ランプシェード製作工程

製作工程は製作者の方によって様々だと思います
これから説明する事は、ほんの一例だと思ってください
説明対象はランプシェードのBegoniaです

教室などで習う時などは平面のステンドグラスから教わりますが
製作工程全体を見ていただくため立体的な作品にしました

初めにやる事は、頭の中で考えます、ランプシェードと、きめた場合
大きさはどの位にするか、電球は単数灯か複数灯かワット数は
ランプベースはどのような物がいいか
 
そして一番重要なガラス選びです、 ここで製作者の個性が出てきます
誰でも好みがあり色もそうです、どうしても好きな色が中心になってしまいます

ステンドグラスのガラスは、多種多様で見てるうちにあれもこれもと
ほしくなり、つい在庫が増えてしまいます
作品のガラス選びも同様で、初めは多くのガラスを使ってしまいます

経験上結論から申しますと、よい結果は得られませんでした
色が多いいと、ごてごてとしつこくなり
頭の中でイメージした作品にはなりませんでした

BegoniaのガラスはWissmach ピンク、オパール、イリデッセント( 最高ランク G )
Wissmach ダークグリーン、ストリーキー( B ランク )
Spectrum アンバー、ブラウン( A ランク )
Spectrum レッド( 最高ランク F )を選びました

さて、製作に移りましょう
初めに型紙( A )に番号を書いていきます、上記に書いたとおりガラスは4種類です、
ガラスが区別できるように番号の横にしるしを付けます

次に型紙を切っていきますが、ハサミは3枚刃の物を使います
下に2枚で上の刃をはさむかっこうになります
ちょうど上の刃の幅だけ切取り部分が多くなります
これはぴったり切るとガラスが入らなくなるので少し小さめに切り取ります、

次に切った型紙をガラスに貼り付けていきます
のりは事務で使っているようなもので、接着剤では有りません
ガラスを型どうり仕上げたとき水で簡単に取れるようにです

型紙の貼り方は、ただ貼ればいいと言う物ではなく、次の工程の
ガラスのカットの事を考えて貼っていかなければ行けません

ガラスは真直ぐ切れる性質を持っています
曲線を切るときも、大きな曲線しか切れません
この事を考えて、できるだけ一つ一つの間隔を狭く貼っていく事が

無駄なガラス片を出さずコストも下がります
上記の事は無地ガラスで言える事で、模様の有るガラスではできません  

ガラスをカット( C )するにはガラスカッターが必要ですが
ガラスカッターには、 ダイヤカッター( C上左 )とオイルカッター( C上中 )が有ります
二つにはそれぞれ特徴があり、ダイヤカッターは切れ味が良い反面

扱いが多少技術を要し、時々布などに染み込ませたオイルをつけながら
作業をします、オイルカッターはダイヤカッターほど切れ味は良くありませんが
扱いやすくオイルは持ち手部分の中に入るようになっています

ガラスカッターの持ち方は、人それぞれですが指先を刃先の方で
握る持ち方か、手のひらも使って握る持ち方だと思います
ガラスをカットしたとき特有の「キー」と音がするので耳でも確認します

長い直線をカットする場合、定規などを使い上から下に引いてきます
この時注意する事があります、刃先部分は厚みがあるので
2.5mmカット線上から定規を離して置きます( ダイヤカッター )

フリーハンドの場合ガラスは真直ぐ切れる性質を持っているので
その事を考えながらカットしていきます
短い直線や曲線をカットする場合は、下から上えカットしていきますが
曲線のカットは失敗を繰り返していくうちに、だんだん身について行きます

 次にガラスカッターで亀裂を入れたガラスを割っていきます
長い直線を割っていくのは、ランニングプライヤー( B下左 )で
カット線端にランニングプライヤーを挟み握るだけです

短い直線や曲線は、ブレーキングプライヤー( B下右 )で
ワニ口を下にしてカット線から1mm程離して挟みますが
反対側からも挟める場合は二つのプライヤーを使います

割る感覚としては下に折り曲げると言うより、左右に引き離す感覚が
良いでしょう、この時セーフティーアイグラス( A下 )は必ずかけます
割ったときガラスの破片が飛び散るので、目に入ったら危険です

ブラシ( 画面下 )でこまめに掃除しながら作業を進めます
ランニングブライヤーやブレーキングプライヤーが使えないところは
マントリンハンマー( C上右 )をカット線下から、軽く叩きながら割ります

 次に割ったガラス( ピース )を型紙に合わせて削っていきます
初めはグロージングプライヤー( B上左 )やホイールニッパ( B上右 )を
使って荒削りします

グロージングプライヤーは細かく砕いていく道具で、通称「ガリ」と
呼ばれています、ホイールニッパは先の丸い刃でとがった部分などを
挟んでカットしていきます

最後にルーター( A )で型紙どうり削っていきます( C )
通常使うビットは3/4インチ( A中 )ですが細かい部分を削る場合は
1/4+3/4インチ( A上 )を使います

ルーターは上部が取り外しができる薄い容器になっていて、その上に
トッププレートをのせます、水をトッププレートの上ぎりぎりまで入れて
スポンジ( A )に水を含ませた状態でビットに付けながら削ります

型紙どうり削ったピースは水で良く洗いながら型紙を取り
改めて水性ペンで番号を書いていきます

次に削り終わったピースを型紙の番号どおり合わせていきます、
この時大きくて合わなかった場合はヤスリ( C下 )を使って調整します、
全部合わせて問題が無ければ次に進みます

できあがったピースにカッパーテープを巻いていきます( B )
カッパーテープ( D上 )には「レギュラー」と「ブラック」があり

レギュラーは表裏とも銅色でブラックは表が銅色で裏が黒色に
なっています、たとえばクリアのガラスにブラックパティーナ仕上げを
したとします、当然クリアガラスですから透き通ってカッパーテープの

裏が見えます、この時パティーナとカッパーテープの色が合っていなければ
いけません、カッパーテープの幅はガラスの厚さに合わせ1/8インチ〜
1/2インチ・・・と多種にわたります

カッパーテープの巻き方は、ピースの表面で1mmないし2mm出して
巻いていき後ではがれない様に、ヘラ( D下 )でこすっておきます。