうという姿勢に、憤りを感じるのです。
何となれば私は金を払ってるのですから。
TAHRAやOrfeo、ERMITAGE、PRISER等々のマイナー・レーベルが丹念に調査して、
おそらく困難な交渉を経て最善の状態のテープを放送局から入手し、
より良い状態にして発売しているのに比して、お粗末と笑って済ませられることではありません。
一連の戦争中の録音を東芝は
ユニコーン原盤として未だに販売していますが、
このユニコーン盤は元々メロディアのLPから盤起こしして音源を録ったもので、
20年前ならこれしか無かったのだからしょうが無いと思いますが、
既にかなりのマスター・テープがロシアからベルリン自由放送に
返還されているのだから、ちゃんと契約してそこから音源を取得して
発売し直すべきです。
 因みに戦争中の録音は、現在のところ、メロディアのLPが一番音いいです。
メロディアのCDはヒス・ノイズを嫌ってハイ・カット・フィルター
を強くかけすぎたようで、音がねぼけ気味です。
そのメロディアは最近BMGに買収され、ひょっとしたらフルトヴェングラー
の録音も発売されないかと期待しているところです。

 長くなりました。一度や二度で終わる話じゃ無いのは初めから
わかってたこと。また書きます。


6.0 1950年の指輪の復刻
97/07/11 16:03 -
いわた
チェトラ、M&A、アルカディア など各種の
復刻CDがあるようですが、どこのレーベルが
もっとも明瞭でしょうか?
実はアルカディアで黄昏だけは聴いています。
あの音で私には充分ですが、もっと良い復刻が
あれば後悔したくないので、体験をおきかせ
下さい。

6.1 Re: 1950年の指輪の復刻
97/07/12 17:43 - SK
いわた様

 基本的にはCETRA CFE101 (LP) をお勧めします。
CDでわ CETRA CDC15 , 26 , 27 , 28 で、全曲がそろいます。
CETRA盤はRAIからテープを入手したものということですから、
もっとも信頼度が高く、音質的にも優れた物と考えます。

 ところで、最近明らかになったことですが、
(ルネ・トレマンのディスコグラフィ)
Arkadia WFE 364.4の「神々の黄昏」は、その他の全ての従来盤とは
違う日の演奏だというのです。
早速、調達して、何カ所か試聴してみたところ、確かに違うところが
散見しています。
全曲を丹念に聴いたわけではないので、断定的なことは言えませんが、
おそらく、別の日の録音でしょう。音質的には、それほどの優劣はありません。
 1950年スカラ座での上演では、各演目が3回ずつ公演されたと
記録にあり、その内のどの日の公演の録音かということが、
しばしば問題にされたきたのですが、今回のArkadia盤の出現により、
他の演目についても未公開の録音がのこっていることが期待されます。

 そんなマニアックな話題ではなく、フルトヴェングラーのスカラの
「リング」を聴きたいということなら、CETRAの前記の盤をお勧めします。


6.2 Re: 1950年の指輪の復刻
97/07/14 08:45 - いわた
S.K.さま どうもご教示ありがとうございました。
原資を確保してCD屋さんめぐりをいたします。

しかし聴いたことのあるアルカディアが謎の録音
だとは驚きました。

7.0 スカラのパルシファル
97/07/13 20:54 -
shin-p

e-mailでKYさんから
「スカラのパルシファルはどうなりましたか?」
というお便りをいただきました。

TAHRAのルネトレマン氏は
「フルトヴェングラーが演奏した日にイタリアで
同曲の演奏が放送されたがそれは、グイ指揮カラス(S)
のものだったのでそれと混同している」
と記載しています。
つまりフルヴェンのパルシファルの録音は存在しないよう
ですが、本当のところはー

SKさん、いかかですか。  by shin-p

7.1 Re: スカラのパルシファル
97/07/16 04:24 - SK
 私も、TAHRAのCDのリーフレットにある、トレマンの報告以外に
この時の録音についての情報は知りません。一度はEMIが発売を
予告したのですが、それもたち消えになってしまい、残念ながら録音
は、おそらく遺ってないのでしょう。

5.0 短信1<どうしたんだTAHRA> 97/07/02 17:07 - SK
EVANGEL / FRL-1004とTAHRA / FURT1016を買ってきました。
ともに同じ '47-5/25のベートーヴェン・プロの録音です。
予想に反して、今回のターラ盤はエコーのステレオ・エフェクトは無く、
ほぼ完全なモノーラルの状態でした。
一方エヴァンゲル盤は予想通り、独フ協会盤CDのコピーでした。

問題はタ−ラ盤ですが、音が悪い!(独フ協会盤に比べて)。
また、以前のターラ盤は、録音の出典について、詳細な記述があったのに、
今回は、それも無い。
前回のFURT1014/5のモーツァルトといい、今回の件といい、
せっかくターラに抱いていた期待が損なわれたようで、とっても残念です。

というわけで、独フ協会盤が手に入らない人には、とりあえず、
エヴァンゲル盤をお勧めします。
------------------------------------------------------------------------ 5.1 Re: 短信1<どうしたんだTAHRA> 97/07/03 23:54 - shin-p
SKさん。久しぶりですね。
前回の会合(?)で、お気を悪くされたのかと
内心、心配していました。(笑)

ところでTHARAのCD、これで音が悪いのですか?
4楽章の金管など、相当素晴らしいと感動していたのに・・
それじゃ、RIASの録音水準は相当なものですね。

6月27日には各店THARAがなく、エヴァンゲル
を買おうかどうしようか迷ったのですが、TAHRAを
待って買ったのです!
もうこれ以上お金がありません。
(最近、擬似ステのブルックナーに凝っていまして
小遣いを使い果たしてしまいました)
今度、ぜひきかせてくださいね!(ぺ)

9.0 1951/09合唱の録音ありますか?
97/07/30 07:47 -
塚本善雄
 はじめまして。大変詳しいフルトヴェングラーについてのHPで、参考になります。
ところで、一つ質問があるのですが、1951年9月5,6,7日の3日間、ベルリン
での、ベートーヴェン第九の演奏会の録音は存在するのでしょうか。もし存在すれば
入手したいのですが、解れば教えていただけますか。よろしくお願いします。

 データは、オーケストラ/ベルリンフィル
      コーラス/聖ヘドヴィヒ教会聖歌隊
      ソロ/グリュンマー
         ピッツィンガー
         アンデルス
         グラインドル

以上です。

9.3 Re: 録音ありますか?
97/08/20 15:00 - SK

先の記述はオールセンのディスコグラフィにありました。

以上


10.0 TAHRA盤43年のBeethoven5番
97/08/18 23:35 -
都志見
都志見です。
まず初めに申し上げておきますが、
私はレコード会社またはレコード屋の回し者ではありません。

今回TAHRAより発売された1943年6月30日収録とされる
Beethovenの5番(TAH 272)ですが、私は高く評価します。

#Furtwaengler指揮のこの曲の演奏で、私の最も好きなのはこの1943年のものです。

一応、私の所有するこの演奏のソースを列挙しますと、
(1) 旧ソ連MELODIYA盤LPをコピーしたとされる、UNICORN原盤の東芝盤LP(WF-60045)
(2) 1989年の「返還テープ」を用いたNHK-FMの放送のエアチェック
(3) DG盤CD(427 775 2)
(4) 1990年再発されたMELODIYA盤LP(M10 05800 009)
(5) TAHRA盤CD(TAH 272)

まずは、明らかに音質が向上しています。第3楽章の終わりから第4楽章の頭にかけて
の部分でよくわかりますが、ピアニシモでのS/Nもフォルティシモでの歪も
「修復がうまくいった」程度以上に改善されています(解説には「ダイナミクスを
修正しただけ」とありますが....)。また、上記(2)〜(4)で気になった、
ノイズゲートをかけたような不自然なホールトーンも自然な響きに戻っています
(この点に関しては(1)は良)。

次に編集の問題。上記(2)〜(4)では、第1楽章冒頭がフェイドインしている感じに
きこえるのと、同じく第1楽章の442〜443小節が差し替えられている点が
気になっていましたが、オリジナルと思われる姿に戻っています。
これを聴くと、出だしのアインザッツがもう一つ揃っておらず、最初の8分音符に
前打音がついているようになっていますが、(2)〜(4)の元になったテープでは
この「前打音」を削ろうとしてあのようになったのかもしれません。
(1)でも「前打音削除」の作業が施されているようですが、こちらは
うまくいっています。次の「差し替え」に関してはよくわかりません。
(2)〜(4)の元になったテープ固有の問題でしょうか。(1)では「差し替え」は
行われていないようです。

TAHRA盤CDから話はそれますが、以上の点から、上記(4)に関して発売時に言われた、
コピーである「返還テープ」とは別の「オリジナルテープ」から作られた、
という「宣伝文句」には疑問が残ります。(1)の元になった旧プレスMELODIYA盤LPに
関しては当てはまっていると思われますが。

ともかく、前にTAHRAから出た1947年5月25日の同じ曲のCD(FURT1016)に匹敵、
あるいはそれ以上と言ってもいい「改善」だと思います。これに比べると、
1947年5月27日の同曲の「ORIGINALS・FURTWAENGLER(日本DG)」盤は
「改善度」の点でちょっと期待はずれでした。この「別テープ」シリーズ、
今後も続けて欲しいものです。

残念なのは、FURT1016同様、テープの素性が明らかにされていないこと。
これだけの成果をあげているのですから、ぜひとも明記して欲しかった。

#ところで、カップリングのAbendroth指揮の6番はどうなの?
#....。


10.1 Re: TAHRA盤43年のBeethoven5番
97/08/20 15:10 - SK
都志見氏と同意見です。
TAHARA272の「運命」の音質は、今までのどのレコード(同日演奏)
と比べても、最高のものです。

以上



10.2 Re: TAHRA盤43年のBeethoven5番
97/08/21 23:55 - shin-p
余談ですがIE4のPP2は使用しない方が無難なようです。
どうもダイアルアップ関連の連携がうまく行っていないようで
日本語化も完全ではありません。
私の設定ミスかもしれませんが・・・

そんな訳でコメントが遅れましたが、ターラの43年運命は
やっぱりスゴイです。聞き比べないとわからないものですね。
お金がなかったのでHMV池袋の試聴機で済ませてしまった
のが駄目でした。

shin−p

10.3 Re: TAHRA盤43年のBeethoven5番
97/11/04 08:59 - HS
神奈川のHSです。私もTahra TAH 272にはメロディアの復刻盤とまるで別次元の音にカルチャー
ショックとも言える驚きを覚えました。ただ1つこれまで触れられていない問題点をあげると
どうもピッチがちょっと低いのです。勿論当時のフルヴェン/BPOがもしかしたら今日より低い
ピッチに調弦されていた可能性も残されていますが、例えば私の持っている唯一の最近の演奏
(クライバー/VPO DG 447 400-2)のピッチと比較すると
1)DG(427 773-2)及びメロディアの復刻LP(M10 05800),CD(MEL CD 10 00720):ピッチ高い。
2)初期メロディアLPからの版おこしと思われる C OP-7520(VOX原盤):同一
3)Tahra TAH 272:低い
と言う事でどれが正解なのか本当の所は解りませんが、やはりピッチの点で一番しっくり
来るのは2)です。ですから3)を聴く時は1回カセットテープにダビングした物をテープスピード
の微調整が可能なSONY WM-D6Cで再生して聴いてます。たかがピッチと言う声も聞えそうです
がちょっとでもピッチが異なると演奏から受ける印象が随分異なるのも事実です。



10.4 Re: TAHRA盤43年のBeethoven5番
97/11/09 01:15 - 都志見
私は絶対音感がないのでえらそうなことは言えないのですが、ピッチが演奏の印象に与える
影響に関しては認識しているので、「歴史的録音」や「海賊盤」用にピッチコントロールの
できるCDプレーヤー(カラオケ用)も使っています。言い訳になってしまいますが、私も
この手の録音が出た際には必ずピッチのチェックはしている(ここのディスコグラフィ中に
ある、エッシュバッハーとのブラームスの第2ピアノ協奏曲のTAHRA盤に関する私のコメントに
あるとおり)のですが、TAH272に関しては(絶対音感がないからですが)「許容範囲内」と
判断しました。モントゥー指揮のベートーヴェン9番(ウェストミンスター)従来盤の
第1楽章くらいに外れているとさすがに気になりますが。

音の高さの基準は一般的には「a=440Hz」と言われていますが、現在クラシック音楽の世界では
「a=442〜443Hz」と「高めに」合わせるようになってきています。また、ウィーンフィルは
昔からピッチが高めだったようで、最近では「a=445Hz」にしているときいたことがあります。
ベルリンフィルも現在は「高め」に合わせていますが、第2次大戦当時は「a=435Hz」だったと
きいたような記憶があるのですが自信はありません。ちなみに、実家にあった40年くらい前の
「百科事典」にはまさに「a=435Hz」と書かれていました。

この演奏をはじめとする第2次大戦中のフルトヴェングラーの録音のピッチに関しては
NHK-FMで「返還テープ」が最初に放送されたときにも桧山浩介氏が問題点としておられました。
その時には「返還テープ」のピッチが「a=440Hz」に統一されていることを疑問点にして
おられたのですが、上記の「a=435Hz」説もその時にきいたのかもしれません。「返還テープ」
再放送のエアチェックテープは残っているのですが、その時に一回目の放送の録音を
消してしまったので発言の確認はできません。機会があればその「エアチェック」テープの
ピッチがどうなっているか調べてみます。

但し、上記(エッシュバッハーとのブラームス)のようなあり得ないピッチの演奏をそのまま
出したりしているので、TAHRAがそういうところまで考慮してあのピッチにしたのかどうかは
疑問ではあります。

それと個人的見解ですが、「ウラニアのエロイカ」初版の伝説にはあのほとんど半音高い
ピッチの影響もあるのではないかと思います。


10.5 Re: TAHRA盤43年のBeethoven5番
97/11/15 00:00 - 山岸健一
飛び入りの山岸と申します。

>この演奏をはじめとする第2次大戦中のフルトヴェングラーの録音の
>ピッチに関してはNHK-FMで「返還テープ」が最初に放送されたとき
>にも桧山浩介氏が問題点としておられました。
>その時には「返還テープ」のピッチが「a=440Hz」に統一されていることを
>疑問点にしておられたのですが、上記の「a=435Hz」説もその時にきいた
>のかもしれません。

私も上の放送を聴きました。a=435Hz説はその時確かに聞きました。
マチガイありません。
こんなに評判がよいもの=TAHRA盤43年「運命」)ならば、是非入手した
いと思います。

10.6 1943・6・Beethoven:Sym.5
97/08/27 00:53 - 今村 剛
Tahra盤は良いですね。これまで、この演奏の最高音質として私が愛聴してきた
フランスF協会盤SWF7002Rを越えましたね。


10.7 Re: phono team なんて、嫌いなのだ。
97/09/17 02:20 -
今村
寒いなあ。などど、9月17日の午前1時をまわっている時刻にこのホームページをのぞいている。
体にわるいのでさっさと寝ようとおもっているのだが、自分の投稿について、さらにひとこと追加。
店頭でTAHRAのCDを見て、裏面にPHONO TEAMと書いてあったのでほんとうは、
買うのを最初ためらったのでした。
このphono teamとかいうやからは、1940年収録のタンホイザー序曲だ!などというもの等を
世にリリースした版元であったと承知していたからです。EMI盤で聴かれる6分あたりの激しい靴音(ストンピングとでもいったらいいかな)
が同じ箇所で(6分を10秒ほどすぎてはいるが)きくことができます。
同じ指揮者であれば同じ箇所で同じ指揮振りをみせるのでしょうか?
確率はたかいとはいえ、疑問がのこるなー。
なんでこんなこと書いてるかというと、今日もブラームス4盤のEMI盤とDR盤の聴き比べをしているからなのです。
4日目にして、どうやら別物という確信がわいてきたのです。しかし、いくら感動的な演奏とはいえ、日に2、3度も聴くとなると、
精神的に良くない観賞のしかたであります。20年ほど前だったかな。ある雑誌に、フルヴェンを聴きすぎて、あきてしまった、というか
その毒から卒業した、とかいって、コンヴィチュニーを礼賛している投稿を読んだときに、自戒したのです。
なにごとも過ぎたことは良くないと思ったのでした。宇野巧芳氏もたしかそんなようなことを書いておられたな。
(コンヴィチュニーを礼賛していたかの読者も、いまごろは、違う指揮者を信仰なさっていることでしょう)
というわけで、shin−p氏のブラームス4盤の分析の努力には頭が下がるとともに、あまりがんばりすぎないよーに、とおもったのでした。
というわけで、ブラームスを横においといて、タンホイザーを聴いたのでした。やっぱりフルヴェンなので、全然反省になっとらんのだが。
オーロラ輝子でもよいのだが、酒がはいってしまいそうなので。で、そのタンホイザーでphono teamなる存在をおもいだしたのであった。
いい加減な記録をねつ造してるんではないかいな、とおもっていた、こやつらの名をTAH272の裏面に発見したときは、全くうれしくなかったのであった。
(アーベントロートの田園の版権にたいしてだけなのかもしれんが。)
こやつらの名前が嫌いなのだ。
愛好家に無駄な出費と疲労を覚えさせるやからは、かわいくない(立派な犯罪だよな)。
というわけで、あやしげな盤の聴き比べなどということは、わたくしのような超マニアの
ひまつぶしでよろしいのです。
つれづれなるままに、だらだらと書いてしまって、このホームページのフォーラムを私物化してしまったようで。気が引けますので、結論を。
なにがいいたいのかというと、ようするに、phono teamには気をつけろ!
でした。
TAH272そのものはたいへんよろしゅうございましたが。
では。

12.0 問題盤ブラ1、まずは他力本願
97/09/25 00:52 -
imat
最近はアルツハイマーが進行してんじゃないかいな?と、自分の記憶力に自信をうしないつつある。
私は東京に住んでいるのだが、フルヴェンのLP,CDのおおかたは郷里の北陸に置いてある。
これまでもフルヴェンに関していくつかメールしてきたが、ほとんど記憶をもとに書いてきた。ゆえに、1、2の大間違いを帰郷(1997/9/22)の際に発見したのだった。ま、そのうち誤認点をメールさせていただきます(Fプラザにも)。

手元にあるのはブラームスでいえば、DR盤、EMI盤のCDのみ。LPは田舎にある。LPのいくつかはカセット録音でてもとにあるだけ。ブラームス4盤はGCLのLPも、手許にはカセットしかないのだったりする。

比較観賞では、本当はそれらのLPをも、もちいないと、いかんのだが・・。

さて、ブラ1について。私家盤かな?フルトヴェングラー on the air というLPでブラ1を聴いてから、ずっと気になっていたことがある。
このLPをお持ちの方でかつ、詳しい方にお尋ねしたいのだが、これに収録されているアナウンサーのしゃべりの感じからして、NHKの放送のエアcheckをソースとしてもちいているんじゃないかと思うのだが。これって、桧山氏がフルヴェン クリティカル ディスコグラフィで、1953年5月18日の演奏が昭和35年1月5日にNHKで放送されたと
記述しているものと同一のものなのでしょうか?

この私家盤LPでは、第3楽章で 弦がぷっつんと切れる音がはっきりと録音されてます。
でも演奏はDGGのLPとそっくりです。DGGのLP(2535 162)、CD(427 402-2)では弦の切れる音は聴けません。
このころから、つまりこの私家盤を聴いて以来、今年1997年の8月中旬までは、3楽章はどうなってんのかな?とひそかに悩んでいたのだった。何年もの間、ものぐさゆえ検証せずほったらかしていたのだが。そのくせ shin-p氏には 私信で、「怪しいぞ、DGGのブラ1は!」 などと書いていたりする。

DGGのCDでは最新のthe originals (POCG−3793 453 604-2)でのみ(4分7秒)、この弦の切れる音が聴けます。ということで、重い腰があがりつつあります。
ついでですが、ヴェネチアのCD(V-1001)でも聞けます。かっかっかっか(大笑い)。これでヴェネチアの正体はわかったも同然!?。

というわけで、まず他力本願!
検証済みの方、おしえて!


13.0 エロイカ(preiser90251)
97/09/29 00:37 -
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最近、元気なimatです。対戦中録音の初出盤記事を読ませていただきました。
いわゆる、ウラニア英雄といわれている演奏はpreiserのCD:90251 が最も音が良いには同意します。
ウラニア盤を最も忠実にコピーしたという売り文句のURCD7095(Limited  Issue:Only 200 copy)は
たいしたことはなっかったからな。あれで忠実というならオリジナルのLPを手にいれるのに20万円前後の金を費やしたりせんで、よかった。
一般にVOXやUNICORN盤は盤おこし、といわれてはいるが、
針音がURCD7095のように盛大に聞こえたりしないので、ノイズフィルターを
活用しているのだろう、ということにしておきましょう。第1楽章冒頭の2つの和音の音量を故意に持ち上げ、また、
ドンシャリ気味の音づくりといわれているウラニア系のものでは、BayerのBR200002、PricelessのD16395
が最も音がよいと私は思っている。LPでは伊EMIのセット物に含まれていたものかな。
そういう創作の音(ファンにとっては、そうあって欲しいということで、信仰されている
音作りなのかもしれないが)ではなく、最も混濁がなく、実際の演奏音に近い様子をききとれるのは、
preiserのCDであろう。
というところで、わたしの疑問。
preiserのCDでは一部、聴衆のノイズがはっきりと聞こえる部分があるのですが、これはどこから持ってきたモノなのか
ご存じでしたら、誰かおしえてください。
テープが痛んでいたので、差し替えたものなのかなと思われますが、
そうとは思えぬほどスムーズに聞こえなくもないので・・・。
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13.1 Re: エロイカ(preiser90251)
97/10/03 21:49 - shin-p
プライザー盤に聴衆ノイズがあるという理由については
推測ですが問題盤研究報告に掲載しました。
私も戦前の物については、あまりに問題が多く
お手上げ状態です。

13.2 Re: ウラニアのエロイカ
97/10/11 02:29 - 都志見
PREISERの90251は出てすぐ買ったのですが、ずーっと聴いてなくて、最近のこの盤への
問題点の記述を読んでやっと(部分的ですが)聴いてみました。音質については
個人の嗜好差もあるので一概には言えませんが、あのTAH272(1943年のベートーヴェンの
5番)と同列に扱える程のものでないとは言えるでしょう。

私、90251のソースは発売時期から勝手に例の「返還テープ」だと思っていました。
欠落している第2楽章は従来のソースを流用するかして。でも今回聴いた感じでは
これも「板起こし」っぽいですね。私の所有する従来盤(LPも含む)と比べて
ハムの音も含めて持続ノイズが全編通して大きくて、ところどころ演奏ノイズが
かき消されているくらいです。例えば、第2楽章の104小節(90251では7'40あたり)で
従来盤では聞き取れた「弦をはじく音」が90251ではほとんど聞き取れません。
また、コピー元の盤で面の変わり目だったと思われる157小節と158小節の間(90251では
10'56あたり)の間(マ)が長すぎ、スクラッチノイズらしき雑音が目立っています。

ここでマニア(?)の方にお尋ねしたいのですが、オリジナルの「ウラニア盤」の
ピッチが半音高いのは第2楽章の終わりまでA面に入れるためだったときいた記憶が
あるのですが、LPの面割は実際のところどうなっていたのでしょうか? オリジナルでも
上記のように157小節と158小節の間で面が変わっていたのならばまだ良心的(?)な
板起こしと言えますが、そうでなかったとすると90251は「二重の板起こし」ということに
なってしまうように思えるのですが。

この部分について、私の所有する8種類の盤(LP4枚、CD4枚)で調べてみると、
EMI Reference 2C051 63332、MELODIYA M10 06443(以上LP)東芝EMI CE28 5746、
MEL CD 10 00710(以上CD)ではきれいにつながっていて、
INTERCORD INT 120 921(以上LP)BAYER DACAPO BR200002、PREISER 90251(以上CD)では
程度の差はありますが間(マ)があいています。また、fontana FCM 50(LP)は
まさにここで面が変わっています。なおピッチについてはEMI Reference盤以外は
全て修正されています。

ちなみに、上記MELODIYAのLPでは第2楽章104小節の休符の所で面が変わっているのですが、
MELODIYAのCDではそこの間(マ)が短くなっています。

というわけ(?)で、TAHRAのCDや別の(レーベル名失念)ロシア系CDを聴いたことが
ない(これらの盤では上記問題点はどうなっているのでしょうか?)現状では
この演奏の「決定盤」としてはどの盤も「帯に短し....」というのが私の印象です。

もっとも、オリジナルテープがもともとハムも含めてノイズが多く、第2楽章の
157小節のあとで区切りがあるということになると、ここでの話は全て無意味なものに、
別の言い方をすれば「恥をさらしている」ということになってしまうのですが....。


13.3 Re: ウラニアのエロイカ
97/10/14 01:18 - imat
ウラニア盤の最忠実copyと自称しているURCD7095では
第2楽章において157小節目と158小節目の間に編集跡は聞き取れませんでした。
URLP7095の実物を知らないのでなんとも頼りない情報であいすみませんが、
一応報告しておきます。

13.4 Re: ウラニアのエロイカ
97/10/14 11:11 - shin-p

私はこのpreiser90251は板起こしではないように思います。
2楽章だけは音質が違うので、別のVPO所蔵のテープなどを
使っているかもしれませんが、それ以外の楽章はSFBへの
返還テープを元にしているような気がします。
面変わりの切れ目の部分はもともとテープの切れ目があって
つなぎあわせているLPが存在するのではないでしょうか。
つなぎ目の「ボコボコ」音ですが、テープがワカメ状に
なっている音のような気がします。
それで、1楽章の音質が不安定な部分もあって52/12/07の
録音で補修してあるような気もします。
いずれにしても最終的な判断ではなく、
もっと聞き込む必要はありますが−

shin-p

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