製作工程( ハンダ付け )

ハンダ付けには三つの工程があります
点ハンダ、基礎ハンダ、本ハンダの順で行っていきます
ハンダには、50-50と60-40があり、これは錫60%-鉛40%を表し

錫が多くなると硬くなっていきます、ハンダ付けの時は保護メガネを
して、前もってフラックスを塗ってハンダが付き易くします
点ハンダと基礎ハンダは50-50を本ハンダは60-40を使います

初めに型紙どうり削ったピースを番号どうり置いていきます、
ピースとピースの間を大まかに点でハンダ付けします
点ハンダはピースが動かないようにする、仮止めのような物で
密接にハンダすると後で調整できなくなってしまいます

上記の手順で残りのピースも行い、基礎ハンダに移ります
基礎ハンダはピースとピースの間を平らに埋めていきます
ハンダ面を平行にしてフラックスを塗り、ハンダゴテをある一定時間

あてながらハンダを隙間に流し込んでいきます、このとき長くあてすぎると
ハンダが裏から垂れてしまいますので気をつけます、コテをあてていると
「ぶくぶく」とハンダが入っていく音がします

表の基礎ハンダが終わったら、裏も基礎ハンダします、六面基礎ハンダを終えたら
次に六面体のシェードにしなければなりません、六面裏返しにして側面を
合わせます、ハンダを5cm程切り面と面をブリッジする様に付けて行きます

これでずれない様になるので表にして六面体を作ります、最後に本ハンダを行います( D )
本ハンダは60-40を使い基礎ハンダの部分を盛り上げていきます
ハンダ面を平行にして、一定の速さでコテを動かしてハンダを溶かし

盛り上げていきます、途中で止めたり、継ぎ足したりすると
綺麗なハンダになりません、言うのは簡単ですがこの作業になれるのは
多少時間がかかります、本ハンダは表面だけで終了です

以上でハンダ付けの工程は終わりです
次にフラックスや余分なハンダを取るため、洗浄を行い
綺麗になったシェードのハンダ部分にパティーナを塗っていきます

パティーナはハンダ部分を腐食させて色を付けていく薬品で
ブラック、アンティーク、カッパーの3種類があり
ブラックは黒色、アンティークは銅色、カッパーは鉛色となります

10年ほど前まではアンティークが主流でしたが、二酸化セレンの入った
ブラックパティーナが出てからはこちらが主流となっています
二酸化セレンの入ったブラックパティーナは非常に着色が良く

綺麗にしあがる反面、二酸化セレンは毒劇物の薬品なので
取り扱いに十分な注意が必要です、保護メガネをかけビニールの手袋
( 水洗いで使うような物 )をします

パティーナの塗り方は、ハケで一定のリズムで塗ることです
パティーナを多く塗ったり、ちょこちょこ塗ったりすると
まだらになってしまいます

パティーナが乾いたらピースに残っている油性マジックを専用の洗浄液で
落とし、パティーナも通常の洗浄をして軽く流します最後にガラス部分を
乾いた布で磨き、ハンダ部分に専用ワックスを塗ってシェードの完成です

次にソケットの配線をして、ランプベースに取り付けます
ランプベースによっては初めからソケットのついたものもあります
シェードをランプベースに付けて完成品となります

部屋を暗くしてランプに灯りをつけます、このときが最高にうれしい
気分です、初め頭の中で考えていた物が現実の物になり
明るく輝いています、今までの長い工程が吹っ飛んでいきます。
製作時間 73時間 268ピース。